アインズ様はストイック   作:大城之助

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多分、R15。少なくともR18ではない。
…と信じたい


4 私は、休息をとる

私は、休息をとる。

そういって、アインズがベッドに潜ってから30分ほどが経過していた。

 

流石に頬の赤みは引いたリュミエールは、背筋を伸ばしアインズ(外装;シャルティア)の様子を見つめる。

 

アインズ当番である彼女は勿論、手を抜くなど考えられないが、その瞳はいつも以上に真剣である。

なぜなら、アインズの様子がおかしい。

毛布の中でもぞもぞしたり、時々息が荒くなっているのも見受けられる。

シャルティアの体なら休息を取れると主人は言っていたが、まだ慣れていないのだろうか?主人が命令を下すとき、全力で当たるためにフォアイルは背筋に力を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おかしい。

 

この感情は、何という名前なのだろうか?

体の血が沸騰しているかの如く熱いし、とても人恋しい。

眠ろうとしているのに目は覚め、脳は時間がたつにつれ血の勢いが早くなっているように感じる。

誰でもいいから、抱きしめてほしい。

 

いままで、感じたことのない心の状態にアインズは混乱する。

 

(はぁ、はぁ。な、んだ?これ?)

 

意識が朦朧として、考えがまとまらない。

なぜ、こんなことになっているのか。アインズは原因を探ってみる。

様子がおかしくなったのは、フォアイルの鼻血を拭ったあたりからだ。

その前は、ひたすらオレンジジュースの味に感銘を受けていたし、自分(シャルティア)の体に変なところはなかったはずだ…

 

(!!!血の狂乱!!)

 

そこでアインズは思い至る。

<憑依>は対象となる相手の能力に依存する。つまり、デメリットも受け継がれるのだ。

ユグドラシルでは、メリットに対応してデメリットもついてくるようなゲームであった。

よって、優秀なステータスを誇るシャルティアには多くのデメリット能力も付与されている。

<呪われた騎士>や<血の狂乱>などである。

 

(まずい!!あんな少量の血でも反応するのか!!リュミエールに伝えて、パンドラズアクターを呼んでもらわねば…!!)

 

残念だが、規定時間を前に実験は中止だ。

このままでは、リュミエールを巻き込みかねない。

 

(俺の休息の為にNPCを傷つけるなんてもっての他だからな)

寂寥感に襲われながら、アインズはリュミエールと目を合わせる。

 

「?」

 

見つめられたリュミエールの、深いブラウンの瞳がアインズの紅い瞳と交差する。

リュミエールが人好きのする笑みを浮かべ問う。

 

「アインズ様どうかされましたか?」

 

リュミエールの態度は厳粛なメイドとしてのそれでなく、少し柔らかいものだった。

 

理由は、場所が玉座の間や執務室でなくあくまでプライベート空間の寝室であること。

また、アインズの外装は現在シャルティアのものであり、普段よりも愛らしい姿であったため、自然にそういった態度が最適だとリュミエールが考えたから。

など複合的である。

 

ぷつん

 

その態度を見たアインズのなかで何かが弾けた。

 

 

「リュミエールよ」

 

「はっ!なんなりと命じてください!」

 

「うむ。そこまで来てくれるか?」

 

アインズがベッドのへりの部分を指す。

リュミエールは、無言でしたがう。アインズの命令に異を唱えることなどあり得ない。

 

「では、そのままこのベッドにはいってくれ」

 

「え!…えーと。ごほん。アインズ様、メイド如きが主人と同じように横たわるなどの不作法をすることは…」

 

アインズの命令に異を唱えるなどあり得ないが、主人の品格を貶めてしまうのなら別だ。

この場合、自分の様な卑しい身分と高貴な御方が同じ場所で横たわるなど…

 

「…ダメか?リュミエール?」

アインズ(外装;シャルティア←重要!!)は、上目遣いでリュミエールに食い下がる。

声は上ずっており、瞳も濡れている。

 

(アインズ様…その様な…反則です…)

 

アインズは意図してやっているのではないだろうが、その“おねだり”の破壊力は超位魔法級であった。

見た目最上級美少女×中身正統ヒロイン属性の破壊力にLV1の一般メイドが耐えられるわけもなく…

 

 

 

 

 

現在、リュミエールはアインズと同衾中である。

 

リュミエールは無心を演じているが、状況の変化に頭のなかは「???????」という状態である。

部屋は薄暗いが、暗視を持つアインズには自分の顔が真っ赤になっているのもお見通しであろう。という事実でさらに恥ずかしくなってくる。

 

ちなみに今は、アインズとリュミエールはお触りはしていない。

リュミエールとアインズは共に天井を見つめている状態である。

しかし、アインズの様子を見るにそれが時間の問題である。ことは間違いないないと…遅ばせながらリュミエールも理解してきた。

 

(急展開すぎて頭がついていきません!!…けどこれって…)

 

ナザリックに属するものにとって、何が一番の幸せであるか?と尋ねたなら

 

「至高の御方のお役にたつことです。」と誰もが答えるだろう。

しかし、こと女性型NPC(一部男性、無性も含む)にとっては真の答えは変わってくる。

 

夜伽である。神の如き至高の御方に直接に愛されること。

それは、何物にも代えがたい、幸せであるからだ。

しかし、同時に恐れ多いものでもある。

 

現在、表だってアインズの寵愛をねだれるものはこのナザリックにおいて二人。

守護者統括アルベドと階層守護者シャルティア・ブラッド・フォールンという上役のみである。

 

そして、彼女たちもアインズの寵愛を射止めてはいない。

しかし、現在!ただの一般メイドにしか過ぎないリュミエールはナザリックで一番目の寵愛を賜る直前まできていることを肌で感じていた。

 

(本当に私なんかがこんな重要な役目を賜って大丈夫なのでしょうか?)

 

正直、アインズ当番をしているメイドは皆、この展開を夢見てはいる。

 

ただし、それは本当に夢であって実現するとは考えていないものだ。当のリュミエールの現在の心境は期待:3,不安:7というところである。

 

(うう…私、汗臭くないでしょうか…せめて、シャワーを浴びてから…)

 

それと、化粧直しとメイド服のチェック、ついでに同僚との入念な打ち合わせとついでに腹ごしらえまでさせて下さい!!!

 

(あ…)

 

しかし、リュミエールの懇願も虚しくアインズはリュミエールに抱きつく。

リュミエールは天井を向いた姿勢のまま、横からアインズの小さな体が密着する形だ。

 

アインズの体は現在、吸血鬼であり体温は感じられない。

しかし、リュミエールはアインズとの接地面が火傷しそうなほど熱く感じた。

 

「リュミエール…」

 

「はい…」

 

ひどくか細い声の主人に応対する。これは最早、反射のようなものだ。

顔をアインズに向けたリュミエールは驚愕する。

 

ニュルリ 

 

「!!」

 

シュポ ジュルル ペチャペチャ チュ

 

キスだ。勿論、バードで表せる軽いやつでない。

ディープだ。主人の舌がリュミエールの口内で暴れる様に動き回る。

しかし、それは乱暴なものでなく、かなりテクニカルのものだった。明らかに手慣れている。

 

(あぁアインズ様!!!私は!これほどの御方とキ…キスをして…んんっ!!)

 

アインズ・ウール・ゴウン。我々NPCの神であり、至高の御方々のまとめ役。

それほどの御方に私は愛されている!!

 

それほど偉大であるのに…いや偉大であるからこそ、かなりのテクシャンだ。

キスだけで逝かせれてしまった。

 

チュパン

 

別の生き物のように蠢いていた舌と唇が離れるが、リュミエールは舌を口内に戻す余裕もなかった。

口を半開きのまま、まとまらない頭で思考を試みる。

 

(はぁ…はぁ♡すごい…今までさぞ浮名を流してきたに違いないわ…♡)

 

人生で体験したことのないような快楽がリュミエールを襲う。

そして、その快楽は序章に過ぎないのだろう。

自らに股がり、ニンマリと笑った吸血鬼を見てそう直感したリュミエールだった。

 

 

続く




アインズ様がテクニシャン?…妙だな…

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