山下智久の処分で「論点のすり替え」…ジャニーズに忖度するテレビ局の闇

なぜ「淫行疑惑」は報じないのか?
木村 隆志 プロフィール

タレントMCやコメンテーターも忖度

『スッキリ』(日本テレビ系)では、近藤春菜が「(ウソをつかれたら)『どうしようもないな』って思う」「店が身分証明書を徹底するしかない」、高橋真麻も「宴席で『身分証明書見せて』とはなかなか言えない」「事務所は厳しい判断をした」、加藤浩次も「気づけなかった責任はある」と多少の厳しさこそ交えたものの、ホテルの件にはふれなかった。

『グッディ』(フジテレビ系)の安藤優子も、「一番のポイントは未成年かどうかを知らなかったのか、確認したかどうか」と論点をすり替え、さらに「今の子はメイクしたらわからない」「山下さんは清廉というか、神々しいまでに清々しいイメージだからギャップがある」などとフォローをはじめる始末。

同番組はそれ以前に、「日刊スポーツのジャニーズ担当記者を呼んで話を聞いている」という時点で疑問が残る。担当記者がジャニーズに不利なことを言えるはずがなく、人選から間違っているところが根深い。

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その他でも、『ミヤネ屋』(日本テレビ系)の宮根誠司が「年齢を確認させてくださいというのは難しい」とコメントしたほか、『とくダネ!』(フジテレビ系)の小倉智昭らも「処分は厳しい」という論調だった。「ジャニーズとの共演もあるタレントをMCやコメンテーターに起用するから、このような忖度だらけの番組になってしまう」ことが理解できるのではないか。

唯一、人々の気持ちを代弁するようなコメントをしていたのは、『グッとラック!』(TBS系)の西村博之。他の出演者が言及を避ける中、西村は「飲み会が問題じゃなくて、問題はホテルだと思う。飲み会に若い人がいるのはしょうがないじゃないですか」と語っていたが、芸能界にしがらみのないから本音で話せるのだろう。

話を「スッキリ」(日本テレビ系)に戻すと、このニュースの冒頭、水卜麻美アナが「一部報道で未成年との飲酒が報じられた山下智久さんと亀梨和也さんにジャニーズ事務所が処分を発表しました」と切り出していた。この点だけを取っても、「論点は未成年飲酒のみで、ホテルはスルー」という方針であることがわかるはずだ。