理由を表す等位接続詞「for」の使い方|「so」との違いも例文付きで解説!

みなさんは、等位接続詞「for」の意味や使い方を理解していますか?本記事では、等位接続詞「for」はもちろんのこと、もっと基礎的な「接続詞とは何か」から説明していきます。簡単な英文を用いて解説しているので、この機会にしっかりと理解してしまいましょう。
最終更新日2018.11.19
等位接続詞とは?
みなさんは、等位接続詞と聞いてどういうものかすぐに思い浮かびますか?
等位接続詞とは、文法上対等な関係にあるものを結ぶ接続詞のことです。文と文、語と語、句と句(語のかたまりのこと)といった、対等な関係にあるもの同士を繋げます。有名なところでは、「and」や「but」そして「or」なども等位接続詞です。そして、実は「for」も等位接続詞として働くことがあるのです。
しかし等位接続詞を理解するには、接続詞をしっかりと理解しておく必要があります。まずは、接続詞とは何か?から説明していきましょう。
そもそも接続詞とはどういう働きをするの?
接続詞とは、「何かと何かを繋ぐ役割を持つ語」のことです。
日本語の例文を用いて考えてみましょう。
「昨日は雨が降りそうだったけど、降らなかった。」
昨日は一日中曇っていて、いつでも雨が降りそうな天気だったんでしょう。だけど降らなかったというわけです。
この場合、2つの文が繋がっているのがわかりますか?
そうです。「昨日は雨が降りそうだった」と「雨が降らなかった」の2つですね。
この2つの文を「けど」が繋げている。つまり、この「けど」が接続詞として働いているわけです。
では、実力をつけるために、これを英語にしていきましょう。
まず、「〜しそうだ」は「look like」が使えそう。「雨が降りそうだ」は「it is going to rain」ですね。「昨日」は英語で「yesterday」なので、過去のことを言っていることに注意すると、「It looked like it was going to rain yesterday」となります。
残りは「雨が降らなかった」です。「雨が降る」は「rain」なので、天気を表すときに使う「it」を用いて「it didn't rain」となります。さあ、2つの文が揃いました。これを「しかし」を意味する接続詞「but」を使って、接続してみましょう。
英文:It looked like it was going to rain yesterday, but it didn't rain.
和文:昨日は雨が降りそうだったけど、降らなかった。
ただし、このままでは「rain」が重複していてくどいので、後半の「rain」を省略します。すると、
英文:It looked like it was going to rain yesterday, but it didn't.
となります。これで、接続詞がどんなものかは大体理解できました。2つのもの(上記の場合は文と文)を接続するのが接続詞です。
さて、接続詞は、文の繋ぎ方により、主に等位接続詞、従位接続詞、接続副詞の3つに分けられます。
等位接続詞=対等な関係にあるもの同士を接続する
最初に説明したとおり、等位接続詞とは文と文、語と語、句と句といった、対等な関係にあるもの同士を繋ぐ接続詞のことです。例文を3つほど挙げてみます。
等位接続詞「and」
英文:Ken and Keiko are getting married in June.
和文:ケンとケイコは6月に結婚するね。
○説明
「〜と…」を表す「and」。この例文では語と語(「Ken」と「Keiko」)を接続しています。
等位接続詞「but」
英文:It looked like it was going to rain yesterday, but it didn't.
和文:昨日は雨が降りそうだったけど、降らなかった。
○説明
「〜しかし…」を表す「but」。この例文では、文と文を接続しています。
等位接続詞「for」
英文:I am really tired, for I have been working for about 18 hours.
和文:私はすごく疲れています。というのは、もう18時間ぐらい働きっぱなしだからです。
○説明
「というのは」のように理由を表す「for」。実は、「for」が接続詞になることを知らない英語学習者もいます。「for」が文と文を接続しています。
従位接続詞=主従関係にある2文を接続する
従位接続詞は従属接続詞とも言いますが、大切なことは主節と従位節を接続することです。と、ここで主節と従位節という難しそうな用語が出てきましたので、例文を用いて説明していきます。
ただ、この時点でわかることは、使われている漢字から推測して、どうやら主従関係がありそうだということです。そして、主従関係があるということは対等ではない、つまり、等位接続詞とは違いがありそうだ。このくらいの理解で十分です。
まず最初に、「節(せつ)」とは主語と動詞、つまり、SとVがあって構造的には英語の文として成立しているもの、ということを頭に入れておきましょう。
従位接続詞「because」
従位接続詞で代表的なものとして「because」を例に挙げてみます。意味は「なぜならば」とか「〜だから」でしたね。
英文:The game was cancelled because it was raining heavily.
和文:その試合は中止になりました。なぜならば、雨が激しく降っていたからです。
○説明
この場合、2つの文が接続されているのがわかりましたか?「The game was cancelled」と「it was raining heavily」ですね。
では、どちらが主節、つまりメインとなる文でしょうか?
この文を書いた人が一番伝えたいことは、ほぼ間違いなく、試合が中止になったことです。つまり、「The game was cancelled」が主節となります。
ただし毎回、どっちが主節だろう?と意識する必要はありません。というのは、ほどんどのケースで、従位接続詞の後ろの節が従位節となるからです。
この他にも、従位接続詞には、「〜だから」を表す「since」や「〜したときに…」の時を表す「when」、「もし〜ならば…」の条件を表す「if」など、たくさんあります。
接続副詞
接続副詞とは、副詞でありながら接続詞的な使い方をするもので、具体的には「so」や「yet」、「however」などが接続副詞です。等位接続詞や従位接続詞との違いは、「I'm so happy!」という風に、副詞になれる点です。ここでは例として、「〜だから…」を表す「so」を取り挙げて以下の例文を見てみましょう。
接続副詞「so」
ここでは、例として、「〜だから…」を表す「so」を取り挙げて以下の例文を見てみましょう。
英文:I got the flu yesterday, so I have to stay home from work.
和文:昨日インフルエンザ(the influenza = the flu)にかかっちゃった。だから、会社を休まないといけないの。
○説明
「I got the flu yesterday」と「I have to stay home from work」が「so」によって接続されていますね。
等位接続詞「for」は「理由・根拠」を表す接続詞
等位接続詞「for」は、まず何かを述べてからその理由や根拠を説明するときに使う「というのは」に相当します。そして、「and」などとは違い、必ず文と文を繋ぎます。わかりやすく日本語で言うと、「私はこう思う。というのは、それがああなっているからだ。」の「というのは」の部分です。
さて、「for」には理由を表す使い方が他にもあります。例えば以下の文。
英文:Chiba Prefecture is famous for peanuts.
和文:千葉県は落花生で有名です。(prefecture=県)
○説明
この中の「for」は「落花生で」の「〜で」に相当し、意味的には「千葉県が有名な理由」になっています。
ところで、等位接続詞として使用されたときの「for」との違いに気づきましたか?この「for」は前は文ですが、後ろが文ではないので、等位接続詞ではないことが分かります。
これは、前置詞の「for」です。
等位接続詞「for」の使い方
実は、等位接続詞としての「for」は、口語ではお堅い演説や講義以外で使われることは少ないです。文語で使用されることもありますが、「because」の方が多く使われます。それゆえ、自分で理由や根拠を説明する際に、「because」ではなく等位接続詞「for」を使う場面は多くありません。
しかし、他人が書いた文章を読む際や、著名人のスピーチを聞く際などに、等位接続詞「for」が出てきても戸惑わず、しっかりとその内容を理解できるよう、使い方や意味などは確認しておきましょう。
ポイントは4つ
- 文1, for 文2の形で使う。
- forの直前には必ずカンマを入れる。
- 文頭で使えない。つまり「For 文1, 文2」という形はNG。
- 意味は「文1です。というのは文2だからです。」
ちょっと気になる「for」と「so」の違い
先程の接続副詞の説明で「so」を取り挙げましたが、「for」と「so」にはどのような違いがあるのでしょうか?
英文:I got the flu yesterday, so I have to stay home from work.
和文:昨日インフルエンザにかかっちゃった。だから、会社を休まないといけないの。
等位接続詞「for」の場合との違いに気づきましたか?実は、前後の因果関係が逆になっているのです。でも、気づかなくても大丈夫。まずは、日本語で考えてみましょう。
和文:昨日インフルエンザにかかっちゃった。だから、会社を休まないといけないの。
この前後を入れ替えてみましょう。
和文:会社を休まないといけないの。というのは、昨日インフルエンザにかかっちゃったから。
こうすると、「会社を休む」原因が「インフルエンザにかかったから」となり、因果関係が逆になります。ということは、この文は、理由・原因を表す等位接続詞「for」を使っても書けるはずです。早速やってみましょう。
英文:I have to stay home from work, for I got the flu yesterday.
和文:会社を休まないといけないの。というのは、昨日インフルエンザにかかっちゃったから。
書けましたね。とは言っても、上で説明したように、わざわざ「for」を使って書く必要があるのかと聞かれると、Yesと答えるのは難しいでしょう。
しかし、こうしたことを一つひとつ理解していれば、英語の文構造を把握できるようになり、読解スピードやリスニングスキルの向上に繋がります。あなたの英語力向上において、文法力は不可欠です。
等位接続詞「for」とその使い方のまとめ
等位接続詞「for」について解説してきました。ここまでのことをもう一度振り返り、記憶に定着させてしまいましょう。
7つのポイント
- 接続詞は「等位接続詞」、「従位接続詞」、「接続副詞」の3つに分類される。
- 等位接続詞とは、対等のものを接続するもの。
- 等位接続詞「for」は、前の文を受けて、理由を与える。
- 使い方は、直前のカンマを忘れず「文1, for 文2」という形。
- 意味は「文1だ。というのは文2だからだ。」
- 文頭では使えない。
- 接続副詞「so」との違いは、因果関係が逆になっているところ。
難しい用語がたくさん出てきましたが、大切なことは英語の構造を見抜くことです。これが出来るようになれば、リーディングやリスニングはもちろんのこと、ライティングにおいても、確実にスキルアップできます。
等位接続詞やら従属節やら難しい用語だな...と毛嫌いせずに、是非ポジティブに英語に向き合ってみてください!