夫の逮捕で永遠に失ったものは
子どもの寝息をききながら、子どもの父親に抱かれる幸福。
「無防備に身を委ねる感覚を、知らずに死ぬよりいいか」
と切り替えるしかない残酷。
つい泣いてばかりいる私に、子どもたちはずっとまとわりついてきてくれる。私が涙を流すと次女はとんできて、背中をポンポンたたき
「もうパパのことは考えないほうがいいよ。もうすぐ旧姓になるんでしょ。そしたらピカピカの人生だよ」
という。長女は
「彼氏つくるんでしょ。その彼氏、私とボーイスカウトいってくれるかな?楽しみだね」
という。あてもないのに。
一方で私に隠れて、子どもたちは夫の診察室で、何やらやっている。パパのことは、姉妹の間だけで話すことにしているようです。きょうだいつくってやって、よかったなと思う。
私は夫を愛し、信頼しきっていたが
夫はそうではなかった。だから事件は起き、逮捕された。
この現実が衝撃すぎて、
マスコミ対応とか銀行対応とかネットが炎上することとか無言電話とか家に汚物を投げられるとか噂話されるとかいったことには、
何も感じなかった。
皆さん仕事でやっている。陰口悪口だって、軽い気持ちでやっていることだから。
悲しみで集中が続かずなかなか進まないが、一つ一つの残務整理をしていく。それは我が家から、夫の痕跡を消す作業。夫の何かが視界にはいるだけで、めまいを感じる。だけどやれば、一つずつ作業は終わっていくのだ。やっていればいつか終わるのだ。だから我慢してやっていく。
陰口を叩かれたり、避けられたりすることはなんともないのだが
仲のいいご夫婦や、幸せそうなご家族をみるときが
たまらなく辛いです。
皆さんは、当たり前の幸せ
大切にしてくださいね