新型コロナウイルスの影響で、対面時間が短いドライブスルー方式で弁当を販売する動きが広がっている。和歌山県内では、田辺市と白浜町の飲食店がみやげもの店の駐車場で販売を始め、人気を集めている。経営が苦しくなっている飲食店を支援するのが目的で、今月31日まで続ける予定。荒天の場合は中止。
ドライブスルー弁当が販売されているのは、田辺市新庄町北内ノ浦のみやげもの店「海鮮せんべい南紀」の駐車場。午前11時から午後2時までだが、売り切れ次第終了する。
発起人は、県内の白浜町と串本町でカフェを経営する本田景士さん=上富田町。テークアウトやデリバリーに業態を変えて苦境を乗り切ろうとする飲食店をサポートしようと発案、多くのボランティアが協力し、運営されている。
車に乗ったままメニューを見て注文し、その場で受け取って帰れる。予約は不要。販売初日の7日は約150個を用意し、約1時間半で完売。その後は400個前後を準備し、午後2時までに売り切れることがほとんどという。昼食時間帯前には車が列をつくり、ボランティアがてきぱきと対応にあたっている。
参加業者は随時募集しているが、居酒屋やカフェ、ホテルなど8~10店程度が弁当を納入。幕の内弁当やチキン南蛮、アワビ釜飯など約30種類があり、値段は500円~1300円。
車の列に並んで購入した白浜町内の男性は「飲食店が厳しいと聞き、応援のために買っている」と話していた。
本田さんは「飲食店がなくなると、まちが一変する。そんな状況になることを防ぐために支援している」と力説した。
問い合わせは、海鮮せんべい南紀(0739・33・7613)。