distinctionの使い方【私の英語学習法】

Distinction 2000を使った英語の学習方法について、紹介したいと思います。

私は日常的な英会話であれば、ある程度ネイティブと話すことができます。

しかし、難しい内容について話すと、単語が出てこないことがあります。

私は、語彙力を増やし、連語や新しい英語表現を身につけることを目的として、Distinction 2000を使い始めました。

Distinction 2000に収録されている英語には、私が既に知っている単語も散見されたため、以下のような方法で学習をしてみました。

Distinction2000の私の使い方


①音声データを使ってリスニングする。時間がある場合は、ディクテーション(聞いた内容を文字に書き起こすこと)を行う。

②Distinction 2000の文を参照し、聞き取れなかった箇所を確認する。

③聞き取れていても、意味がわからなかったところを確認する。

④Distinction 2000に載っている表現を確認する。(自分が知らない表現方法がないか確認する。)

⑤音声データを利用して、シャドーイング(音声に続いて一緒に発音すること)を行う。

以上を1つの基本的なサイクルとして勉強してみました。

この本は学術的な内容と、日常会話的な内容がバランスよく組み込まれているため、どちらの場面でも使えそうな英語表現をたくさん学ぶことができました。

さらに、ある単語の意外な意味や使用法も記載されており、目から鱗な情報もありました。

結果、アカデミックな内容、日常会話に則した内容をバランスよく吸収することができました。

ですが、この単語帳は使い方次第で、日常会話に使える表現に特化して学ぶこともできます。

反対に、学術的な少し硬い表現を多く学ぼうと思えば、不足しています。

Distinction 2000は、ある意味において学習の自由度が高く、その効果は学習者の勉強方法に依るともいえます。

ここまで読んで、「この単語帳を使えるか不安」と思った人も大丈夫です。

本の冒頭に、基本的な勉強方法が記載されているので、まずはそれ通りに勉強を進めてみるのも1つだと思います。

教材通りの使い方


40個のチャプターで構成されており、復習も含めて60日で終わるように作られています。

ですので、指示通りに進めていけば60日間で学習ができます。

学力によっても違いますが、1つのチャプターは30分~60分程度で終わります。

復習については、20分程度でできるものとなっています。

チャプターもわかりやすく書かれているので、60日間問題なく進められるのが良いところです。

Distinctionの音声やアプリってどう?


まず、音声アプリの評価の前に、音声アプリをどのように手に入れるかで四苦八苦される方がいるかもしれません。

この単語帳の音声アプリのダウンロード方法は、巻末の「Acknowledgements」横のページに記載されています。

個人的にこのダウンロード方法を見つけるまでに意外に時間がかかってしまったので、今後この単語帳を購入し、音声データをDLされる方は参考にしてほしいと思います。

次に音声データそのものについて説明します。

音声については、英検の3級、準2級程度の英語が聞き取れる人や、一般的な教科書、参考書に付属している音声データでは物足りない人にとっては最適な音声です。

私はパソコンではなく、スマートフォンに対応した音声を使用しています。

スマートフォン用アプリでは、「natural」と「slow」の2種類が選べます。

「slow」は一般的な参考書に付属の音声データのナチュラルスピードくらいの速さで、決して「slow」とは言い難い速さに思える人もいると思います。

しかし、音が明瞭に発音されているため、聞き取りやすくなっています。

一方「Natural」はより生に近い形で単語や文が読まれているため、「slow」に比べて音の脱落や連結が多くみられます。

ある程度のリスニングはできるけど、映画やドラマの台詞が聞き取れないという人は、この「natural」を使ってリスニング練習を行うと、リスニング力が向上します。

使うにはどれぐらいのレベルが必要?


結論から言うと、単語を学習するのみであればレベルは問いません。

しかし、この単語帳をフルに活用し、これで学んだ単語を実際に活かそうと思えば、少なくとも中学校の文法知識をマスターし、高校レベルの文法を少なくとも学習中であることが望ましいです。

Distinction 2000は、学術的な英語表現と、日常会話やビジネスで使われる表現を学ぶことができます。

そのため、学校の英語授業に則した一般的な英単語帳や、検定合格を目標とした語彙力を増やすための単語帳よりも、例文などの記載内容が必然的に難しくなっています。

いくら難しい単語を学んでも、それをどのように組み立てるかという知識(つまり文法知識)が無ければ、実際に書いたり話したりなどの、アウトプットができません。

これでは、本当の意味で英語を勉強したということにはなりません。

また、文法知識が乏しいと、記載されている英文の意味を理解することが難しい場合が多々あります。

そうなると、勉強自体が嫌になってしまう可能性もあります。

よって、このDistinction2000を使うために必要な学習者のレベルとしては「最低限中学レベルの文法内容を覚えていること」、好ましいのは「高校英語の文法知識がある程度はあること」と言えます。

Distinction 2000のメリットとデメリットについて


Distinction2000を使っての英語学習で得られる、メリットデメリットについて紹介します。

メリットは次の通りです。

①実践的なリスニング力を養うことができる。

②学術的な内容の文面に気軽に触れることができる。

上記2つが私が最も大きいメリットだと感じたものです。

Distinction2000の音声データには、ネイティブが普段の会話と同じように発音している「natural」と、教材用に綺麗に発音している「slow」があります。

naturalの音声データは、実際にアメリカ人が話しているようなスピードと発音で収録されています。

実生活で英語を聞き取る場面では、このnatural音声のような英語を聞き取る必要があります。

Distinctionの音声データを使えば、実践に向けたリスニング力を鍛えるための練習ができます。

教材用の発音を中心で学習されてきた場合、違いにビックリすることでしょう。

②について、Distinctionは40章で構成されており、それぞれの冒頭に移民、人工知能などのトピックが設定されています。

普段の生活では能動的に触れようとしないような話題に関する英語にも、手軽に触れることができます。

デメリットをあえて挙げるとすれば、音声データの目次が見にくいことです。

私はスマホ用の音声をダウンロードして使用していますが、各見出しが「0008.0 financially #wrd」という具合に表示されています。

音声データを使い始めた当初は、この表記の仕方が少しわかりにくいと感じました。

しかし、最初の「0008」が、distinctionに掲載されている単語に割り振られていること、#wrdが#word(単語)であることがわかれば問題なく使うことができました。

つまり、distinctionを見て、音声データを参照したい場合、まず単語の左に割り振られている小さな数字を確認します。

次に、音声データの見出しで、先ほど確認した番号と同じ数字を探せば、音声にたどり着けます。

また、単語の音を確認したい場合は#wrdと書いてあるものを、例文の音声を聞きたい場合は、#sntをタップすれば大丈夫です。

Distinctionやatsuの特徴・評判


Distinction 2000が他の単語帳と一線を画するのは以下の点においてです。

①学術的な例文、日常会話やビジネス会話に則した例文の2つが記載されている。

②英語ネイティブ話者が、よりリアルな会話に近い形の単語音声や例文音声が収録されている。

③Reduction(音の脱落)やFlapping(語中のt音がd音のように発音される現象)など、生の英語を解するために必要な知識について言及してある。

以上のことから、Distinction2000は、教科としての英語を解するためではなく、会話で使われる生の英語を解することを目的とした製作された単語帳だと言えます。

中には、2600円という値段設定に対して、「もう少し安くならないか」という声もあります。

しかし、同時に「この内容で2600円は安い。」という声もあります。

気になる方は、実際に書店で手に取ってみたり、動画投稿サイトに挙げられている単語帳のレビュー動画を確認してみてください。

なお、Distinction 2000の作者Atsu(敬称略)は純日本人で、大学卒業までを日本で過ごし、大学院留学をきっかけに渡濠されます。

その後、オーストラリアで会計士として働く傍、自身の英語学習経験を形として集約したものの1つがこのDistinction 2000です。

作者の努力に裏打ちされた単語帳ということもあり、世間や英語学習者からの注目度が高く、過去にAmazonの売れ筋ランキング書籍総合部門で1位に輝きました。

オススメな人・オススメできない人


Distinction 2000をオススメするのは、次のような人です。

①英語中級者で、自学での学習方法に行き詰まりを感じている人

②自立した英語学習ができる人

英語中級者になると、ある程度英語での意思疎通も可能になり、語学学校やオンライン英会話でも少し物足りないと感じ始める人もいます。

特段、資格のための英語学習は必要ないものの、英語は学びたいと思っており、どのようにしたらより高い英語力がつくのかと手探りが始まるのが中級者です。

Distinction2000が取り扱う英語の範疇が広く、中級者でもあまり馴染みのない単語や表現が散見されます。

また、無料で利用できる音声データも自然な速さと発音で収録されているため、洋画や海外ドラマを字幕なしで見たい等、リスニング力の底上げをしたい人オススメできます。

更に、この単語帳は機械的に英単語を覚える以外にも、様々な使い方ができるようデザインされています。

ディクテーションやシャドーイング、単語帳に描かれている絵を使っての英文音読など、学習者によって、その活用法は様々です。

与えられたことを黙々とやるだけではなく、自分で考え、自立した学習ができる人にとっては、この単語帳は使い方次第で多くの可能性を秘めているといっても過言ではありません。

逆にこの単語帳を使っての学習に向いていない人はこのような人です。

①英語初心者(中学校の文法事項が曖昧な人。)

②基本的な学習方法が分からない人

①に関しては、この単語帳の扱う英語が少し難しめであるため、ある程度のレベルが必要とされているからです。

②に関して、実は、この単語帳を使っての学習方法はは単語帳内に記載されています。

しかし、創意工夫次第で、その効果が何倍にも高まる可能性があるため、「自分で考えて勉強する」ことができれば、より勉強自体が有意義になります。

逆を言えば、勉強の仕方が分からず、ただ、闇雲に単語を覚えるのみであれば、この単語帳を持て余してしまうこともあるかもしれません。