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5万HIT 記念作品

特務 犬隊 後編

作者 DarkStar


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「はっはははは。よくやったよ、木下君。」

スーツ姿の男たち

「いいえ、お褒め頂くことなんてありませんわ。」

そういった、美月の足元にいる
二頭のシェパード。
体を摺り寄せあい、お互いの愛を確かめるかのように顔を舐めあっている。

「これで、特務犬の部隊のエースも我々の雌犬となった。
 ははは、これで我々を阻むものは誰もいない・・・・」

「ええ、そうですね。・・・・・・・・」

そう目を細めていった笑った美月・・・・・・。

ターーーン!!!、ターーーーン!!!、ターーーン!!!。

甲高い破裂音と共に、部屋中蔓延する火薬の匂い。

振向いた幹部達の見開いた目が見たのは、

血を吹き倒れる仲間と

拳銃を備えた美月。

その銃口はまだ熱く、白い煙が立っていた。

「て、てめーやりやがったなぁ・・・・・」

「アオオオオーーーーーーーーーーーン!!!!」

人の姿をしたままの美月が、まるで犬のように
大きく、ひと鳴き遠吠えをあげる。

と懐に拳銃を抜こうと上着の内ポケットに手を突っ込んだ幹部達

しかし彼等の一人も銃を抜くことなく、
横から飛びかかった何物かに、あるものは押し倒され、
あるものは、負傷させられた。

「ガルルルル」

「アオ!!!、アオオ!!!!」

「うぁ、なんだ、こいつら・・・・」

「やめろ、やめんか、こら、言う事を・・・ぎゃああああああ」

それは、彼等が改造し、飼いならしたと思っていた犬たち。

一人に対して、5,6頭の犬が襲い掛り、

銃を握った腕に噛み付くもの。
押し倒された男の喉笛に噛み付き引き裂くもの

誰一人として引き金を引くことなく
見るも無残に全身を噛み千切られてしまった。

獰猛な唸り声をあげ、
部屋に充満する血が犬たちの中に眠る獣としての本能を呼び起こし、

もはや息も止まってしまった彼等に
むさぼるようにその肉に喰らいつく犬たち。

その中には、
口の周りを真っ赤にそめ、
茶色い毛の前脚をどす黒い血に染めた・・・・幸子の姿もあった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「わ、我々を・・・・裏切ったのか・・・・・」

犬たちに押し倒され、
美月にマウントポジションを取られ頭に銃口を突きつけられた

彼は、この組織のボス。

「はあ、裏切る?・・・・・冗談じゃないわよ。
 あたし、いわなかったっけぇ。
 『あたしとシローが幸せになれる世界作ってくれるなら、協力する』って
 別にあんた達人間のことなんてあたしにはどうでもよかったのよ。」

「何・・・・・?」

やれやれと溜息をついて、首を振る美月。

「たく、おつむの悪いオスって嫌いよ。
 でも、・・・・あんた達には、感謝してんだ。
 あんた達の研究のおかげであたしは、シローと結ばれる事が出来た。
 でもね。あたしとシローの世界に・・・・・・あんた達ってジャマなのよね・・・・・。」

彼女は言った、犬にとって幸福な世界を作ると・・・・
その世界には、動物を・・犬を食い物にする人間など存在していいはずがなかった。

「な・・・・・、ぐ・・・・ゴ・・・・」

ボスの額から、口の中に拳銃を押し込み、喋れなくする美月。


「あんたたちに殺された犬達・・・・・・・・。
 その苦しみを少しは味わって死んでよね・・・・・。」

もはや、美月にとって、犬は同胞ともいうべき物たちの
命を奪った彼らは、憎むべき物。

怒りのすべてをぶつけられる対象。

「むぐう、は、は、はめぐおおお(やめろ)」

青ざめた男に向かって悪魔のような微笑を見せた美月は

「ふふ、あんた達の研究データは
 あたしたちがちゃああんと有効に使ってあげる・・・・・
 じゃあ、おやすみ・・・・・」

1発の銃声と共に、途絶える男の意識。

そして、犬となり敏感になった美月の鼻腔をくすぐる
不快な火薬の匂いと、食欲をそそる血の匂いが漂っていた。

無意識に舌舐めずりをしている自分に気がついた
美月は、顔にわずかに笑みを浮かべ、血に染まる部屋をあとにした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こうして、事件は解決した。
特務 犬隊の潜入にシンジケートの幹部達は混乱し、
同士討ちまたは、飼いならしていた
改造犬たちによってかみ殺され、

ボスにいたっては、自殺したのだと・・・・・。

ただ、捜査員の中には、

その場にいた筈のどれとも一致しない犬の歯型
そして、研究データの一切がなくなっている事を
不審に思うものもいたが、それらも時が流れると共に
立ち消えてしまった。

悪事は、白日の物にさらされたが、

彼らの研究内容は、闇の中に埋もれたまま。

誰の目にも触れることなく隠されることとなった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからの特殊 犬隊の活躍はめまぐるしいものがあった。

迷宮入りと言われた何事件を解決し、

功績を上げていった。

彼女達の警察内での地位も向上していき、

逆にそれを妬む者達からは、犬と常に一緒にいる彼女達を

『雌犬』などと揶揄するものもいたかどういうわけか、

彼女達は、そのことを逆に喜んでいるかのごとく、

振舞うのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ったく、美月の奴、いいよなぁ、産休だから
 面倒ごとは全部あたしのところに回ってくるのよね・・・・。
 どうせうちで暇してるんだから、
  ・・・雑務は、片付けてほしいわよね・・・・・。
 まったく、あんなかわいい仔達に囲まれちゃってさ・・・・。」

帰ってそうそう、幸子は休みを取っている
同僚について愚痴ってしまう。

署内注目の的たる彼女の突然の産休。

相手は誰?、シングルマザー?

飛び交う憶測の真意を確かめる問い詰められたのは、

結局幸子だった。

そんな幸子の苦労も知らず。

美月は、先月かわいい4匹の仔犬を産んだ。

とはいえ、産婦人科にも、獣医にも見せられない
『雌犬』の出産には、幸子も借り出され
 一晩中付き合わされる事になった・・・・。

しかし、美月のお腹から
生まれ出てくる小さな命に感動し同時に
母犬となった美月にうらやましさを感じていた。

「いいなぁ。・・・・あたしも早くラッシュの赤ちゃんほしいなぁ」

幸子は、両手を床の上につき
目線の位置をラッシュにあわせたかと思うと

幸子はそのまま、舌を出し、ラッシュの顔をひと舐め。
すると、お返しとばかりにラッシュが幸子の鼻の頭を舐め
お互いの顔をべろべろと舐め始める。

「あん、・・・・・だめよ。ラッシュ・・・・・。」

犬の唾液で顔をべたべたにした幸子が
手で顔の粘液を掬い取りながら、手のひらに付着したそれを
おいしそうに舐め取り、

「んぅ、うふふふふふふ・・・・」

と幸せそうな吐息を吐きながら、微笑みながら幸せそうに虚空を見つめている。

そんな彼女とは対照的に、
興奮した雄犬は、いつの間にか、後ろにまわり
幸子の背中に雄の象徴を押し付けていた。

「ああん、もう・・・・・・ラッシュ・・・・まだ・・・早いよぉ・・・・・
 ねえ、たまには、人間みたいにしようよ・・・・ね?。」
振向いた幸子がそのまま、ラッシュの体に抱きつく。

全裸の女性と雄犬は体を寄せ合い摺り寄せあい。
幸子の体が犬の毛並みが触れ、
やわらかい毛の感触と温もりがその肌に伝わる。

濡れぼそった幸子のソコに
ラッシュが入れようとするまさにその時。

ピン、ポーーーン

「む・・・・・・・・・・」

不意の訪問者に愛の一時をジャマされムスッとする幸子。

インターホンに映っているのは・・・・・。

「あれ、岬ちゃんじゃない・・・・・。」

彼女は、大道寺岬。
今年度配属された、特務 犬部隊のニューフェイス。

育ちのいいお嬢様である

幼少の頃より、忙しい両親にかまってもらえず、

飼っていた犬によって自分の心が救われたこと、

犬を犯罪の道具に使う者たちに対する怒りから、

この部隊への入隊を希望した。


生真面目で、すこし、世間知らずの所もあったが、
犬に対する愛情は、美月にも、幸子にも通づるところがあり、

彼女らにとってかわいい後輩である。

そんな岬がいつになく、真剣なまなざしで、幸子の顔を見据える。

「先輩!!。先輩たちはどうしてそんなにも、
 犬とのチームワークがすばらしいんですか?」

力いっぱい顔を近づける岬。

「え、そんなことないはないわ。
 貴女達よりも長く仕事をしているいわば経験の違いよ。」


「そんなことないことありません。
 先輩たちのは・・・・なんていうか・・・・
 犬と人を超えた・・・・・・そう、まるで姉弟みたいなんです!!!」

言葉を考え考え、絞り出す後輩。

どうも、この娘の表現は、妙に稚拙なところが感じられれる。

いまどき珍しい、どことなく『男』を嫌う生娘のような彼女に幸子は思わず。

「ねえ、岬ちゃん恋人は?」

「ど・・どうして突然犯罪撲滅のために、戦うのがわたくしたちの仕事です。
 男なんて興味ありませんわ。」

突然話題を摩り替えられ、戸惑いながらも、

きっぱりといい放つ所が、
すこし、潔癖症な彼女らしい回答だ。

やはり、予想通りと幸子は言葉を続ける

「でも、愛する『人』がいることは必要なことよ。
 好きな『人』ができるとね、岬ちゃん。
 なんでもできるようになるの、
 そして、いつもその『人』の事考えて・・・・・・。」

「あ、あの!!、それとこれとどういう関係が」

要領を得ず、脱線する幸子にしびれを切らす、岬。

「岬ちゃん・・・・愛し合うって必要なことよ・・・・
  お互いがわかりあうためには・・・・」

そういうと、幸子は、さっきまでと同じように

『愛犬』ラッシュに体をすりよせながら、頬ずりをする。

そればかりか、幸子は、自分の舌をラッシュの体に這わせていく。

人としては異常な行為・・・・・・。

岬のなかで、一つの仮説がフラッと、横切り、

「そ・・・・そんな・・・・い・・・
  いぬと・・・・・・なんて・・・・・・。」

思わず、それが口から出てしまった。

「そうよ。私の彼・・・うううん。旦那さまよ。ねー らっしゅぅ」

かわいらしく、そういう幸子をいとおしむようにラッシュは舌を出し、
それと絡めるように、幸子も口を開きながら、
お互いの舌同士を絡め合わせる。

目を見開き、口元を両手でおおう岬。

「へ・・・変です。おかしいです。!!!
  そ、そんな・・・・。」

しかし、この状態に驚きを覚えているのは、彼女ばかりではない。


ハッハゥ、ハッハッハ・・・・・

「え?」

振り返ると、そこには岬のパートナー
エドワードが、興奮したように舌をだし、頭を上下に揺らしている。

「え・・・・う・・・・嘘・・・・・・
  わたくしのエドワードが発情している・・・・・・」

そうエドワードは、発情したメス・・・・・
幸子によって、発情させられてしまい、その雌にふらふらと近寄っていく。

「え・・・・・・」

目を見開き、言葉を失う岬の前で

まるで、そこのおいしい餌でもあるかのごとく、舌と涎をたらしながら、
幸子に吸い寄せられていく。

「いや、いかないで、いかないでぇ、エドォ!!」

そんなエドワードの首にしがみ付く白い腕・・・・。

仕事の時には呼ばない、プライベートな呼び方。
当然幸子にも、そう呼ぶ姿を見せたなことなどない。

自分でも予想だにしないほど、取り乱している自覚のある岬。

だが、感情を抑える事がどうしてもできない。

まるで引き寄せられる磁石のように
幸子に近づいていくエドワード。

その目は空ろで、まるで岬のことなど見えていないかのように

「だめ、いや・・・・いやっ、いっちゃ・・いやぁ・・・エド・・・・。」

エドワードの姿、自分を見てくれない『彼』に彼女は、
深い絶望感を覚える。

そして、すがるような目を幸子に向けた岬は、

「先輩!!!、お願いです!!!
 わたくしのエドを取っちゃ、取っちゃいやですぅ!!!」
 
少女にも見えるかわいらしい瞳から、大粒の涙が零れ落ちる

「岬ちゃん、心配しないで・・・あたし、ラッシュのものだから
 体も心も・・・・ごめんね。エドワード。」

そういった。幸子のお尻にのしかかってきたのは、ラッシュ。

「あぁあん。」

甘えるようなあえぎ声。

そして、まるで、『このメスは俺のだ』といわんばかりに
ラッシュは、エドワードを睨みつけ、唸ってみせると
そのまま、メスとの交尾に突入していく。

人と犬が・・・・それに衝撃を受ける岬。

また、衝動を抑えきれず、普段は、毛の中に隠れた
エドワードのそれが赤々とそそりたち存在感をアピールしている。

ついに耐え切れなくなったエドワードは、主人たる岬に
自分の衝動をテレパシーに乗せる。

「え・・・・いいの?・・・・・エドワード・・・・・
 だって・・・・エドの大事な・・・・・・初めての相手が
 わたくしみたいな・・・・人間の女で・・・・本当にいいの・・・?。」

主人は驚きながらも、顔を赤く染めながら
あろうことか、自分の事よりも犬の方を心配している。

だが、そんな彼女の心配も・・・・
犬から帰ってくるのは喜びの声・・・・・。

「よかったぁ・・・・・・・
 うれしい・・・・・
 ごめんねエド・・・。わたくし、初めてだから・・・・
  他の牝犬みたいに上手じゃないと思うの・・・・・。」

処女を奪われる屈辱どころか
彼の事ばかり第一に考えている岬の姿に
尻尾を振りたて、そんな事ないよとテレパシーを発するエド。

「うん、ありがとう・・・・・エドだいすき。」

涙を拭きながら、笑顔になる岬。

「あ、あ、あ、あんああん。」

犬の舌が誰も触れた事の無い岬の秘所をなぞる。
あふれ出る粘り気のある液体を救うようにエドワードは舐め取るっていく

(わたくし・・・・興奮してる・・・・・
  おかしいのはわかってる・・・・でもいいですわよね・・・・・
  だって・・・・相手がエドなんですもの・・・・。)

そう幸子に向かってふらふらとエドワードが近寄っていた時、
一番大事な『彼』が奪われてしまう喪失感と悲しみ。

あんな思いはもうしたくない。

そして、この喜びを決して手放したくないという

そんな強い思いが岬の中に芽生える。


『彼』の舌になぞられるたびに、体の奥から熱が湧き出し、
全身がほてってくる。

「いいですよ。エド・・・・・来て・・・わたくしのを・・・・」

いままでお預けをくらっていた
エドワードのモノがよろこび勇んで、
岬の中に入っていく。

獣の勢いは硬く閉ざされた門をあっさりとこじ開け、

開かれた証が、床に滴り落ちる。

「うぅ・・・・・。う・・・・ん。へ・・いきよ。
  エド・・・・・わたくし・・・・しあわせ。」

喪失の痛みに顔をゆがめながら、

美幸は精一杯の笑顔で愛するものに喜びを伝える。

フルフルと振られた尻尾の振動が岬にも伝わる。

「あ、あん、あ、・・・いい、あうん、あんあん。」

痛みがやがて、快感に変わる頃・・・・。

岬の白い柔肌に、金色に近い茶色の毛が
うっすらと生えてくる。

そう彼女が入隊時に投与された薬の中には、
以前、幸子と美月にも投与された『あの薬』も入っていたのだった。

小さな女性の口元は、耳・・・・いや、それまで『耳』と呼ばれる物が
あった位置まで引き裂け、白い歯は鋭い牙に変わっていく。

顔の横についていた『耳』は、形を変えながら、
頭の上に移動し、
読みかけの本のページの端を折るような垂れた耳の形に姿を変えていく。

スッとした足の根元にあるお尻の
付け根の肉と骨が引き伸ばされるように伸びていくと
それはくるっと、丸まった尻尾となり、
彼女の喜びを表すようにブンブンと振られる。

「あうううん、わん、アン、アンン・・・・アウウウン!!!」

声帯が徐々に変化して、少女のような可愛らしさを残した
女性のうれしい悲鳴は、交尾に悶える淫乱な雌犬の鳴き声になっていく。

「素敵よ・・・・とてもかわいいわ。岬ちゃん。
 ・・・・ねえ・・・らっしゅぅ ・・・あ、あん、あんアオオオオン!!!」

エクスタシーと共に、
幸子の全身も、変化していく。

「「アン、アウウウン、アウウウン!!!」」

「「ウオン、オン・・・ウオオオオオオン!!!」」

防音壁に囲まれたマンションの一室で、

2匹の雄犬の野太い事と、
それと交わる雌犬達の淫靡な声が、部屋中に響き渡っていた。


彼女らが望む犬達の世界、

その小さな一歩それがやがて大きな

実を結ぶには、いま少し時間が必要であるだろう。

	
おわり
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