感染症流行時のセックス、マスクをして対面しない姿勢で 英財団が推奨
「新しい日常」(ニューノーマル)という言葉、職場復帰や買い物の仕方などをめぐって聞いたことがあるだろう。
それはセックスについても言える、と性的健康の問題に取り組む団体は指摘している。
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イギリスのテレンス・ヒギンズ財団はこのほど出した刊行物で、セックスの際にはキスを避け、マスクを着用し、顔と顔が向き合わない体位を選ぶよう勧めている。
困難に思えるかもしれないが、私たちは「セックスや親密さを求める気持ちと、COVID-19(新型コロナウイルスの感染症)を広げるリスクのバランスを取る」方法を見つけなくてはならない――と同財団は主張している。
安全な相手と
同財団は、パンデミック(世界的流行)の時期において、性行為の最良の相手は自分自身か同居人だと説明する。
マスターベーション、アダルトグッズ、電話やオンラインでのセックスを、最も安全な選択肢として推奨。
セックスはだめとは言っていないが、家庭内の人とするのが理想だとしている。
社会的距離の保持はいまも求められているが、いつまでもセックスをしないわけにもいかないと同財団は言う。家庭外の人とセックスをする場合は、相手を少なくすることが肝心だと訴える。
新たな人と出会ったときは、自分やその人はもちろん、その人の家族も、COVID-19の症状がみられたり検査で陽性と判定されたりしていないか、確認するよう勧めている。
セックスで感染する?
新型ウイルスは唾液、粘液、呼吸、硬い表面への接触を通して広がる。
「互いに性器に触れるなら、キスもするだろう。唾液で新型ウイルスがうつるのはみんな知っていることだ」と、アレックス・ジョージ医師は3月、BBCラジオ1の番組ニューズビートで話した。
また、「あなたの口から手や性器、誰かの鼻や口へと、コロナウイルスをうつすどんな小さな可能性も」伝染のリスクを高めると説明した。
まさにこれが、テレンス・ヒギンズ財団がセックスにおいてはキスを避け、マスクを着け、対面しない体位を選ぶよう勧める理由だ。
同財団はさらに、新型ウイルスは精液と大便にも存在すると説明。オーラルセックスの際にはリスクを最小化するため、コンドームを使用すべきとしている。
また、どんなときにも求められているとおり、セックスの前後にも20秒以上かけて手を洗うことを奨励している。
同財団は、「ロックダウン(都市封鎖)で多くの人は性行為の相手が減っている。性感染症にかかっていないことを確認し、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の検査を受けるのに最適の時期だ」としている。