豊田合成は22日、水や空気の殺菌に使える深紫外線発光ダイオード(LED)機器を開発したと発表した。新型コロナウイルスにも効果があるとみられ、消毒のニーズを取り込む。同社は今年度中にも量産体制を整えて販売し、空気清浄機や自動車の内装などへの幅広い活用を探る。
開発した機器は深紫外線LEDの光源に防水や放熱用の部品を加えたもの。豊田合成が非営利団体(NPO)「バイオメディカルサイエンス研究会」と共同で実験したところ、新型コロナに極めて近い遺伝子を持つウイルスへの殺菌効果も確認された。現在は水銀ランプが発光用光源の主流だが、環境への影響が懸念されている。
新型コロナの感染拡大で殺菌や消毒のニーズが増す中、豊田合成は機器を空気清浄機のメーカーや食品加工工場など、幅広い企業への販売を狙う。自動車の内装部品の製造技術を生かし、不特定多数の人が乗るシェアカーへの利用も想定している。
豊田合成は1980年代から青色LEDの開発に着手。ノーベル賞を受賞した赤崎勇氏や天野浩氏と共同研究を進めていたことでも知られる。