世界シェアで中国の躍進目立ち日本は一歩後退
19年世界市場調査、中国、シェア首位12品目、ハイテクで存在感、日本抜き2位
中国企業が旺盛な内需をテコに、世界のハイテク市場で一段と存在感を高めている。日本経済新聞社がまとめた2019年「主要商品・サービスシェア調査」(調査対象74品目)で、中国は電子部材などで前年比2品目増の12品目でトップシェアを獲得し国・地域別でトップ米国の25品目に次ぐ2位に浮上、日本は4品目減の11品目と逆転されて韓国と並び3位になった。中国勢は、スマホ向けの中小型液晶パネルと電気自動車などにも使うリチウムイオン電池向け絶縁体で日本企業から首位を奪い、パソコンでレノボがシェア24.2%と18年比1.2ポイント伸ばして18年に同率首位だった米HPを超えた。ファーウェイはスマホのシェアで17.6%と初めて米アップルを抜いて韓国サムスン電子に次ぐ2位、携帯電話の基地局では19年にシェアを5ポイント近く伸ばして19年の世界出荷額の3分の1を押さえた。ただ、20年は米国による中国ハイテク企業に対する封じ込めが続き、スマホや監視カメラなどで欧米の採用見送りが広がりつつある。21年にかけてハイテク製品の部品調達が厳しくなり、中国勢に逆風が強まるとの見方もある。
毎年、日本経済聞社が「主要商品・サービスシェア調査」を行っており、19年調査では74品目に関する世界市場における企業別のシェアランキングを発表した。国・地域別での世界トップ獲得品目は米国が前年と同じ25品目で1位は変わらないが、前年比2品目伸ばした中国が2位に躍進、長らく2位の座を守っていた日本が4品目を減らして11品目と、韓国と並ぶ3位に後退してしまった。中国はハイテク分野での躍進が目立ち、今回も中国のスマホの世界シェア拡大を平背景に中小型液晶パネル、中国EV市場の急拡大を背景にリチウムイオン電池向け絶縁体で中国が日本を逆転して世界首位に躍り出た。かつての日本が、通産省が産業政策として強力にバックアップすることで、多くの家電製品や半導体などが世界首位へと駆け上がって行ったように、今の中国も国が大きな後ろ盾となっている面もある。その一方で、中国企業の研究開発投資や生産増強投資、M&Aなど、積極的な戦略展開によるところが大きい。日本企業は、長い間、ハイテク不況や円高不況など厳しい環境が続く中で、特にハイテク分野での世界的な後退が続いてきた。ただ、その中にあっても、半導体材料や半導体製造装置、FA関連、電子部品など、世界的に大きな存在感を示している分野も少なくはない。下記のような世界トップを維持している製品群もある。米中ハイテク派遣争いが激化し、米国の中国排除の動きが強まっていることもあり、今後、日本の巻き返しに期待したい。そのためには、規制緩和や様々な優遇策など、日本国政府も日本の産業界の世界的な地位向上に貢献するように、積極的な政策展開も必要なことと言えよう。
<6758>ソニー{電機・ゲーム・音楽・映画・金融と多角化、CMOSセンサ53.5%シェア}
<7267>ホンダ{二輪車世界首位・四輪車世界4位、二輪車36.6%シェア}
<7751>キヤノン{総合OA機器世界大手・医療機器に注力、デジタルカメラ45.4%シェア}
<6723>ルネサス{自動車向けマイコン主力の半導体大手、マイコン18.1%シェア}
<4005>住友化{総合化学の国内2位、偏光板24.3%シェア}
※この記事は、無料のスマートフォンアプリ「FISCO」に先行配信された記事を転載したものです。
《ST》
フィスコ
最終更新:8/13(木) 18:30
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