日中戦争を扱う予定の
人気ドラマが打ち切り

 こうした日本からの支援は、多くの中国人から称賛を浴びている。ネット上の書き込みの全てを確認することはできないが、筆者が中国語のSNSで目にした中国人ユーザーのコメントの大部分は、日本からの善意に好意的なものだ。

 例えば、ある人は「一部の国は、中国が困難な状況であるにもかかわらず中国を攻撃した。一部の国は口先だけで『中国頑張れ』と言ったが、日本は実際の行動で中国を助けてくれた」と書き込んだ。

 また別の人は「今回の日本には本当に心を動かされた」と日本への印象が大きく変わったことをコメントしていた。

 筆者が参加するチャットアプリ、微信(ウィーチャット)のグループの中で、1人の中国人ユーザーが、「日本政府は『ダイヤモンドプリンセス号』上の乗客を速やかに救い出さなかった」と責任を追及した。

 すると、すぐに他の中国人ユーザーが反応。「この危険な船は日本の船ではない。どの国も引き取ろうとしなかった。船上の日本人を救うという意味合いもあっただろうが、日本政府の対応は全体として人道的なもので、責任ある行動だったと言える」と、日本政府の感染対策について評価する内容を書き込んでいた。

 中国の政府やメディアも日本からの援助を高く評価している。

 外交部の華春瑩(Hua Chunying)報道官は2月4日に行われた記者会見でメディアの質問に答え、中国の感染症との闘いに対する日本政府と民間が行った善意の行動は「人の心を温めるもの」であり「ウイルスとの厳しい闘いの中で、他国の国民が中国に対して示した同情と理解と支援に心から感謝をし、しっかりと心に刻みます」と語った。

 このように日中間の友好感情が高まる中、中国のあるテレビ局の動きは、中国の多くのネットユーザーの間で話題となった。

 人気連続ドラマ「紅高梁(紅いコーリャン)」を放送していた「山西衛星テレビ」は2月9日、放送途中の第40回で突然打ち切りとなり、別のドラマを放送することになった。