パパが逮捕され、突然いなくなったことで
傷つくこどもたち。子どもたちにパパの話を
してやったり、パパと遊びに行った場所に
もう一度連れて行ってやったりしたけど。
離婚しても、子どもたちにはパパなんだから
と思ってがんばろうとしたけど、無理がきた。
ママが病むと、子どもたちを守ってやれないので
無理はやめることにした。
夫の子どもを産んで育て
夫の夢だという開業を、資金面でも保証人としても経営でも
支えてきたのに
夫はわざわざ京都までいき、自分の思いを叶えた。
家族を大切にしていたら、絶対やらないであろうことを
したのだ。家族思いのパパなんて、もともと存在しちゃ
いなかったのだ。
昨日こどもがわがままを言ったので、諭した。
今まではね、パパがお仕事でお金を稼いで
ママが子どもの世話をしていたから
あなたたちはやりたいことをやれるように、
ママが合わせてやれた。だけどこれからは、
ママが仕事しながら君たちの世話もしていかなければならない。
ママはもう、あなたたちに合わせてあげることは
できない。君たちがママに合わせてちょうだい。
長女が号泣した。ひょっこりパパが帰ってきて
もとの四人の生活が戻ってくると思っていたのでしょう。
この家に、パパの痕跡が残っていることが
ママには耐えられないから、全部処分するよ。
辛いだろうけど、苗字も変えてね。
ごめんね
ママはもう、あなたたちのパパへの思いを大事に
してあげる余裕がないの。
無理をすると、ママが壊れてしまう。
パパのことを思い出さずに済むようにしないと
ママがもたないんだ。
若い頃の失恋も、たしか、こうやって乗り越えた
ことを思い出す。思い出さないようにしていると
いつのまにか忘れていて。そして何かの拍子で
思い出すことがあっても、笑い話になっている。
夫は、「最後のオトコ」になるはずだったのにな。
人生って、おもったとおりにはいかないものだ。
カウンセリングを受けることにした。
女性としての弱い自分とも向き合っていく。
ママが健康でいないと、子どもを守って
やれないものね。
だから、無理はしないしない。