夫への手紙

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amebaTVで、東野さん原作の「手紙」が公開されていました。

とてもいい映画なので、よかったらご覧くださいね。

 

私も夫に手紙を書きました。接見禁止処分中なので、弁護士さんに送り、代読してもらうのです。

 

よしかずさんへ

あなたが逮捕されたとき、起訴を覚悟の上で

「出てきたら、温かく迎えたい」

と思っていた。だけど現実は予想をはるかに超え、厳しかった。

 

まずマスコミがクリニックにも自宅にも押し寄せるので、子どもとご近所を守るため、会見せざるを得なかった。逮捕された日、翌日それぞれ2時間、マスコミに対応しました。そして私は全国で晒し者になったわけだけど、そんなことはかまっていられなかった。私とあなたの友人知人、仕事関係者にまで取材依頼が殺到したの。そのため、診療所の患者さんを紹介したかったけど、「大久保の紹介を受けると、マスコミがくる」という理由で、一切紹介を受け付けてもらえず、保健所に対応してもらわざるを得なかった。そこで私はブログ上でネタを提供し、撒き餌にして、マスコミの興味が私達の関係者からそれるよう、誘導した。おかげでますますネット上では炎上まつりが展開されたが、地域の皆様にこれ以上ご迷惑をかけると、私たちまで生活していけなくなるので、やむを得なかった。

 

債務返済中のクリニック物件は、「全国ニュースになるようなことをした愉一は、取引対象としてみなせない」ということで本店預かりとなってしまい、私は銀行に日参しながら、弁護士さんと会計士さんを探すことになった。が、やはり「マスコミが」という理由でなかなか引き受けてもらえなかった。(中略)

 

無言電話はまだ続いているし、汚物を投げ込まれもした。「大久保には近づくな」と言われている。わずかな蓄えは、どっと押し寄せる請求書の支払いを済ませたらなくなる。いや足りないかもしれない。子どもは健気に

「パパが帰ってきたとき、お医者さんの学校にいってたら喜ぶかな。名取のおうちで私と次女ちゃんが、病院するよ」

といってくれるが、子どもを大学にやるのは絶望的。明日の暮らしがどうなるかもわからない。

 

あなたの逮捕後1週間、眠れず食べれず、やること満載で、急性ストレス障害で死にそうになった。その時は切り抜けたけど、今後長い時間のかかる生活再建を前に、とてもじゃないが、あなたを引きずっていると、私自身がもたないことが現実になった。私が潰れたら、子どもたちを守れなくなる。だからあなたがまだ少しでも父親としての気持ちが残っているなら、離婚と同時に私の前から消え去り、二度と私の前に現れないでください。あなたの私物も住民票も戸籍も、預かることはできません。過去のことはいってもせんないこと。ただひとつ言えるのは、私も子どもたちも、あなたを愛し、信頼しきっていたということ。だけどあなたはそうではなかったから、逮捕起訴されている。

 

あなたは捨てられるんじゃない。昨年11月30日、あなたが私たち母子を捨てたんだよ。

離婚までは面倒みますので、なにかほしいものがあれば、弁護士さんを通じていってください。 

 

みよ