雇用契約で時期が定められていなければ正規雇用となるが、このような状況を「正社員」と呼んでいいのか。労働実態が隠された状態で、正社員数が統計的にカウントされることを、スレ主は「怖い」と表現している。
確かに「無期雇用」と引き換えに、過酷な労働環境に追い込まれている正社員は少なくないようだ。厚労省「2014年度『過労死等の労災補償状況』」によると、過労自殺と認められた件数は210件と過去最高。精神障害発症も含めると、労災と認められたうち84.0%が正社員によるものだった。また、脳・心臓疾患による過労死や病気を含めた請求決定件数637件においても、86.1%が正社員によるものだった。
■大手企業勤務の派遣社員とは「逆転現象」が起きている?
他のユーザーからは、スレ主の意見に賛同する声もあった。
「名ばかり管理職なら分かるが正社員=高待遇だと思ってるとしたらそれは勘違い」
もしも「手取り12万、年休80日の正社員求人」を、政府が「正規雇用だから何の問題も無いな!!」と捉えているとしたらコントだとして、正規・非正規の区分けではない待遇改善が必要とスレ主は訴えていた。
割りの悪い正社員のポジションを嫌って、あえて非正規を選ぶ人もいる。2015年に日本人材派遣協会[pdf]が4593人の派遣社員にアンケートを取ったところ、派遣先から直接雇用の打診があった際に「断る」と回答した人が20.8%を占めた。
理由のトップは「体力的・精神的な負担が多くなるから」で34.2%。調査対象の派遣社員のうち、派遣先の4割以上が大規模企業で、当面は派遣社員を希望する人は約7割にのぼる。中小ブラック企業の正社員との間では「逆転現象」が起きているのかもしれない。
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