吉村府知事 テリー伊藤氏から派生の〝インサイダー疑惑〟に警告「言い方は注意した方がいい」

2020年08月11日 16時52分

ネットの疑惑に苦言を呈した吉村府知事

 大阪府の吉村洋文知事(45)が11日、府庁で記者団の取材に応じ、ネット上で取りざたされている〝インサイダー疑惑〟について否定した。

 吉村氏が4日に新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、ポビドンヨードを含むうがい薬の使用を呼び掛けたことで、うがい薬が品薄状態になったのは周知の通りだ。

 この問題を取り上げた9日放送のTBS系「サンデー・ジャポン」に出演したタレントで演出家のテリー伊藤(70)は、吉村氏の会見を生中継した日本テレビ系「ミヤネ屋」に出演していたことを明かし、「この話を(会見の)1時間半くらい前に知ったんです。これを今、買っとけばいいな。薬メーカーの株も買えるなって一瞬、頭に入ったんですけど、やめたんです。インサイダー取引みたいな感じで、僕の立場でそれをやると申し訳ないなと思ってやらなかった」と話した。

 この発言を受け、ネット上では「情報が漏洩している」「インサイダー取引ができた人もいる」とあらぬ憶測が飛び交うことになった。

 吉村氏は「まずインサイダー取引というのは犯罪。ネット上で匿名とはいえ、僕にインサイダー疑惑があるとか軽軽には言わない方がいいだろうと思います。ネット上でいろんな意見をされる人がいますけど、注意された方がいい。維新が嫌いなのは分かりますが、インサイダーじゃないかというのは『あなたは犯罪者でしょ?』と言うのに等しいですから、ネット上での言い方は注意した方がいい」と指摘。

 続けて「インサイダーに関わるようなことは僕は一切やっていないし、そんな事実はあり得ない。経済的な利益を得ようと思って知事をやっているわけでもない」と疑惑を否定した。

 研究成果の発表までの経緯については「当日の朝10時に大阪府のホームページに、大阪府病院機構と僕と松井市長で共同発表すると出したが、研究の中身については一切触れていない。会見で初めて発表した。製薬会社4社と国、研究している病院機構と大阪府の一部職員しか知らない話」と説明。テリー氏の発言の真意については「テリーさんに聞いていただきたい」とした。

 吉村氏はこの〝騒動〟について、ツイッターでの発信も考えたというが、「僕が一番心配しているのはインサイダーとかじゃなくて、この研究自体が潰されること。僕の発信の仕方とかにご指摘があるのかもしれないが、感染拡大防止の一つの武器として、かなり大きな将来性があると思っている。あまり論がズレていくと『研究自体を一斉に潰せ』みたいになって、社会にとって損。だから、ツイッターでインサイダーどうこうという、しょうもない話には付き合わなかった」と明かした。