自由から逃避した一般の人々の「結集した熱情」がファシズムを形成する。ナチスの第三帝国でドイツ国民の多数は総統(Führer)ヒトラーに熱狂的に従った。人間の存在や思考の複数性(plurality)を否定する全体主義的な集団熱狂の中で独立的な個人が消え、指導者が神聖視された。正義の化身である指導者に逆らう人間はファシストたちにとって国家の敵だ。文在寅支持勢力が「財閥、野党、保守メディア、検察の守旧同名と土着倭寇(親日派)」を憎悪する理由だ。文在寅支持勢力は悪の勢力である既得権集団がチョ・グク元法務部長官をスケープゴートにさせたと怒っている。ファシスト的な善悪二分法と陰謀論にとらわれた「文・チョ支持勢力」が世間を乱している。
災難に発展した不動産高騰が国民にひどい苦痛を与えているが、文在寅政権は現実を否定する。過ちを犯さない指導者に政策の失敗はあり得ないからだ。「青瓦台政府」の全体主義は民主的責任政治を窒息させる。ファシストにとって国粋主義的な民主主義はポピュリズム的な魔法の指輪にほかならない。韓日関係の破綻が国益に致命傷となっても、文在寅政権の権力強化にはむしろ役立った。北朝鮮の核の前に丸裸になった大韓民国の「フィンランド化(Finlandization・民主主義を維持しつつも共産主義の勢力下に置かれること)」が韓国人の自由と豊かさを脅かしても、民族を口実にした対北屈従政策に執着する。感性的民族主義こそ大衆を誘惑するファシズムの麻薬だ。