新型コロナ”後遺症”の研究結果を発表

全国で感染が拡大している“新型コロナウイルス”。 7月31日、イギリスのマンチェスター大学が、新型コロナウイルスの“後遺症”について研究結果を発表した。

・新型コロナウイルスに感染し、退院した成人のうち10人に1人以上が聴力の状態に変化があると報告したという

・調査対象は退院から8週間が経過した121人

・121人中8人が聴力の悪化、8人が耳鳴りの症状など、合わせて16人が聴覚の異常を報告

・マンチェスター大学は「はしかやおたふくかぜなどのウイルスが難聴の原因となることはよく知られている。
別の要因の可能性もあるが、新型コロナウイルスが聴覚系の一部に問題を起こすこともあり得 る」と分析した

聴覚異常を起こすメカニズムとは

聴覚異常を引き起こすメカニズムはどのようなものが考えられるのか? 東京歯科大学の寺嶋毅教授に話を聞いた。

・新型コロナウイルスには、血管の細胞を破壊し血栓を引き起こす特徴があると言われている

・寺嶋教授は「脳と聴覚の間の血管に血栓ができてしまい、聴覚に影響が出る可能性がある」と指摘

・さらに「肺などでできた血栓が血流にのって脳機能に影響を与える可能性」もあるという

「得体が知れないからこそ検証を」

スタジオでは、獨協医科大学の増田道明教授に解説してもらった。

安藤優子キャスター:
増田先生、「10 人に1人以上」というのは多いのか少ないのか、評価はどのようになりますか?

獨協医科大学・増田道明教授:
研究なさったマンチェスター大学で、どういう方々を選んだのか把握できていないので、そういう意味ではこの「10人に1人以上」というのが、すべての新型コロナウイルス感染者に当てはまることなのか分からないと思います。
少なくとも私に聞こえてくる範囲では、それほどの頻度で聴力障害が出るという話はまだないような印象です。

それからメカニズムについて、寺嶋先生がおっしゃるように血栓がつまって脳の方に異常が出てしまうことは、当然可能性としてはあります。
耳の聞こえが悪くなる突発性難聴やメニエール病という病気がありますが、これはやはり循環障害が起こって、あるいはウイルスが原因で、内耳や中耳、脳というよりは耳の奥のところに障害が起こります。
そういうことで、難聴や耳鳴りが起こったりする可能性も、もしかしたらあるかなと思います

安藤優子キャスター:
かかっても若い人たちは軽症だと言われていますが、意外と聞いてみると後遺症に悩んでいる方もいら っしゃる。これがコロナの難しいところかと思います。

高橋克実:
若い人、それも大学生くらいの人でも後遺症があって、再入院したという話もありましたからね。
これを 聞いていると怖さが増しますよね。得体が知れないというか‥。

カンニング竹山:
得体が知れないからこそ、後遺症という部分を検証しないと。
例えばコロナに関係ない肺炎になっても、肺炎後の後遺症ってありますよね。
実際に苦しんでいる人はいるけど、それが本当にコロナウイルスが原因なのかどうかは、まだ分からないところも結構あると思うんです。
「コロナだから、この後遺症になる」 と意味づけするのはまだ危険なのかなって思ったりします。

(「直撃LIVE!グッディ」8月12日放送分より)