今回は地雷ウイスキーの第三弾として、エンシェントクランを飲んでみます。
トマーティン蒸溜所は、スペイサイド地方よりも西に外れた場所にあり、水とピートが豊富にある地域にあります。
1980年代に経営が悪化した際、宝酒造が出資することで立ち直りました。現在は宝酒造のほか、同社の主要株主である国分が輸入販売をしています。
ボトルの名にある「クラン」とは、スコットランドにおける「氏族」と言われる身分の人たちのことを指します。スコットランド王家に仕え、その土地の統治を行ってきた人々で、日本で言えば武士や豪族に相当すると言えます。
このエンシェントクランでは、トマーティンのモルトをキーとして、24種類のモルト、グレーンをブレンドしていると言われています。
こう書くと、どこが地雷なの、と思われますが、実際に飲んでみます。
味わいは、アルコールからの辛みが先に訪れ、その後は苦みが舌を支配します。奥からは何とか酸味が顔を出しているのが感じられます。
全体的にとげとげしく若さが目立ち、ストレートではあまり美味さを得られません。
味わいも、ストレート同様に苦みが強く、酸味はほのかに得られるかな、という程度です。
後味にも苦みがしっかり残り、嫌気を催します。
味わいは、苦みが前に来るものの、後味としては甘みが多少顔を出します。
1:4で割ると、ヨードのような香りが前に出るようになり、マスカット、ウッディさが続きます。
味わいは、やはり苦みがメインで、奥から甘みが見えてきます。
味わいは、炭酸によって誘われるように酸味が加わりますが、メインはやはり苦さが出ています。
IPAなどのようなホップが強く利いたビールが好きな人だと飲めるかと思いますが、それでもハイボールとして苦みが強いです。
1000円スコッチだからこんなもの、といわれる方も居ると思いますが、この価格帯でも常飲できるほどのコスパの高いボトルが多いので、むしろ損した気分です。
何とか水割りにすることで甘みが出てきて救われている感はありますが、飲み方をかなり選ぶというのはマイナス要因です。
そういう意味では地雷と言われても仕方ないと思います。
名誉のために書きますが、シングルモルトのトマーティンはフルーティでうまいですし、ブレンデッドで言うと、少々高くなりますが、「ビッグT」がおすすめです。なかなかお目にかかれませんが...
トマーティンが手がけるブレンデッド
エンシェントクランは、スコットランド ハイランド地方にあるトマーティン蒸溜所が手がけるブレンデッドウイスキーです。トマーティン蒸溜所は、スペイサイド地方よりも西に外れた場所にあり、水とピートが豊富にある地域にあります。
1980年代に経営が悪化した際、宝酒造が出資することで立ち直りました。現在は宝酒造のほか、同社の主要株主である国分が輸入販売をしています。
ボトルの名にある「クラン」とは、スコットランドにおける「氏族」と言われる身分の人たちのことを指します。スコットランド王家に仕え、その土地の統治を行ってきた人々で、日本で言えば武士や豪族に相当すると言えます。
このエンシェントクランでは、トマーティンのモルトをキーとして、24種類のモルト、グレーンをブレンドしていると言われています。
こう書くと、どこが地雷なの、と思われますが、実際に飲んでみます。
水割りなら何とかなるのだが...
グラスからの香り、液色
香りは紅茶、カラメル、イースト、リンゴが感じられます。液色は少々薄めのゴールドです。ストレート
香りとして、アルコールの刺激が先に訪れ、紙を焼いたような煙の香りが続きます。程なくしてマスカット、リンゴの香りがやってきます。グラスから香った紅茶やイーストはあまり感じられません。味わいは、アルコールからの辛みが先に訪れ、その後は苦みが舌を支配します。奥からは何とか酸味が顔を出しているのが感じられます。
全体的にとげとげしく若さが目立ち、ストレートではあまり美味さを得られません。
ロック
ストレートに引き続き、アルコールの刺激が鼻を突いてきます。しばらくすると、紅茶の華やかな香りがやっとのぞかせ、石鹸のようなフローラルさが続きます。ブドウやリンゴの香りは影を潜めます。味わいも、ストレート同様に苦みが強く、酸味はほのかに得られるかな、という程度です。
後味にも苦みがしっかり残り、嫌気を催します。
水割り
トゥワイスアップだと、アルコールの刺激はあるものの、リンゴ、ブドウのフルーティさが前に出てきます。その後、軽くスモーキーな香りと共にフローラルさも出てきます。味わいは、苦みが前に来るものの、後味としては甘みが多少顔を出します。
1:4で割ると、ヨードのような香りが前に出るようになり、マスカット、ウッディさが続きます。
味わいは、やはり苦みがメインで、奥から甘みが見えてきます。
ハイボール
1:3で割ると、アルコール感がまだまだ感じられ、奥からウッディさが感じられます。味わいは、炭酸によって誘われるように酸味が加わりますが、メインはやはり苦さが出ています。
IPAなどのようなホップが強く利いたビールが好きな人だと飲めるかと思いますが、それでもハイボールとして苦みが強いです。
まとめ
香りとしては悪くはないですが、全体的にアルコールの刺激や辛み、そして苦みが強く印象づけられ、お世辞にもうまいとは言い難いです。1000円スコッチだからこんなもの、といわれる方も居ると思いますが、この価格帯でも常飲できるほどのコスパの高いボトルが多いので、むしろ損した気分です。
何とか水割りにすることで甘みが出てきて救われている感はありますが、飲み方をかなり選ぶというのはマイナス要因です。
そういう意味では地雷と言われても仕方ないと思います。
名誉のために書きますが、シングルモルトのトマーティンはフルーティでうまいですし、ブレンデッドで言うと、少々高くなりますが、「ビッグT」がおすすめです。なかなかお目にかかれませんが...
- メーカー:トマーティン蒸溜所(販売:国分)
- 容量:700mL
- アルコール度数:40度
- 価格:1100円
- 香り:アルコールの刺激が強い。ブドウ、リンゴ、紅茶、石鹸。
- 味わい:アルコールの辛み、そして苦みが強い。心地よい味わいとは言えない。
- ストレート D:アルコールの辛さがと苦さが強く、正直飲みにくい。香りはいいが。
- ロック E: とにかく苦い。香りが豊かなだけに飲み続けられないもどかしさ。
- 水割り B: やっと甘さが目立つようになり、スイスイいける。
- ハイボール D: ホップが強く利いたビールのような苦さ。癖が強い。