モーリシャス座礁「わかしお」 人工衛星写真で撤去作業の様子明らかに
インド洋の島国モーリシャスの沖合で座礁し、重油の流出を起こしている日本の貨物船「わかしお」をとらえた人工衛星写真から、船体の撤去作業の様子が明らかになった。
「わかしお」は日本の海運会社、長鋪汽船の関連会社OKIYO MARITIME社が所有。商船三井がチャーターし、4000トンの重油を載せて運航していた。先月25日、モーリシャス沖のサンゴ礁周辺で座礁した。
現在は船体の一部が曳航され、サンゴ礁から遠ざけられている。
また重油の除去のため、日本の専門家がモーリシャスに向かっている。
船内に残っていた重油のほとんどは、船体が2つに割れる前に回収された。しかし、それ以前にすでに重油約1000トンが流出し、豊かな海洋生態系に被害をもたらしている。
日本の環境省関係者は、サンゴ礁への被害について検証チームを派遣するとしている。併せて、重油を吸収する特殊な素材をモーリシャスへ運ぶという。
国際協力機構(JICA)の阪口法明氏は、「座礁した船体から流出した重油は、美しい海や観光業に経済の大半を依存しているモーリシャスの人々に甚大な損害を与えている」と話した。
「非常に心配している。専門家チームは事態を検証し、専門家としての助言を提供することで、現地の人やモーリシャス政府の要望に応えたい」
首都ポートルイスで取材するBBCのヤシン・モハブス記者によると、船首部分の撤去作業は現在、干潮のために滞っているものの、潮が満ち次第再開される見通し。
一方で、サンゴ礁の上に乗ってしまっている船体の後側部分については、専門家たちが撤去方法を検討している。
座礁をめぐっては、わかしおのスニル・クマル・ナンデシュワル船長(58)が、安全な航行を怠ったとして逮捕・起訴されている。
モーリシャスの警察によると、座礁当日には誕生日パーティーが開かれていたと船員たちが証言している。
また、WiFiを受信するために海岸近くを航行しようとしたという説も浮上している。
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