地雷ウイスキーの第二弾として、今回はネットでもかなり有名な、イオン トップバリュのウイスキー2種類を飲み比べようと思います。

初代は真の「地雷」

トップバリュブランドのウイスキーにおいて、現行のベストプライスウイスキーは2代目に当たります。
初代は、合同酒精のからのOEMで販売されたものでした。

720mL、アルコール度数37度で、モルト、グレーンのほかにスピリッツも含まれていました。

当時のレビューでも、ウイスキーとしての香りや味わいがほとんどなく、かろうじて樽の香りがする以外はアルコール臭く、甲類焼酎と大差ないレベルでした。
もし怖いもの見たさで体験したければ、合同酒精が販売している「香薫」を飲んでみてください(地雷ウイスキーとして取り上げることはないです)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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さて、2代目として登場したのが、ベストプライスという低価格製品ブランドで出た、2種類のウイスキーです。

一つは、初代と同じく720mL、アルコール度数37度、スピリッツも含まれたもの(トップバリュ ベストプライス ウイスキー)。
もう一つが、アルコール度数40度、モルトとグレーンのみで構成されたもの(~3年熟成 樽仕込み)です。

どちらも南アルプスワインアンドビバレッジがOEMで製造したものになります。同社はセブンイレブン、ローソンにもOEM供給をしており、自社でも角鷹(くまたか)は比較的評価できるウイスキーです。

アルコール度数37度のベストプライスウイスキーは、スピリッツを90%近く使っていると正直に明記していて、かつての2級ウイスキー感満載な比率になっています。

一方で3年熟成の方は、スコットランド産のシングルグレーンをメインにブレンドしていることを、ラベルに明記しています。
一般的にはモルトの方をメインにすると思うんですが...。それ以前にジャパニーズじゃない。

では、それぞれを飲んでいきます。

ベストプライス ウイスキー

グラスからの香り、液色

グラスからはブドウを思わせる香りがします。液色は少々薄めの琥珀色です。

ストレート

アルコールの刺激は意外に少なく、後からレーズンのような香りが広がります。後々からライム、リンゴも得られます。

味わいは、辛みは控えめで、その後は酸味が広がり、後味に甘さも感じます。
ただし、少々香料のような不自然さは感じられるかも知れません。

ロック

ライムのような爽やかな香りが顔を出すようになり、レーズンがそれに付いてくる印象です。
味わいは、苦みがかなり目立つようになり、酸味はかげに潜んだようになります。

ハイボール

1:3で割ると、ブドウとカラメルの香りがしますが、人工的な香料を使っているような違和感があります。

味わいは、甘みの方が前に出ますが、人工甘味料のえぐさも感じられます。
レモン果汁を加えることで、酸味が違和感を払拭してくれる印象です。
  • メーカー:イオン(製造: 南アルプスワインアンドビバレッジ)
  • 容量:720mL
  • アルコール度数:37度
  • 価格:548円(税別)
  • 香り:レーズン、ライム、リンゴが香るが、どことなく人工的。
  • 味わい:甘さがメインだが、甘味料っぽさが残る。加水で苦みも目立つ。
  • ストレート C:アルコールの刺激、辛みが少なく、意外に飲みやすい。
  • ロック D: 苦みが目立ち、ストレートよりも飲みにくくなる。
  • ハイボール D: 香りや味に不自然さが残る。レモンを加えれば違和感が消える。

3年熟成樽仕込み

グラスからの香り、液色

香りは、白ブドウの爽やかさのある香りが感じられます。
液色は中庸な琥珀色です。

ストレート

アルコールの刺激はそこそこで、その後はラムレーズンのような香りが広がります。しかしその後は人工甘味料のような違和感のある香りがあります。

味わいは、苦みと辛みがそこそこあり、後から酸味が広がります。甘さはかろうじて感じられるほどです。

ロック

ストレートよりもアルコールの刺激が強くなった印象になります。その後は白ブドウの爽やかな香りが主体ですが、それ以上に得られる香りがありません。

味わいは、苦みがメインで酸味が後からついてきます。

ハイボール

1:3で割ると、樽からのウッディな香りはするものの、ストレートで感じられたラムレーズン、白ブドウの香りはほとんどしません。

味わいは、苦みがメインで、甘さ、酸味はさほどに感じられません。
レモン果汁を加えても、苦みがまだ強く、違和感が残ります。
  • メーカー:イオン(製造: 南アルプスワインアンドビバレッジ)
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 価格:998円(税別)
  • 香り:ラムレーズンの香りがするが、香料のような不自然さがあり、それ以上の広がりがない。
  • 味わい:全体的に苦い。酸味もあるが加水で消えていく。
  • ストレート D:アルコールの刺激、辛みが目立ち。苦みが勝る。甘みが何とかあるほど。
  • ロック E: アルコールがさらにきつく苦みがさらに目立つ。
  • ハイボール D: 樽香が現れるが、フルーティさが消える。苦みが強くてレモンでもごまかせない。

まとめ

飲み比べてみると、安くてスピリッツがほとんどの「ベストプライスウイスキー」のほうがうまいという奇妙な結果になりました。

角鷹を飲んでいる人ならいいのですが、3年熟成は、高いくせに、スコッチのグレーン使ってるのにこんなにまずく作れるのか、と、南アルプスワインアンドビバレッジの誠意すら疑問視されるほどの地雷です。

一方でベストプライスウイスキーは、焼酎に毛が生えたものと考えたとしても、香りと味わいはそれなりにあるので、決して悪くはないかな、と思います。先代の地雷感はほとんどないです。

ポッカなどのレモン果汁のボトルと炭酸水を使ってハイボールを作るのであれば、角瓶よりもお得ですっきり飲めるものになります。甲類焼酎を買うよりもお得感はありますね。

それでも、初代トップバリュ ウイスキーに比べれば、どちらもマシです。