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UWPアプリの洗練されたUIをWin32アプリでも ~Microsoft、「WinUI 3 Preview 1」を発表
二分されたWindows開発の世界を再編・融合させる「Project Reunion」の第一歩
2020年5月29日 06:45
米Microsoftは5月19日(現地時間、以下同)、開発者向けオンラインカンファレンス“Build 2020”で「WinUI 3 Preview 1」を発表した。UWPとデスクトップアプリの両方で使用できる、初めての「WinUI」だ。
「WinUI 2」から「WinUI 3」へ
「Windows UI Library(WinUI)」は、モダンなWindowsアプリ(UWP/XAML)を構築するためのコントロールとスタイルを含んだユーザーインターフェイスレイヤー。最新バージョンの「Windows 10」でしか利用できないコントロールを以前のバージョンの「Windows 10」でも利用できるよう後方互換性を提供するほか、XAMLに低レベルAPIへのアクセスを提供する「XamlDirect」でミドルウェア開発者のライブラリ開発を支援する。最新版は5月8日リリースの「WinUI 2.4」。
「WinUI 2」までの「WinUI」はWindows 10のバージョンにとらわれないUWP/XAMLアプリの開発を目指しており、Windows 10とそのUWP SDKと依存していた。また、モダンなXAMLコントロールを「XAML Islands」と呼ばれる仕組みでWin32アプリに埋め込むことはできたものの、あくまでも基本はUWP/XAMLアプリのためのレイヤーに過ぎない。
しかし、次期バージョンとなる「WinUI 3」はXAML、構成、そして入力関係のAPIがOS/UWP SDKから完全に切り離され、Win32アプリのUIレイヤーとしても利用できるようになる。レガシーなUIフレームワーク(Windows Forms/WPFなど)は依然サポートされるものの、これからのアプリは「WinUI」がベースとなっていくだろう。
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今後、すべての新しいXAML機能はOSの一部としてではなく、「WinUI」の一部として出荷される。OSの一部として出荷される既存のUWP/XAML APIのメンテナンスは継続されるが、新機能が追加されることはない。XAMLが切り離された残りのUWPは、アプリケーションとセキュリティモデル、メディアパイプライン、Windows 10/Xboxシェルの統合、幅広いデバイスサポート(HoloLens、Surface Hub、IoTデバイスなど)といった役割を果たすプラットフォームとして、引き続き開発が行われる(Windows Runtime:WinRT)。
二分されたWindows開発の世界を再編・融合させる「Project Reunion」
Windows開発の世界はWindows 8のリリース以降、レガシーなWin32とモダンなUWP/XAMLに二分されている。UWP/XAMLアプリは美しいユーザーインターフェイスと現代的なセキュリティモデルを備えていたが、自由度に勝るWin32が好まれることも少なくなく、移行はなかなか進んでいない。先進的な機能はUWP/XAML/WinRTから導入されることが多いにもかかわらず、レガシーなWin32からは活用が難しいという点も課題となっていた。
そこで同社は「Project Reunion」という取り組みを発表し、その両者の再融合を図ろうとしている。