再検査の時、喉の粘膜の検査を先に行ったが、この結果はやはり陰性だった。しかし病院は、さらに管を使って肺の近くからたんを採取した。彼女はせきが出ないので、やむを得ずたんを吸い出す方法を採ったのだ。そしてこの検査で初めて陽性の判定が出た。
一方、いわゆる「無症状感染」の状態だった李さんは、PCR査の結果、喉の粘液もたんも全て陽性となった。
言葉の壁は
翻訳アプリを活用
日本は3月28日から4種の薬品の臨床治療を開始すると宣言した。そのうち富山化学工業が2014年に開発した流行性感冒治療薬「ファビピラビル」の効果が傑出し、ウイルスの増殖を防止し、病状改善の効果を見せた。
しかし、李夫妻の感染が確定したのは2月初めで、その時にはまだ有効な薬物治療が実証されてはいなかった。
「まだ感染が確定していなかった最初の頃は解熱剤と抗生物質の注射が続きましたが、確定してからはそういう治療は全て中止され、ただ陽性が陰性に変わるのを待っているだけのような感じでした」
董さんは当時の様子をこう振り返る。一方、李さんは入院中特に何の治療も受けていない。
2人は心配のあまり、医者を訪ねて、薬を出してほしいと希望した。ところが帰ってきた返事は「保健所の指導により、まず政府で公式に認可された特効薬がないこと、次に夫妻は軽症患者に属していることで、おふたりには薬の服用の必要がありません」ということだった。
夫妻は2つの部屋に分かれて入院していた。部屋は隣だったが、壁で隔てられているため、お互いの顔を見ることはできず、スマホで連絡を取り合った。