エレカシブログ 雄弁な象

【Destiny】

テーマ: エレカシのウタ

明日も生きてゆくつもりさ
まだ見ぬ夢を見たいから
時計回りの日々 優しさの数だけ歩いてゆく
あなたに会いたい気持ちだけでよかった


宮本さんの持つ歌謡曲性が、遺憾なく発揮された名曲だ。
力強く前向きな光の中に、哀愁を忍ばせたメロディは、
エレカシ的でありながら、

エレカシらしからぬ雰囲気をも漂わせている。

 

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「ホワイトラボ~警視庁特別科学捜査班~」の主題歌で、

ユニバーサルのサイトには、

歌に寄せる宮本さんからのコメントとして、下記が紹介されている。

“ヒューマンなラブソング”というリクエストをいただきました。
そして色々考えてみると、
確かに俺たち生きている人間はいつだって愛を求めて、

光を求めて生きているということに気がつきました。
この「Destiny」という曲に、そんな思いを込めて歌いました。
ドラマ『ホワイト・ラボ』共々、

みんなに愛される曲になってくれたらどんなに嬉しいだろう。 

 

何かにとらわれてるMystery

本当の気持ちは何処なのさ

無理矢理かなり 時のはざまにばらまいて来た

夢と希望 俺の生命
 

ドラマのタイアップであり、

“ヒューマンなラブソング”という求めに応じたもの。

実際に、すごく洗練された歌だ。

だから宮本さんの心情を歌うことが多かった従来のエレカシとは、

少しタイプが違う、ある意味テクニックで作られた歌なのかと思っていた。

下記の記事を、見つけるまでは。

 

MUSICA最新号<チョイ読み>Posted on 2014.06.17 by MUSICA編集部

未読の方は、ぜひ、全部読んで欲しいですが、ちょっとだけ引用します。

僕らにとって、

さいたまスーパーアリーナの25周年記念ライヴは
「ベルリンの壁崩壊」」みたいなもので、

その前と後では全然違うんですよ!
『あなたへ』と『Destiny』の間では、
歴史に一区切りがついちゃってるっていうか

 ---『MUSICA 7月号 Vol.87』P.58-63より掲載

 

この頃、何があったのか。

もちろん昔からのファンの方はご存じと思うが、

自分の頭を整理するために、当時の出来事を時系列に並べてみた。

 

2012. 9.1 宮本さん急性感音難聴の診断(9.5に手術)

10.2  ライブ活動休止を発表

10.10 宮本浩次からのメッセージ発表※注1

10.14  日比谷野音

(この間にシングル「ズレてる方がいい」、ベスト盤等発売)

2013.5.1 25周年記念 特設サイトOPEN

(25周年記念ドキュメンタリー映画の上映、イベント等開催)

2013.9.14 復活の野音

11.20 シングル「あなたへ」発売

2014.1.11 さいたまスーパーアリーナ 25周年記念ライブ

5.15 「ホワイト・ラボ」タイアップ新曲の発表

6.11 シングル「Destiny」発売

 

 

2012年の日比谷野音は一度は中止が発表されたが、

宮本さんの強い希望でアコースティック中心の

1時間余りのステージとして実現した。

※注1:この時のメッセージは、今もオフィシャルサイトNEWS欄をスクロールしていくと読むことができる。(スクロール、結構大変ですが...

 

その後、約1年の休養に入った。

「あなたへ」も「Destiny」も、この間に作られた歌だという。

 

 

生きてるだけで精一杯の俺に

何をしろと言うの?

アイタイアナタニ 退屈まぎれの恋なら 

いつかさめるはずと思ってた

 

病気により、音楽を続けられるかどうかという不安、

さらには、生きている意味を問うほどの精神状態に

追い詰められた宮本さんだったが、

25周年ライブを経て、歌い手としての歓びやバンドへの信頼を取り戻した。


前向きで光に向かっていくところをストレートに歌った「Destiny」は、

宮本さんが病室から見た日常の美しい光景に感銘を受け、

俺は生きて再びそこへ向かう、という強い思いが込められた歌だった。

 

 

遠回りはもうやめた ひとつの愛を求めて

(中略)

あなたを感じる気持ちだけでよかった

今すぐゆこう さえぎるものなど何もない

扉を開け その先の光りへ

 

そのときの思いを、宮本さんが実際に語っていた記述を見つけた。

2014年6月12日、宮本さん48歳のお誕生日のサクさんのブログです。

さすがです。また、ちょっとだけ引用します。

日本テレビ「ZIP!」出演時のインタビューに、宮本さんが答えています。

デビューして何十年、その間に自分がまさか病気するなんて

思ってなかったんだけど、その時(病室の)窓の外で、グワーってビルが建ってたりするのが本当に美しかったですね。

俺もまたあそこに行くんだ!!(握り拳振りながら)、

やっぱりそうやって光に向かう(さらに握り拳を振る)、

そういう思ってあるんだよね。

しっかり生きて行くぞってことを

高らかに歌ったという曲だと思います、はい。

 

テクニックで作った歌、なんて舐めたことを

一瞬でも考えたことが申し訳ない。

病室から見た外の世界が、本当に光の大海原に見えたのだろう。

少しでも世間から隔絶した時間を経験した人にはわかるはずだ。

 

 

Destiny 悲しみによってたぶん
Destiny 部屋に寝転んでいても
太陽が昇りくりゃあ 俺はゆくぜ
賑やかな街へ いわば光の大海原へ

 

この部分の歌詞が一番というか、唯一のエレカシ節、

美しい詞の世界にべらんめえ調ぶちこむ宮本先生。

泥臭くさで、一気に歌が引き締まります...

 

 

ところで、「Destiny=運命」ですが、

宮本さんは当初その意味を知らなかった、という信じられない話が

伝わっている。本当なのだろうか。信じられないが、

一方で宮本さんなら、さも、ありなんと思わせる。
日本語の言葉には徹底的にこだわっていると思うけれど、
英語、カタカナについては傑作造語もたくさんあるし、

意味よりも、音の響きやイメージで決めている節があるからだ。

そして、詞の内容も、どうとでも取れる曖昧さ。

 

ただPVには、運命の女神みたいな女性が出てくる。

まさかギリシャ神話の女神とは思わず、

エレカシPVに全裸の女性というけしからん演出に最初は驚いたが、

これは、糸を切り寿命を断とうしている女神から、

宮本さんが鋏を取り返して止めるというストーリーだという。。

 

この解釈、ワインディングロードさんのブログで知った。

なるほど、と腑に落ちた。

そうすると、例えば長椅子に横たわる宮本さんは、

病床にあったときの姿、と全て話がつながってくる。

上記ブログにはギリシャ神話の詳細も含めて、

わかりやすく書いてくださっているので、ぜひご覧いただきたい。

 

それにしても、詞が「Destiny=運命」をことさらに意識していないのに、

映像で「Destiny=運命」を捉えて、

当時の宮本さんの心情をリアルに描写している。

おまけにこの動画で演奏しているメンバー、歌う宮本さんが

めちゃめちゃカッコいいい。

これは、なかなかの傑作です!

 

 

時計回りの日々 悲しみのあと人は立ち上がる

明日を求める気持ちだけでいいのさ

Destiny 今すぐ

さえぎるものなど何もない

扉を開け その先の光りへ

 

 

☆彡

個人的に残念なのは、
このドラマは私が昔から好きな北村一輝さんが主演で、
放映当時、毎週見ていたにも関わらず、
エレカシの存在には、何の反応も出来なかった自分である。

当時のファンブログを見ると「心なしか音が小っちゃく聞こえた」と
書いておられる方もいるので、そのせいかも?
宮本さんの声に迫力がありすぎて、音量絞ったとか?
画面にインパクトのある宮本さんが登場して、
目力120%で歌ってくれれば、この時ひとめぼれできたのに!
と、むちゃくちゃ悔しい。

余談だが北村一輝さんは、今クール、フジテレビ系の「シグナル」という

ドラマに出演している。先が読めない展開で面白く、

北村さんもいい味を出しているので、毎週楽しみに観ている。
そして「シグナル」といえば私のエレカシNO.1ソング。
もちろんドラマは、エレカシの「シグナル」とは何の関係もないが

私の中でひそかに北村一輝さんは、エレカシ俳優に位置づけられた。
好きな俳優さんなので、結構うれしい。
 

 

☆彡

さらに余談ついでに、もうひとつ。

「翳りゆく部屋」」で縁があるユーミンには同名の歌があるため、

最初にエレカシの「Destiny」と聞いたとき、

何かあるのかな?と秘かに期待した。
実は「Destiny」は私のユーミンNO.1ソングなのだ。

 

今回記事を書くのに、随分とネットを探したが、何も出てこなかった。

どうやらタイトル以外、ユーミンとは何のつながりもなさそうだ。

(個人的には残念...

 

 

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