GoToトラベルキャンペーンが始まって1週間がたちました。制度がきちんと整備されないままの見切り発車で、現場は混乱しています。

 手続きは煩雑でわからないことだらけ。どうやって利用したらいいのでしょうか?

 GoToトラベルキャンペーンとは、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた観光業を支援する政策です。旅行代金の半額相当、1人1泊最大2万円分が支援されます。

 十分な準備がないまま見切り発車したため、大手旅行会社による割引済みの商品の販売は間に合っていません。

 現在は、旅行の後個人で手続きを行い、後日支援金が支払われる状態です。実際に宿泊した場合どのような手続きが必要なのでしょうか?

 中村屋旅館 八尾師 友美さん:「(客に)渡すのは、『宿泊証明書』と、『内訳がわかる領収書』」

 宿泊したことを証明する文書と、支払い内容がわかる領収書が必要になります。これだけではありません。宿泊先が発行するこの2つの書類の他に個人で用意しなければならないものも…。

 中村屋旅館 八尾師 友美さん:「注意するのは、『通帳の写し』か『キャッシュカードの写し』も必要」

 還付金の振込先の通帳やキャッシュカードのコピーの他、免許証や保険証のコピーも必要です。

 さらに事務局のホームページからダウンロードした申請書と口座確認書など、あわせて6点の書類が必要になるのです。

 それでは、そろえたこれらの書類をどこに送ればいいのでしょうか?

 中村屋旅館 八尾師 友美さん:「どこに送ったらいいかわからない」

 Q.送り先が決まっていない?

 中村屋旅館 八尾師 友美さん:「まだ、決まっていないみたい」

 苦労してそろえた必要書類。その送り先が決まっていないって一体どういうこと?

 1人1泊最大2万円分が支援されるGoToトラベルキャンペーン。申請のために揃えた書類の送付先は…。

 中村屋旅館 八尾師 友美さん:「まだ、決まっていないみたい」

 事務局への送付先が決まっていないのです。申請の受付が始まる8月14日までには決まる見込みだといいます。オンラインによる受付も準備していますがこちらも…。

 Q.オンラインによる受付はいつから?

 観光庁の担当者:「具体的にいつまでとは発表できない」

 前倒しのスタートで混乱が続くGoToトラベルキャンペーン。迎え入れる側の観光地でも困惑が広がっています。

 「青い池」などの人気観光スポットが広がる美瑛町の観光協会では…

 美瑛町観光協会 庄司 篤史 事務局長:「どのように登録すれば還付の対象になるのか、(宿泊施設からの)問い合わせが多い」

 個人経営のペンションが多く、どうすれば対象の施設として承認されるのか、詳細な説明がないため戸惑いが広がっているのです。

 またキャンペーンへの参加を見送るケースも。帯広市のこちらの旅行会社では。

 ソーゴー印刷 スロウトラベル北海道 湯川 大輔さん:「本州の客を大事にしないといけないが、この段階では早い」

 東京は対象から除外されたとはいえ、感染拡大が続く地域から旅行客を呼び込むことは、地元の理解を得られないというのです。

 ソーゴー印刷 スロウトラベル北海道 湯川 大輔さん:「まずは(北海道内の)地域内で経済をまわすのが最優先。受け入れ客も北海道内の人だと安心する」

 前倒しして始まったGoToトラベルキャンペーン。見切り発車のツケがいたるところに出ています。