関西学院大学の陸上競技部は、2015年の関西インカレ(関西学生陸上競技対校選手権大会)で総合5連覇を達成した強豪チーム。「陸上は自分の限界を超えてからが勝負」というだけあって、日々、グラウンドでは試合に向けたハードな練習が行われています。主将の水間洋太さんと主務の甲元宏樹さんに関西学院陸上競技部について聞きました。
関西学院陸上競技部は「強豪」と呼ばれていますが、その強さの秘密はどこにあるのでしょうか。
水間さんインカレでは「走」「跳」「投」「混成」の各競技の総合点で勝敗が決まるのですが、関西学院の陸上競技部はひとつの競技成績が突出しているのではなく「全ての競技種目のレベルが高い」ことが特徴です。各競技がそれぞれ勝利に貢献し、ピンチの際にも互いに補いあえる「チーム力」が強みです。
甲元さんそうですね。中でも「跳」は伝統的に強く、安定して高い得点を取る競技です。他競技の選手は、跳躍種目の高得点をベースに精神的に余裕をもって力を出し切ることができるのも、関西学院の強さの秘密かもしれません。
陸上競技部は165人もの大所帯ですが、部の雰囲気はどんな感じですか。
水間さんひと言でいうと、「負けず嫌いの集まり」です。部員165人中試合に出られるのは70人程度で、しかもそれぞれの選手のレベルが高いので、インカレへの出場権をめぐっては常に部内で激しい競争が繰り広げられています。普段は和気あいあいと仲のよいチームメイトですが、ライバルでもあるんです。
甲元さん互いにライバルとして切磋琢磨することが、さらにチーム全体のレベルを引き上げていると思います。同時に、インカレでは総合得点を競うので「チームの結束」もとても大切です。関西学院の陸上競技部は、普段からミーティングの機会を多くもつことで競技を超えた関係性を密に保っています。165人と大所帯ですが意志の統一はできていて、部員たちは試合に出る人も出ない人も、常に「自分がどれだけチームに貢献できているか」を考えています。
陸上競技部は「試合より練習の方が過酷」というほど、練習がハードだと聞きました。
水間さんそうですね。陸上は肉体ひとつで競う競技なので、自分の限界を超えるのは当たり前。むしろ限界を超えてからが勝負です。試合だけでなく、普段の練習でも日常的に過酷な経験をしています。精神的な強さが勝敗を左右するスポーツでもあるので、勝つためには日頃の鍛錬が大切なんです。
甲元さん私たちは年間30ほどの試合や記録会に出場しています。常に次の戦いを意識して練習に励んでいるので、毎日が真剣そのものです。特に水曜、土曜、日曜に行われる試合を想定した「ポイント練習」は、試合以上の緊張感。コーチも選手もピリピリしています。
試合や記録会は、誰でも観戦できますか。
水間さんもちろんです。日頃の練習の成果をぜひ観に来てください。最近は選手の家族や友人だけでなく、陸上競技観戦を趣味にしているファンも増えているようです。陸上競技は難しいルールがなく、「速い人が勝ち」「高く跳べた人が勝ち」など、見てわかりやすく応援しやすいスポーツだと思います。陸上競技をあまり知らない人でも楽しめると思うので、会場に足を運んで応援してください!
陸上競技部の練習は週2回のオフをのぞいて毎日3〜4時間行っています。グラウンドを訪れ、練習風景を覗いてみました。
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グラウンドの整備&清掃
まずは練習前のグラウンド整備から。下級生は練習開始の30分前に集合!
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全体ミーティング
練習前に全員集合。種目を超えて情報を共有します。
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サブ練習
各パートの本練習の前に体の動きなどを確認します。
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本練習
実際の競技の練習です。コーチ指導のもと厳しいメニューをこなします。
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補強
筋トレや体幹補強などで、体を鍛えます。
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アイシング
練習後の疲れた筋肉をクールダウン。明日に備えます!