麻雀系VTuberとして有名な楠栞桜さんが5chのYoutube板にてコラボ相手に対する誹謗中傷を行っていたのではないかという疑惑が界隈を騒がせています。
今年に入ってから激増したVtuberリスナーの方の中には、なぜここまで大騒動になっているのは分からない方もいるかもしれませんので、その流れについて概説していこうと思います。
細かい自演疑惑内容などについては触れず、概略を理解してもらおうという記事です。
1.アイドル部とは何か
今年になってからVTuberを見始めた人にとっては、にじさんじとホロライブが2大事務所だという認識なのではないか思います。
しかし、去年はアイドル部というグループも強い人気を誇っていました。
にじホロドルで3大事務所と呼ばれていたと思います。ゲーム部が人気をなくしてからはこの3つがVTuber界で覇権だったと思います。
アイドル部は電脳少女シロで知られるアップランド社の.LIVE(ドットライブ)というブランドが運営しており、シロちゃんの後輩格に当たるグループです。私立ばあちゃる学園のアイドル部に所属する生徒という設定で活動していました。ばあちゃるとは世界初男性バーチャルYoutuberの馬のばあちゃるです。彼はドットライブのプロデューサーという役割ですが、鳴神裁によるとアップランド社の社長だそうです。
さて、アイドル部の特徴は「箱推し」が強いことでした。メンバー数は12人と少なく、配信はリレー式で時間をかぶせないように配慮されており、全メンバーの配信を追っていたファンもいたと思います。
色々と適当なにじさんじやホロライブと比べると、アイドル部という世界観を共有している仲間だという意識が強い構成になっていました。
こんなラノベまで発売されていたくらいです。
電脳少女シロとアイドル部の清楚な日常 目指せ学園祭大成功! (MF文庫J)
ファンはアイドル部のメンバーに強い仲間意識を見ていたと思います。
そのためか、外部コラボにも余り積極的ではなく、一部のイベントや案件を除けばほとんど外部コラボはしていませんでした。
その風潮を受けてか、関わりの薄い外部VTuberとコラボするとファン怒るという状態にあり、とある事件を引き起こします。
2019年の8月末、アイドル部が10月のイベントに
その件に関して、プロデューサーのばあちゃる(馬)があまりに攻撃的なファンを「モンスターペアレントなのかな、と思ってしまう」と発言。火に油を注ぐ結果となり、ばあちゃるは活動を自粛して現在に至るまで表舞台にはほとんど出てこなくなりました。
その時に運営が信用を無くしていたのが後述の騒動につながったともいえるかもしれません。
ともあれ、アイドル部はテレビ番組のガリベンガーVにもレギュラーとして出演したり、リアルライブも成功させており、メンバーが本を出版するような異色な活動も行っていて、前途は明るいようでした。
それがある事件で一変します。
2. 夜桜たまによる告発
2019年10月、翌日にアイドル部メンバーのもこ田めめめ初のソロライブを控えた日、同じくメンバーの夜桜たま(現楠栞桜)が突然、以下のようなツイートを行いました。
この配信のアーカイブは消えていますが、内容を軽くまとめると
「自分のソロライブの告知予定日が来ているのに運営から何の音沙汰もないので確認すると、忙しいから後回しにしていたという回答がきた。とても大切に考えていた自分のソロライブが後回しにされるのは許せない」というものでした。
(全文 【文字起こし】夜桜たま「おはなし」2019年10月07日)
そして、その配信に対してアイドル部のメンバーで翌週に自身のイベントを控えていた花京院ちえりがこのようなツイートを行います
そして配信を開始し、慎重に言葉を選びながらも「夜桜たまちゃんの発言はアイドル部の総意ではない」という趣旨のことを告げました。
(全文【文字起こし】花京院ちえり「少しだけお話します」2019年10月07日)
つまり、夜桜たまは運営を猛批判し、花京院ちえりがそれを批判するという形で衝突してしまったわけです。
当然、ファン達はてんやわんやの大騒ぎになりました。
反応は様々でした。
とりあえず運営のアップランドに不手際があったのは当然の前提とされましたが、夜桜たまに同情的な声もあれば、同僚のもこ田めめめのソロライブの前日に突然このようなことをすることに批判的な声もあったように思います。
翌週の花京院ちえりのイベントが台風で中止になったのも気まずいタイミングでした。
そして、夜桜たまはそれから2か月にわたり活動を休止します。もちろんその間はツイートを含む一切の活動はありませんでした。.LIVEの運営からは話し合いが行われているという告知がたまにあるだけで進捗等も明らかではなく、ファンはやきもきした思いで2か月を過ごしていました。
ですが、その間に大事件が起こります。
5chのYoutube板のアイドル部アンチスレにて、メンバー間の連絡に使われていたDiscordの投稿のスクショがリークされたのです。
詳しくは鳴神裁の動画を見てください。当時は偽者だとも言われましたが、のちに本物だと判明しました。
つまりアイドル部のメンバーかアップランド社の社員の誰かが5chに内部の情報を意図的に漏らしたわけです。
その他にもファンによって一部メンバーの個人情報が掘られ、前世で淫夢MADを投稿していたことが暴かれたり、Twitterの裏垢が特定されたりといった騒動もあり、ファンにとってもメンバーにとっても散々だったと思います。
とはいってもそれは5chや鳴神といった裏で起こったことであり、表では2カ月間、時たま運営からの「話し合いは続いている」というツイートを除けば動きがありませんでした。
不信感は頂点に達します。
3.アイドル部、崩壊(?)へ
12月2日、アイドル部メンバーのカルロ・ピノが生配信を行います。
その内容は、大雑把にいうと「私たちは運営のことは信頼しているので心配しないで欲しい」というものでした。
【文字起こし】カルロ・ピノ「ご心配をおかけしているみなさまへ」2019年12月02日
そして2日後の12月4日、夜桜たまと猫乃木もちの契約解除が発表されました
12月5日、阿鼻叫喚の中、アイドル部のメンバー達が突然noteやevernoteで順番でこの件に関する気持ちを表明するという事件が起こります。(通称お気持ちリレー。)
[VTuber]アイドル部メンバーのお気持ち表明ラッシュ
それに対し、夜桜たまはTwitterの個人アカウントで反応、後の方では一人一人に対してなぜかツイートではなくプロフィール欄の方で反応していました。(私はリアルタイムで見ていましたが、画像ソース等は消えたので見当たりません。探せばあるかもしれません)
お気持ちリレーは、おそらくアイドル部メンバーはファンを安心させるためにやったのだと思われますが、完全に逆効果だったと思います。お気持ちリレーはまるで契約解除した2名(特に夜桜たま)を集団でバッシングしているかのように受け取られ、「死体蹴り」などと揶揄されました。「アイドル部 死体蹴り」で検索すれば当時の反応は伺えると思います。
そこにはかつての強い絆で結ばれたアイドル部という幻想は木端微塵に砕け散り、無残な残骸だけが残りました。
この事件を機にアイドル部の人気は完全失墜。チャンネル登録者数は数か月かけて減少していきます。
ファンが次々とアンチになり、ニコニコ動画などではカルロス・ピノ氏等を中心とした元ファンからアンチ動画を量産されるなどの侮辱を受けることになります。
これを機にアイドル部は「崩壊した」と私は認識していました。
ただしその後もアンチの猛批判を受けながらもコツコツと活動を続け、最近では外部コラボも積極的に行う等しているようで、少し復調しつつあるのかなと思います。
4.楠栞桜誕生
一方で、ファンからの同情を買った夜桜たまと猫乃木もちはそれぞれ楠栞桜と柾花音というVTuberとして2週間もたたないうちに転生しました。
その後は楠栞桜はアイドル部時代のファンを引き連れて天鳳や雀魂の案件を獲得し、多くの外部VTuberとのコラボを行い人気を博していきます。
低迷するアイドル部の人気を尻目に、転生した楠栞桜はあっという間に夜桜たま時代の登録者数を越えてしまいました。
それはまるで外部とのコラボを控えていたアイドル部のやり方が間違いであったと証明しているようである種の小気味よさを感じさせました。実際、アップランドの傘下に収まって活動するには惜しい有能な人物だったのは確かだと、黒い部分が明らかになった今でも私は思います
個人としては最も人気のあるVtuberの一人にまで登りつめた後のことは皆さんもよくご存じだと思うので説明は省きます。
ここまでの流れを総評すると楠栞桜(夜桜たま)はお気持ち表明によってアイドル部を失墜させ、自身は同情を買って個人Vtuberに転生して人気を得たことになります。
世論は圧倒的に楠栞桜よりでしたが、それでも疑問を持つ人が出てくるのはやむを得ません。
それがec騒動へと繋がります
5.ec騒動とは?
ざっくばらんに書くと、楠栞桜=夜桜たまは5chのアイドル部アンチスレにてずっと自分ageの自演レスや同業者の悪口を書き続けていたのではないかという疑惑が湧いたのです。
当初は私も粘着アンチの妄想じみた話のように思っていましたが、先日、noteにて執筆者のIPアドレスが表示されるバグが起こり、その際に表示された楠栞桜のIPアドレスが5chに表示されるIPアドレスと一致。疑惑がほぼ確信に変わったというものです。
そしてアイドル部に批判的で夜桜たまに同情的な世論もそもそも彼女の自作自演に煽動された結果なのではないか、という疑いまで巻き起こり、とっくに終わったものと思われていたアイドル部騒動が再考される事態になっているわけです。
ようするに楠栞桜騒動(ec騒動)とは、単なる個人VTuberの自演騒動ではなく、(いやそれだけも問題ではありますが)アイドル部というVTuber界の一角を占めた箱の顛末をめぐる事件の総決算でもあるわけです。
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訴えられてまで記事を残すつもりはないので関係各所からクレーム等あれば削除するかもしれません
ただし騒動のもっとどす黒い部分を理解しようと思うとアイドル部アンチスレという魔窟で何が行われていたのかを把握しておかないといけない