(台北中央社)先月末に死去した李登輝元総統に弔意を示すため弔問団の団長として訪台した森喜朗元首相は9日、追悼会場が設置されている台北賓館を訪れた。弔問団の派遣の背景については、日本の国会議員の間で党を超えて「どこの国よりも一番早く、外国の弔問客として日本の政治家が行くべき」との声が上がっていたと説明した。
遺影に向かって、弔辞を読み上げた森氏。台湾の総統と日本の首相として、それぞれの立場はあったとしつつ、「お互いの人間としての友情や尊敬は一度も揺らぐことはありませんでした」と語った。
弔問の後、報道陣の取材に応じ、李氏について「日本人が知らなかったことをよく知っている」と言及。敗戦後、自虐的になった日本人に対し、誇りを持つべきだと李氏が広く訴えたことに感銘を受けたと振り返った。
一行は新型コロナウイルス対策のため、チャーター便を利用し日帰りで訪台。台北賓館を後にすると、その足で空港に向かい、帰国の途についた。
(楊千慧)