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明日へのアクセント
麦秋月7日

寝た間に彼らも帰って来て寝ていたようで、今朝は彼らより早く目が覚めた。
喉の調子は今ひとつだけど、大丈夫だと思う。
でも、彼ら自体がちょっと疲れているから、休みたいのかもしれない。
そっと中庭に出て、背伸びと深呼吸。
今日は休みだと言うから、公衆浴場にゆっくり行こうかな。いつもはばたばただし。
お金があったら風呂付きの部屋に泊まれるんだけどな・・・
ラーダで、今までの報告をもっと詳しく補足してってのもありかな。
こう考えると急に忙しい感じがする。

アルゴスがのっそりと中庭に出て来た。昨日の事があるからちょっとむっときたけど、
仕事にはこういう事がつきものだ。笑顔でおはようございます。
「おはよう」
実にぶっきらぼうだ。まあお互い様か。彼はぶんぶん素振りを始めた。
先に金鹿亭に行って、食事をしとこうかと思った所玄関でスミス君とワーブラーに出会った。
大丈夫だという事を告げて一緒に朝食をとる。
今日は休みで何をするか問うたら、ワーブラーはケフトで応急処置と薬品の講習が
今日あるとかで、休みたい、というのはそれもあっての事だと言う。
先に告げられなかったと謝られたから、私も昨日の件を謝った。
かれらはいい人だ。

結局今日は彼らについていってケフトの応急処置の講習をうしろから見たり、
スミス君と図書館で調べものをしたりして一日を過ごした。
ついでに小手を見せてもらって満足。仕組みを説明されて、凄く難しかったけど
おぼろげに分かったから。
夕食をちょっと早めに食べようと言われ、金鹿亭に行ってみると全員そろっていた。
今日は、仕事がうまくいったのでちょっとした打ち上げをしよう、って事だったらしい。
昨日私がぶりぶり怒って解剖していた後ろでそういう相談をしていたらしいのだ。
ちょっと申し訳ない気持ちになって、素直に厚意を受ける事にした。
マダムがにこにこしてジョッキを持ってきた。乾杯。

結局、私が一番酒が強い事が判明。ショック。
あと、一番年上な事が判明。もっとショック。
酒の勢いで「もうみんなの事は君づけで呼びます」と高らかに宣言し、皆こっくりとうなずいた。
今日は楽しかった。でも今日の日はちょっとしたアクセント。
明日からまた、怒濤のもっと厳しい日が始まるだろう。

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【2007/02/11 23:35】 | ボウ・チルドの日記 | トラックバック(0) | コメント(0)
走れ!私!
麦秋月8日

出かける前提案を受けた。マッピングの日、迷宮内の採取物採集の日、魔物探索の日と
日を分けてはどうか、というのだ。
彼らは結構迷宮内の構造を頭で覚えているようで、まだるっこしいのだろう。
特に異議はないが、あまりそれで遅れるようなら元に戻す、と答えた。
あ、そうだ。みんな今日から君付けで呼ぶ事にした。だって一番年上のアルゴスだって
「6」も年下。ああいやだいやだ。
今日は、魔物探索に集中する日。迷宮の魔物の中で、特に強い殺気を発し放浪している
ものがいるそうだ。それを狩って見せたい、という。
特に、それは他の雑魚と違って一度狩ると数日は姿を見せなくなると言う。
他のパーティに狩られると待たなくてはならない。特にそれから取れる角や毛皮は
高くでシリカ商店に引き取ってもらえるから、腕に覚えのあるものには狙われて
いるらしいのだ。FOE、と冒険者は言い表しているらしい。

一階の先の階段を下りる。まだ明るい。
「この先は毒吹きアゲハが沢山出てくるから注意して欲しいっす」
カンパネラから注意を受けた。気休めにハーブ汁を浸したバンダナで口を覆う。
「なんだそりゃ、周りが見にくくならないか?」
不思議そうな顔でドラグーンが言うが、他のみんなは軽くうなずいてくれた。
ここで出る生き物は、さっきのメイキュウドクアゲハ、森ウサギ。
ウサギかわいくない。故郷の家畜のウサギはかわいいのに目が違う。あと凄く太っている。
迷宮の生き物が太っている、もしくは極端に大きいのは食べ物になる植物達のせいも
あるのかもしれない。空気も、なんとなく違う。
そしてフィンドホーン。
「フィンドホーンは、ちょこまか動いて狩りにくいんだよな・・」とはドラグーン。
これの角はちょっと価値がある。お土産の飾り物としても人気だ。
と、あまりにもそれは堂々とこちらに近づいて来た。
「あれが狂える角鹿です、下がって!」
口元に大きな牙が見える。鹿に牙!?慌てて木の幹に背中をつけるが、
ちらりと目が合ってしまった。
「走れ!その角まで曲がって待っていろ!」アルゴスが一喝した。
走って逃げる、その後ろからどがどがっという大きなひずめの音と、武器の音がする。
角に曲がって一旦止まり、様子をうかがうがひずめの音は近づかない。
かわりに怒りのいななきと気合いの声が聞こえる。少し覗くと、鹿がつんざくような
吠え声をあげた。頭がおかしくなりそうだ、何、この声は!
ちょっと見るとアルゴスの様子がおかしい。目がうつろだ。
ゆらりと刀をドラグーンに向けている。
思わず走って、荷物入れの中の水袋をアルゴスの顔に投げつけた。
彼がはっとした顔をしたのを確認して、そばに寄ってきたのをまた怒られては
かなわないからまたそこの角へダッシュした。息があがってつらい。
精神を乱す声を出す、と記録。と、記録している間に断末魔の声が聞こえた。

アルゴスは、ちょっとプライドを傷つけられたのか口をへの字にして水袋を渡してくれた。
ドラグーンは私を後ろにひっぱって連れて行き、合掌して礼の意を伝えた。
無言なのはアルゴスに遠慮しているかららしい。
「これが、FOEなのね?」
「そうです。この階にはもう一種類、野牛が居ます」
「どうするの?」
皆は顔を見合わせていた。
この後、見るだけなら、とその狂牛と、ついでだといって3Fのカマキリも走って走って
逃げながら見させられた。
3Fのカマキリは今まで幾多の冒険者を屠ってきたらしい。彼らも、倒せない事はないらしいが
エネルギーのロスなので走って逃げている事にしているそうだ。
しばらく走って逃げそうだが、いつかはゆっくり解剖したい。
疲れた。今日は、一階探索で解禁されたアリアドネの糸で帰った。
魔物のラフスケッチを補足して、寝よう。彼ら、もう寝ているし。

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【2007/02/12 22:46】 | ボウ・チルドの日記 | トラックバック(0) | コメント(0)
ラーダの奥底
麦秋月 9日
いつも迷宮に行く前ラーダに行って、前の日まとめた進捗を報告する。
そろそろラーダの人達の顔も覚えて来た。町の執政担当の人、記録保管の人、
私の直接上のヴォルフガングさん。
でも、ラーダの長の顔は一度も見た事が無い。あと、話に聞いた「レンと
ツスクル」も一度も見た事が無い。
ヴォルフガングさん曰く、長はいつでもエトリアの繁栄を考えておられる
立派な方だそうだし、レンとツスクルは長の直接の命を受けて行動して
いるそうだから、その実力も併せ立派な人たちなのだそうだ。
ただ、よくは知らないらしいけど・・・・
一度会ってみたいけれど、ほいほい会える立場ではない。実力もまだ無いし。
でも、直接の命ってなんだかな。もっとオープンにしても悪い事は無いと思うのだけど。

今日は掘って掘って摘んで摘んでの採取日だ。地図もついでに埋める事にする。
皆、この作業は退屈らしい。さんざん普段しているからなのだろう。
私を雑魚から守るのも手慣れて来て、あっという間に終わってしまうようになったし。
じゃあ、というのでまたカマキリから逃げてちょっとスリルを味わってみることにした。
また凄い勢いで皆走る。ぎりぎりのところで扉を閉める。
皆は親指を立てたりしてにこにこしているけど、私は息があがってどうしようもない。
壁に背中をぺったりつけて息を整えると、背中の方から涼しい風が来て楽になった。
・・・涼しい風?
2匹めのカマキリが向こうで獲物を待ち構えているその部屋の奥の壁に、何か抜け道
らしいものがあるようだった。が、こちらからはどう考えても私以外入れない。
私も尻がつっかえそうだ。
向こう側は腐っているような感じだから、何か向こう側から掘れば通じるかもしれない・・・
壁をにらみつけてメモをしている私を皆首をすくめて見ていた。
色々説明して、やっと「近道」という事に気づいたらしい。ちょっと張り切りだした。

結局その「近道」を作るには、FOEを倒したりして長い道のりをたどらなければいけなかった。
今日は労が多くて実りがあまりなかったけれども明日以降にはこの道は絶対役に立つ。
他の冒険者にも喜ばれるはずだ。
こうして、近道を作った後に帰ろうとしたとき、どこかで鈴の音色がした気がした。
幼なじみがしていた鈴の音とよく似ている。でも彼はここに居る訳は無い。
振り返るともう何も音はしなくて、ただ上がる月に呼応するようどこかで狼の遠吠えが
流れて来た。たくさん。
危険な感じなので今日はここでおしまい。近道の報告は喜ばれるだろうな。

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【2007/02/13 23:33】 | ボウ・チルドの日記 | トラックバック(0) | コメント(0)
日記を始めてみました
ラーダのボウさんと一緒に行動する事になって、もうじき一週間になります。
いつも何か書いていて、その上宿に帰っても日記を書いています。
ちらっと見たけれど、ものすごく長く何か書いています。
「これが仕事だから」というのはボウさんの口癖だけども、凄いと思います。
見習って僕も日記をつけようと思います。

とりあえず今日は、地図造りのお手伝いをしました。
マンドラゴラを術を発動させて炭にしてシリカ商店に売りました。
発動の加減を間違えると灰になってしまうので難しいです。
発動させている間にドラグーンさんが叩き割っちゃうのも勘弁して欲しいです。
あれの叫び声はいつも気持ち悪いです。あれの鳴きまねをカンパネラさんが
するのはもっと気持ち悪いので止めて欲しいです。
そういえば、金鹿の酒場で火の術式を使える人というジャクソン料理店の応募を見ました。
僕がその募集要項に該当しますけど、してもいいんでしょうか。
明日アルゴスさんに相談してみます。
とりあえず今日はここまで。
               麦秋月9日 スミス記

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【2007/02/14 22:58】 | スミスの日記 | トラックバック(0) | コメント(0)
指令
麦秋月 10日
近道の報告をしようと、勇んでラーダに行ったらヴォルフガングさんが
ものすごく厳しい顔をしていた。
迷宮の翠緑の樹海下層にものすごく沢山狼が出現したそうだ。
昨日も夜になって狼の声がした事を告げると、大きくうなずいていた。
危険だから、誰かが退治してくれるまでそこに近づくのを止めるか、
自分自身で退治するか、どちらかになる、と言われてしまった。
もし誰かが退治してしまったら、狼の群れについて書き残す事が
出来なくなってしまう。
もし、団の皆が賛成してくれるなら、群れについて一、二頭でも倒して
おき、その出現した原因なんかを推測したい。
少し待ってもらうよう頼んで、外に出てアルゴスに相談してみた。

ドラグーンやカンパネラは名を挙げるチャンスなので喜び勇むかと思っていたが、
ちょっと反応が違った。
アルゴスがあごに手をやって考えているのを、じっと待っていたのだ。
「どうするか」
やっぱり、私がいるから危険な事は駄目なのかな、と思っていると、
「急がば回れでよければ受けるが、どうだ」
と言われた。
つまり、手慣れていた兵士なんかもやられるぐらいの危険な狼の群れだ。
逃げ道の確保のため、地図の充実。
また、襲われても逃げられるよう体力に余裕を持つため高級な薬を買う必要がある。
そのためには材料をたくさん入手し、シリカ商店を通じてケフトに納めて
薬を沢山作ってもらわなければならない。
昨日みたいな近道も、沢山見つけるに越した事は無い。体力が温存出来る。
お金を貯めて、アリアドネの糸も持たなければならない。

「・・・ちょっと時間がかかってしまいますけど、地図と採取物のリスト充実も
兼ねられますし、こうして準備ができたら狼の群れを退治しようと思っています」
ヴォルフガングさんはうなずいて、その間あまり危険に近づく事の無いよう
他のパーティを肝心な所で止めておくよう手配する、と言った。
つまり、私たちが狼の群れを退治する指令を受けた、そういう事だ。
外に出て、皆にその事を告げ、狼達を退治する為のまず素材集めから始める事にした。
昨日の素材集めと違って、皆真剣だ。
そのせいか、あまり普段拾えない蜜のかけらや、メイキュウヒメリンゴを入手出来た。
他の魔物達からの素材も、武器になるかと思えば少々重いのも気にならない。
いい武器を買う為、アリアドネの糸も節約。

遠くから聞こえる狼達の呼応の声を聞きながら、夜遅くまで粘った。
明日は、薬を入手して偵察をしよう。武器と防具をもう少し充実させなければ。

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【2007/02/14 23:52】 | ボウ・チルドの日記 | トラックバック(0) | コメント(0)
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迷宮と団と私と鳥と


世界樹の迷宮を日記風に書いた小説です。ネタばれを含みますので、注意してご利用ください。 来ていただいてありがとうございます。ゆっくりとお楽しみください。

プロフィール

ボウ・チルド

Author:ボウ・チルド
世界樹の迷宮を楽しんでいます。
ゲームサイトNintendo iNSIDEトラックバックキャンペーンで新納賞を頂きました。
それを見て来られた方もそうでない方も、迷宮のスタッフさんもそうでない方もありがとうございます。
ではごゆるりと。

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