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2020年4月25日、港区にある東京入管の収容施設内で、アフリカ出身の被収容者の女性が下着姿で懲罰房まで連行されるという非常に衝撃的な事件が起こった。
事の発端は、長期収容に憤りを感じた被収容者の女性たちがフリータイム後も部屋に戻らず、職員との話し合いを求めたことだった。
その結果、女性たちは盾を持った多くの男性職員たちに暴力的に制圧される。怪我をした人や、前述したアフリカ人女性のように辱めを受ける者も出た。
この件は大きな問題となり、野党議員の呼びかけで「難民問題に関する議員懇談会」が発足。5月27日には、出入国在留管理庁ヒアリングが国会内で開かれた。しかし、法務省の役人たちは真摯な対応をせず、事件に関する説明責任も果たそうとしない。
被収容者の女性を全裸のまま男性ブロックに連行
5月、同じ東京入管でこんな非人道的な事件も起きていた。今度は全裸の女性に後ろ手錠をして複数の女性職員が懲罰房まで連行するという、かなりえげつないものだ。偶然ではあるが今回被害を受けたのもまた、アフリカ出身の女性である。
アフリカ出身女性のAさんは都内にある外部の病院で糖尿病と診断されている。病院からはインシュリン注射が渡され、自らそれを打たなければならない。事件があった日、Aさんは自分で注射を打つと、急に体が熱くなり、我慢ができなくなって服を脱ぎ棄て全裸になった。そして、自分自身のコントロールが効かなくなり、壁に頭を打ちつけたという。
すると10名ほどの女性職員たちに抑え込まれ、後ろ手錠をされた。そして全裸の状態のまま、上半身と足を持ちあげられGブロックへと連れて行かれたのだ。
Gブロックとは、いわゆる懲罰房と呼ばれる部屋で男性ブロックの中にある。当然、男性職員や男性被収容者に、運ばれている姿を見られてしまうことになる。ある男性被収容者は、Aさんが全裸の状態で運ばれている姿を目撃している。その証言によれば、女性職員たちは全裸で運ばれる様子を笑って見ていたそうだ。
Gブロックは3畳ぐらいの窓のない部屋で、天井からは監視カメラがぶら下がっている。トイレはただ単に床に穴が開いている状態で、自分で流すレバーなどはない。ここに入れられた人はトイレを流したい時、職員にお願いしなければならない仕組みになっている。
しかしAさんが入れられた時は、糞尿がそのまま残っていた。悪臭が漂っていて、とても人間がいられる場所ではなかった。Aさんはそんな場所に4時間もの間、後ろ手錠をされ全裸のまま閉じ込められ続けたのだ。そしてその後、約5日ほど別の隔離室に移されている。
後日、自分の部屋に戻る時には、男性職員がAさんをからかうようにニヤニヤと笑いながら手を振ってきたという。
徹底的に尊厳を踏みにじられたAさんには心の傷が深く残り、男性職員たちの顔は一切見たくないと語っていた。
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