FC2ブログ

記事一覧

第6章 「おま☆かせ」機能で調声する

この章では、UTAUの「おま☆かせ」機能を使って簡単な調声(調教)を行う方法を解説します。

「はじめに/UTAUクイックスタートの使い方/目次」に戻る
前章:第5章 再生する/音が出ない場合の対処方法

UTAUは基本的にWAVEファイルを切り張りして歌声を作る為、ベタ打ち(音符を並べただけ)の状態では、VOCALOIDの様に滑らかに音を繋いで歌わせることができません。
その為、UTAUで滑らかに歌わせる為に必要な母音結合や、ポルタメント、ビブラート等の調声を簡単にできるようにした「おま☆かせ」機能の使い方を解説します。
※「調声」というのはVOCALOIDの「調教」に当たる言葉として捉えてください。

「おま☆かせ」機能の解説動画もご参照ください。(おま☆かせの説明はは4:27辺りから始まります)


6-1 「おま☆かせ」機能を起動する

6-1-1 先に調声したい範囲の音符を選択してから、メニューバーの「ツール」→「組み込みツール」→「おま☆かせ」を選択して、「おま☆かせ」設定画面を開いてください。

注意:音符が全て未選択の状態では「おま☆かせ」設定画面が開かないのでご注意ください。
※全ての音符に「おま☆かせ」機能で調声をしたい場合は、任意の1つ以上の音符を選択してください。「おま☆かせ」設定画面には全部の音符に調声を施すボタンが付いているので、必ずしも全ての音符を選択する必要はありません。
6-1-1.png
6-1-2.png


6-2 母音結合を設定する

母音結合とは、「か、さ」等の子音音符の終わり部分と、直後に来る「あ、い、う、え、お、ん」等の母音音符の先頭部分を重ね合わせる事によって、音のつながりを滑らかにするUTAU単独音音源用の調声方法です。

注意:連続音音源は音の繋ぎ方が単独音音源と異なりますので、「第9章 連続音音源を使用する」で調声方法を解説します。
連続音音源で「おま☆かせ」機能を使ってポルタメントやビブラートを調声したい場合は、「あいうえお」をまえの音につなげるよ!の左側にあるチェックボックスを外して、単独音音源用の母音結合が適用されないようにしてください。


「あ、い、う、え、お、ん」の6個のボタンの内、結合したい母音を押して、「あいうえお」をまえの音につなげるよ!の左側にあるチェックボックスを付けると、適用されます。(全ての母音について適用する事をお勧めします。また、「その他」のテキストボックスに母音を入力すると、適用する母音の種類を増やす事ができます。「を」を追加して置くと良いでしょう)

また、つなげる強度を「しっかり」「中くらい」「すこし」の3段階から選べます。使い分けは下記を参考にしてください。

しっかり : 「か」+「あ」という様に同種類の母音を結合する所に個別に適用すると良いでしょう。
中くらい : 基本的にはこれで問題ないです。
すこし  : テンポが速い曲、または短い音符を多用した高速歌唱の場合にお勧めします。

6-2-1.png

※専用の母音結合機能を使うとより細かい設定ができます。詳細はUTAU操作マニュアルの以下のページをご参照ください。
9−4.母音結合をするには


6-3 ポルタメントを設定する

ポルタメントとは、2音符間のピッチ(音程の高さ)の変化に時間をかける事によって、音のつながりを滑らかにする調声方法です。

「音程が上がるとき」と「音程が下がるとき」の左側のチェックボックスを付ける事により適用されます。基本的には音程が上がるときと下がるときの両方に適用してください。

調整できる項目には「かわりかたの形状」、「タイミング」、「かわりかたの速さ」の3種類があります。

かわりかたの形状
ラジオボタンで「まっすぐ」(直線形)と「カーブ」(S字カーブ)のどちらかを選びます。「カーブ」の方が滑らかになるので「カーブ」をお勧めします。

タイミング
「早い」は、前後の音符の境目で音程の変化が終了します。「真ん中」は音程が変化している時間が前後の音符で半々になります。「遅い」は前後の音符の境目で音程の変化が始まります。基本的には「真ん中」に設定して、特に声に表情(感情)を付けたい場合に、個別に「早い」「遅い」を設定してください。

かわりかたの速さ
テンポの速い曲や高速歌唱の場合は「はやい」が、バラード等のゆったりした曲は「中くらい」か「ゆっくり」が良いでしょう。特に声に表情(感情)を付けたい場合は、個別に設定してください。なお、この項目だけ、音程が上がるときと下がるときの共通に設定されます。

6-3-1.png

※専用のポルタメント調整機能を使うとより細かい設定ができます。詳細はUTAU操作マニュアルの以下のページをご参照ください。
12−3.Mode2でポルタメントを調整するには


6-4 ビブラートを設定する

ビブラートとは、ピッチ曲線を波立たせる事により、特に発音の後半部分を美しく響かせる調声方法です。

「声をふるわせるよ!」の左側にあるチェックボックスを付けると適用されます。

調整できる項目には「ふかさ」「はやさ」「ながさ」の3種類があります。

ふかさ
ピッチ曲線の振幅の深さを4段階に調整できます。実際のピッチ曲線の振幅は、わずか=10cent(半音の1/10)、あさく=20cent(半音の1/5)、ふつう=50cent(半音の1/2)、ふかく=70cent(半音の7/10)となります。
均一なビブラートが掛かるとかえって機械音っぽくなる為、まず全部の音符には浅めにかけて、後で語尾や特に強調したい音符だけ個別に深めにかけるようにすると良いでしょう。

はやさ
ピッチ曲線の周期を4段階に調整できます。基本的には「ふつう」に設定して、テンポが速い場合は「はやい」に、語尾に当たる長い音符に対しては後で個別に「おそい」「すごくおそい」に設定すると良いでしょう。

ながさ
音符の長さに対するビブラートのかかる割合を5段階に調整できます。実際の割合は、すこし=30%、はんぶん=50%、おおめ=65%、もっとおおめ=75%、ほとんど=90%となります。まずは全部の音符に「すこし」「はんぶん」に設定し、後で語尾に当たる長い音符に対して個別に「おおめ」「もっとおおめ」「ほとんど」に設定すると良いでしょう。

6-4-1.png

※専用のビブラート調整機能を使うとより細かい設定ができます。詳細はUTAU操作マニュアルの以下のページをご参照ください。
12−5.Mode2でビブラートを調整するには

※「おま☆かせ」設定画面の左下にある「モジュレーション 0」は、原音が持っている発音開始部分の音程の変化の度合いを調整する機能です。(VOCALOIDのベンドの深さの設定に相当するものです)

設定画面左下の「モジュレーション」の所で左クリックすると10%ずつ増加し、右クリックすると10%ずつ減少します。モジュレーション値が高いと音痴になりますので、基本的には0%のままにしておいてください。
連続音音源の場合は必ず0%に設定してください。
6-4-2.png

※「音符のプロパティ」画面より、1%単位で細かく設定する事もできます。詳細はUTAU操作マニュアルの以下のページをご参照ください。
7−2.「音符のプロパティ」画面の各種設定について


6-5 設定した調声を音符に反映させる

6-5-1 設定画面を開く際に選択した音符にのみ設定を反映させたい場合は、「選択部分だけ」ボタンをクリックしてください。
6-5-1.png

6-5-2 全ての音符に設定を反映させたい場合は、「全部」ボタンを押して下さい。下の様なポップアップ画面が出ますので、「はい」を押すと全ての音符に反映されます。
6-5-2.png

※「おま☆かせ」調声を中止したい場合は「キャンセル」をクリックして「おま☆かせ」画面を閉じてください。
※「最初にもどす」をクリックすると、「おま☆かせ」画面上の設定を初期状態に戻します。音符に調声内容を反映させたのを反映させる前に戻したい場合はメニューバーの「編集」より、「おま☆かせを元に戻す」を選ぶか、ショートカットキーの「Ctrl」+「Z」キーを押してアンドゥを実行してください。


6-6 「おま☆かせ」の設定内容を保存する

おま☆かせ設定画面右上の「設定を保存」テキストボックスに、適当な保存名を入力し、「+」(プラス)ボタンを押すと、下の欄に現在の設定を保存する事が出来ます。

保存した設定を呼び出す場合は、下の欄から保存名をクリックしてください。
保存した設定を削除する場合は、 下の欄から保存名をクリックしてから、「-」(マイナス)ボタンを押してください。
6-6-1.png


次章:第7章 歌声をWavファイルに書き出す/UTAU用プロジェクトファイル(USTファイル)を保存する
「はじめに/UTAUクイックスタートの使い方/目次」に戻る
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント