2020.8.19 18:20
75年前、広島市にあった学校で被爆した女性教員が、当時の惨状や気持ちをつづった手記が見つかりました。教員にゆかりのある2つの学校が活用を検討しています。
「今、思い出してもぞっとするピカの一瞬。それは今から5年前の8月6日。」(手記)
原爆が投下されたとき、爆心地から1キロにあった当時の広瀬国民学校で教員をしていた尾形静子さんが、被爆から5年後に書いた手記です。
職員室で職員朝会が開かれている時でした。
「誰かが、飛行機の音がしたよ。誰かが敵機かなとつぶやいて外へ。『あっ』という強いショック。ツーンと鼻をつく黄色い、ニス臭いにおい。」(手記)
18歳だった尾形さんは、顔にひどいやけどを負いました。
「百年と経って、人々の脳裏からピカのことは忘れられても、わたしは一生忘れることができない。焼印を女の命とも言われる顔に押されたのだもの。」(手記)
被爆直後の生々しい光景や尾形さんの繊細な気持ちが細かく書かれた手記。広島市が1950年、被爆体験記を募った際に書かれたとみられます。
地元のマスコミ関係者が保管していた原稿を、元校長に紹介したことがきっかけで、本川小学校に寄贈されることになりました。
「この被爆体験記を読むと、尾形先生の思いに触れることができる。子どもたちに訴える力をこの体験記は持っている。」(本川小学校 岡田由佳校長)
尾形さんが被爆したときに勤務していた広瀬小学校と、被爆後に勤務した本川小学校は、この手記を平和教育に活用することを話し合いました。
「それが、今につながっているんだと。それを支えたのが、尾形先生たちであったということを伝えていかないといけないという思いを強く思いました。」(広瀬小学校 二宮孝司校長)
「次の時代を担う子どもたちを育てていく。だから、幸せなんだということが書かれていて、このメッセージは教職員として受け取らなければならないメッセージだなと思っています。」(本川小学校 岡田由佳校長)
被爆後、尾形さんは、本川小学校の教員として焼け残った校舎でいち早く授業を再開しました。その後は44歳の若さで亡くなりました。
手記には、顔にやけどを負ったことに苦しみ続けても、「学校で子どもたちといる間は辛いことを忘れた」とつづっています。
「子どもは純真です。この子どもたちに二度と戦争の憂き目を見せないようにひたすら念願するのみです。」(手記)
本川小学校と広瀬小学校は、手記の活用について引き続き検討を重ねるということです。
2020.8.19 18:20
観光行政を所管する中国運輸局の新しい局長が就任し、先月、スタートした政府の観光支援事業「GoToトラベル」に、広島県内では205の宿泊施設が登録し、「順調な滑り出し」としました。
「宿泊予約サイトからの申し込みでは、ほとんどがGoToトラベル事業を利用しているとか、隣接県など近場が売れて来ているとの声が聞かれる。」(中国運輸局 河原畑徹新局長)
旅行代理店のヒアリング内容を紹介したのは、先月21日に着任した中国運輸局の河原畑徹新局長です。
今月17日現在、GoToトラベルに県内で登録を済ませた旅行事業者は136、宿泊施設は205ということで、河原畑局長は、「順調な滑り出しだが、安心・安全対策が求められる」と強調しました。
「今後とも感染予防対策など安心・安全の旅行環境づくりを行ったうえで地域経済の再生を実現することがたいへん重要である。」(中国運輸局 河原畑徹新局長)
2020.8.19 18:20
広島生まれの高級ブドウ「シャインマスカット」の出荷が、福山市で最盛期を迎えています。
福山市の南部に位置する沼隈町は、県内一の出荷量を誇るブドウの産地です。およそ42ヘクタールのブドウ団地にある采井正志さんの畑では、高級品種「シャインマスカット」の収穫作業が行われていました。
シャインマスカットは大粒で糖度が高く、果汁が多いブドウです。皮が薄く、種もないため、手軽に皮ごと食べることができるのも特徴の1つです。
安芸津町の試験場で生まれ、2006年に品種登録をしたシャインマスカット。ブランド化に成功し、高値で取引きされていて、贈答用としても人気があるそうです。
「当初、梅雨が長くて心配したんですけど、それから好天が続いて、糖度ものってきたし、もう最高のブドウができたと思います。」(沼隈町果樹園芸組合 采井正志組合長)
福山市沼隈町のシャインマスカットは、来月の下旬まで106トンが広島や関西の市場に出荷されるほか、選果場で直売もされています。
2020.8.19 18:19
広島県は、新型コロナウイルスの新規感染者の把握を迅速に行うため、唾液での検体採取を一部の診療所などで開始したことを明らかにしました。
検体採取は、これまで鼻から行われ、県内では45の医療施設での実施にとどまっていました。
今後、広げていこうというのが「唾液による検体採取」です。どのような方法なのか、聞きました。
「鼻からの採取は、重装備でとらないと、感染してしまう危険が高いが、唾液採取法は、検査を受ける人にお渡しし、自分でとっていただいて、それをこちらで受け取るので、感染のリスクも低くなるし、簡便にできる。このストローを使って、中に唾液をためていく。最低2cc必要。しばらく口の中に唾液をためてもらい、出してもらう。」(安佐市民病院 加藤雅也主任部長)
県は、唾液による検体採取を公募したところ、これまでに内科・小児科・耳鼻科など県内全ての市と町の合わせて673施設での実施が決まり、一部では、すでに始まったことを明らかにしました。
施設名は、診療に混乱を来さないよう非公表ですが、その施設が唾液による検体採取に対応していれば、医師の判断で検査を受けることができます。保健所を介さないため、検査までの時間が短縮されるメリットもあります。
県では、引き続き公募を続け、1日400件程度の検査能力を、今年度内に2400件に増やすということです。
― 19日の状況です。広島市は、20代1人の感染が確認されたと発表しました。県内の感染者の累計は432人となりました。
※19日夜、廿日市市でも1人の感染が公表され、県内の感染者の累計は433人となりました。
感染が確認されても、その後、退院する人もいます。18日現在の患者は前の日より5人減って32人。医療機関のベッドも、軽症者用ホテルも十分に余裕のある状況です。
2020.8.19 18:18
厳しい残暑が続いています。19日も広島では、三次や加計で最高気温が37度を超えました。映像で「涼」をお届けします。県内屈指のアウトドアスポットで、川遊びです。
2020.8.19 16:46
こちらは、カープの本拠地・マツダスタジアムと広島駅を結ぶ、通称「カープロード」です。試合がある時は大勢の人でにぎわいますが、今シーズンは新型コロナウイルスの影響で閑散としています。こうした中、カープファンなじみの1軒の店が、近く閉店することになりました。
「閉店すると聞いて、大将が死ぬんじゃないかと思った。」(常連客)
「死ぬわけない。新たな1歩のスタートっですよ。」(岡村秀幸社長)
「カープロード」に面した店の1つ「スポーツファンベースヒロシマ」です。店内の大画面でカープの試合を見ながら飲食できる店として、ファンに親しまれていましたが、23日限りで閉店することになりました。
「まあ、8月から観客が入れば、何とかなるかなという感じでいましたけど、ことしだけでなく、来年も引きずるかも知れないじゃないですか、この感染というものがですね。そういうことを考えると、この大きい箱、維持する自信がなくなったですね。」(スポーツファンベース 岡村秀幸社長)
カープがリーグ3連覇を果たした2年前は、多い時で400人あまりのファンが詰めかけるなど盛り上がりました。
来店客の半分は、球場での観戦前に立ち寄る人たちですが、4分の1は、チケットが買えず、球場に入れなかったファンです。
広さおよそ280平方メートルという広い店内は、こうした人たちの受け入れ先になってきました。しかし、新型コロナの影響で、マツダスタジアムの入場者は5000人以下に制限されています。
売り上げは以前の1割ほどに落ち込み、広いスペースにかかる家賃の支払いに苦しんでいました。最終的には8月から予定されていた入場制限の緩和が見送られたことで、閉店を決断したということでした。
「試合のときは必ずここで一杯飲んで、『よう来た。きょうも来たか』という感じ。」(常連客)
「家族みたいなもの、カープファンはみんな。」(岡村秀幸社長)
店の一角には寄せ書きコーナーが設けられ、常連客が「贈る言葉」を書き込んでいました。
閉店で、店の2階にあってスポーツファンベースが運営する『津田恒美記念館』も移転することになりました。新型コロナの影響で4月から休館していていましたが、再開できないまま今、移転先を探しています。
しかし、店の雰囲気に悲壮感がないのは理由がありました。
「時刻は現在、午後5時です。このあと6時からマツダスタジアムでナイターがあるということで、これまでなら、このカープロードも大勢のお客さんでにぎわうんですけども、ご覧のとおり非常に少ない人通りになっています。」(柴田和広記者)
苦戦しているのは、「スポーツファンベース」だけではありません。こちらは、テイクアウトの肉料理を提供している店です。
「全然、少ないんで、お客さんが。売り上げはもう5分の1か、6分の1くらい。」(瑞輝弁当マツダスタジアム店 岡田正人店長)
実は、岡村社長は、店を閉める一方で、カープロードの町おこしを考えていました。
「カープロードTシャツっていうものをちょっと考えていきたいんですよ。カープロードというものをやっぱり広島市民、中国地方、全国に知ってもらいたいので。」(岡村秀幸社長)
カープロードにもう少し狭いスペースの空き物件があれば、すぐにでも移転するということです。
「カープファンのおかげで、ここ運営できたので、今からもカープファンを大事にして、カープロードで生きていきます。カープロードを愛してるんで、がんばります。」(岡村秀幸社長)
「閉店はあくまで新しいスタートのため」と言い切る岡村社長…。23日の閉店後、ただちに行動を開始することにしています。
2020.8.19 16:45
今、知っておきたい情報をわかりやすくお伝えする『イマシリ!』。きょうのキーワードは、「猛暑で相次ぐ水の事故」。
大竹市での水難事故のニュースをお伝えしましたが、先日も広島市でこんな事故がありました。
「広島市安佐北区にある柳瀬キャンプ場。連日、家族連れや若者でにぎわいますが、あちらの川で水難事故が起きました。」(末川徹記者)
今月16日、広島市安佐北区可部町を流れる太田川で当時、水遊びをしていた20代の男女2人がおぼれ、病院に搬送されましたが、その後、死亡しました。
キャンプ場を管理する広島市などによりますと、現場付近では、ここ10年の間にほかにも3人が川でおぼれて亡くなる事故が起きているということです。
そんななか、広島市は…。
「今回の水難事故を受けて、広島市がこのような横断幕を設置しました。」
『この度、この付近の川で水難死亡事故が発生しました。急に深くなる場所や水流・水温の急変する場所があり、泳ぐには危険です。』(横断幕)
今後は国と連携して、再発防止策を検討していきたいとしています。
― この事故に続いて、18日、大竹市でも事故がありまして、消防によると、県内でことし、川のレジャーでおぼれて亡くなった人は合わせて4人となりました。
広島市の担当者によりますと、太田川などを含む公共河川は『自由利用が原則』なので遊泳を法律で禁止することはできないと。再発防止策としては横断幕や看板など『注意喚起』をするしかないということです。でも、それだけだとなかなか伝わらないと、頭を悩ましています。
― 一方、海水浴場でも事故が起きています。
島根県浜田市・石見海浜公園の海岸です。今月9日、広島から海水浴に来ていた男性4人が150メートルほど沖合に流される事故がありました。
公園の管理者によりますと、流された4人が泳いでいた岩場付近は潮の流れが速く、およそ5分で100メートル以上流されたとみられています。
警察や海上保安部が捜索活動を続けたところ、2人の死亡が確認されたということです。
― 当時、現場の海水浴場では波が高く、非常に危険だったため、全域で遊泳が禁止でした。そして、ライフセーバーなどの監視委員がいない海域で泳いでいたということです。
海の事故は、県内でも相次いでいまして、第6管区海上保安本部によりますと、県内ではことし、海水浴中に3人が亡くなっています。
― ことしは新型コロナの影響で「海の家」がなかったり、ライフセーバーの人数が少なかったりする海水浴場も多い。『自分の命は自分で守る』という意識が例年にも増して重要なのかも知れません。
― 川で遊ぶ人はまだ多いのではないでしょうか。広島市消防局に、川遊びの注意点を聞きました。
(1)可能な限りライフジャケットは着用して、万が一のため、救助に使える道具、ロープや浮き輪などをあらかじめ準備しておくこと。
(2)岩の近く、構造物などは流れが速くなったり、急に深くなっていたりするので近づかないようにしてほしい。
(3)特に大人の方、バーベキューなどでお酒を飲まれた場合、飲酒をした後の水遊びは絶対にやめてください。
ということです。
2020.8.19 11:54
18日、広島県大竹市にあるキャンプ場近くの川で50代の男性が溺れ、引き上げられたあと病院に運ばれましたが死亡が確認されました。
警察や消防によりますと18日午後4時20分ごろ、大竹市栗谷町の川真珠貝広場キャンプ場のそばを流れる小瀬川で「外国人の男性が溺れている」と消防に通報がありました。
溺れたのは50代の外国籍の男性で、一緒にいた友人に川の中洲に引き上げられたあと、意識不明の状態で大竹市内の病院に搬送されましたが、その後死亡が確認されたということです。
警察によりますと、男性はきのう昼から友人2人とキャンプ場を訪れ、バーベキューや川遊びをしていたということです。
男性らが川遊びをしていた周辺は深いところでおよそ2mほどの深さがあったということで、警察は男性が深みにはまって溺れたとみて調べています。
2020.8.19 11:54
広島県内の7月の倒産件数は21件で、今年4月と並び最も多く、負債総額は4カ月ぶりに前年同月を上回りました。
民間の調査会社、帝国データバンクによりますと、県内の7月倒産件数は21件で、2カ月連続で前年同月を上回り、今年4月と並んで最も多い件数となりました。このうち、新型コロナウイルス関連の倒産は3件でした。負債総額は26億6500万円で、4カ月ぶりに前年同月を上回っています。
倒産を業種別にみると、「小売り」が10件と最も多く、次いで「サービス」が4件、「卸売」が3件となっています。倒産要因については、9割以上が「販売不振」を上げています。
帝国データバンクは、「消費者に近い業界では厳しい経営を強いられ、経営破綻に至るケースが確実に増える。企業には、思い切った経営の方向転換を図ることが求められる」という見方を示してます。
2020.8.19 11:54
19日も広島県内は厳しい残暑となり、すでに35℃以上の猛暑日となっている所があります。
熱中症には十分に警戒してください。
19日、午前11時半までの最高気温は、安芸太田町加計で35・2℃とすでに猛暑日となっているほか、三次市34・6℃広島市中区34・5℃、など、午前中から厳しい暑さとなっています。
このあとも気温は大きく上がり各地で35℃以上の猛暑日となり内陸の一部では37℃前後と猛烈な暑さとなる見込みです。昼間は屋外での無理な活動は控え、屋内でも冷房を使うなど熱中症には十分に警戒してください。こまめな水分補給もお願いします。
この厳しい残暑は金曜日ごろまで続く見込みです。
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