韓国国防部(省に相当)の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官は5日、極超音速ミサイルやステルス無人機などのハイテク兵器開発を急ぐ考えを示した。極超音速ミサイルは最高速度がマッハ5(音速の5倍)を上回るため、現在の技術では迎撃が不可能だ。「韓国軍が極超音速ミサイル技術を開発中」と国防長官が直接言及するのは今回が初めてだ。
鄭長官はこの日、大田の国防科学研究所(ADD)創設50周年記念式に出席し「今後、わが軍は精密誘導操縦機能を持つ誘導武器、長射程および極超音速ミサイル、高威力弾頭、韓国型衛星航法システムなどの技術開発を加速し、ミサイル戦力をさらに高度化していくだろう」と述べた。米国、中国、ロシアなど韓半島周辺国が次世代兵器として極超音速ミサイルの開発を進める中、韓国軍も開発に拍車を掛けるという意味だ。
現在のミサイルに比べて数百倍速い極超音速ミサイルは、戦争の版図を変える「ゲームチェンジャー」と評価される兵器だ。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「極超音速ミサイルは現在の防衛システムでは迎撃が不可能なだけでなく、短い時間に目標への攻撃が可能となるため、北朝鮮はもちろん、周辺国の脅威に対しても対応できる武器システムだ」と述べた。極超音速大陸間弾道ミサイル(ICBM)は全世界のどこに対しても1-2時間以内に攻撃が可能だ。
実際に韓半島周辺の強国は極超音速ミサイルの開発競争に入っている。中国は在韓・在日米軍を狙った極超音速弾道ミサイル「DF(東風)17」を昨年公開し、ロシアも昨年12月、極超音速大陸間弾道ミサイル「アバンガルド」を実戦配備したと発表した。米国のトランプ大統領も今年5月、従来のミサイルよりも17倍速い極超音速ミサイルを開発中であることを明らかにしている。