アスペルガー症候群とうつをもつ夫でも
やっていける職場をつくってあげた。初期費用を出してやり
連帯保証人になってお金を借りてあげた。諸々の手続きも
折衝もすべてやってあげた。だけど夫は私の制止を振り切って
こそこそアルバイトを続けていた。何度もやめるよういったが、聞かなかった。アスペルガーなのだから、バイト先でいつもと違う人間関係のもと、臨機応変に対応できないのだから、やめておけと、何度いったかわからない。しかし夫は耳を貸さなかった。そしてとうとう京都で逮捕された。
私は夫の事件について、安楽死に対する特異な思想があったとは全く思っていない。夫が書いたとされるブログやツイッター、ちょっと言葉遣いは過激でアオリ気味だけど、医療福祉従事者ならば常日頃抱えている葛藤や現実が、綴られているにすぎないからね。しかも今回の報道のように一般の方が読むことを想定したものでもない。同じような考え方の人たちで、裏アカウントで楽しむ内輪の会でのトークだったものが、公になり、眉をひそめられたわけで。医療関係者だって、気のおけない仲間どおしの飲み会だと、一般市民には聞かせられないような話は、よくやりますよ。
よって、夫と山本氏の行動は、安楽死議論に結びつくような崇高なものではない、と思っている。安楽死尊厳死を考えるなら、「なぜ林さんは、死にたい気持ちに陥ったのか」という現在の在宅医療福祉制度の現実と限界に焦点をあてるべきだ。
金に困っていた山本氏に、夫のアスペ特質をうまく利用され
実行犯にされてしまっただけのこと。恐らく、現場にいってみたら、話が違ってたんだろうね。そして引くに引けなかったんでしょう。盲判平気でつくひとでしたからね。逮捕1週間前も、リフォーム費用の承認印押していたのですから。逮捕が近づいていたことに気がついていたようだったのに、ですよ。今振り返るとね。
夫が金の交渉をしていたと京都新聞はさかんに報じるけど、恐らく同じログインパスワードを、夫と山本氏で共有していたと思う。サーバーからたどって、どちらがやったやりとりだったかの解析を、警察はやっているんでしょう。
いろんな人たちが、私も含めて夫に対し、障害受容を勧めてきた。自分でも障害に気がついていたのに、行動を変えなかった結果の逮捕である。いつも焦っていて、「今ここ」を生きることができず、長期展望にたつことができず、全体像を見渡すこともできない人でした。誰のことも信用せず、誰の忠告も受け入れず、自分のやりたいようにやる人でした。もし私が事件前に気がつくことができて止めたとしても、どうせ別の事件で逮捕されてたんじゃないかと思っていて、打つ手はなかったなと思っています。
夫は留置所にいて、実はけっこう幸せなんじゃないかと考えるときがあります。自分で考えなくても、決めなくても、ご飯が食べられる場所ですからね。あらゆる責任から、解き放たれていますしね。
今負債を背負い、シングルマザーになった私は
カサンドラの末路である。夫の面倒をみるのは
私しかいない、と気負った末のね。
夫はきっと、私が負った負債も子育ても
意に介していないのだろうと思います。
私が勝手にやったことなんでしょう。
もう寝ます、おやすみなさい
涙は枯れました