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第5章 再生する/音が出ない場合の対処方法

この章では、UTAUで歌声を再生する方法と、再生できない場合の対処方法を解説します。

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前章:第4章 MIDI/VSQファイルをインポートする

5-1 歌声を再生/一時停止/中止する

5-1-1 歌声を再生する

先に再生したい範囲の音符を全て選択状態(ピンク色)にしてから、UTAUメイン画面上部にある再生ボタンをクリックしてください。レンダリング処理を実行するコマンドプロンプト画面が開きますので、触らずにそのままお待ちください。
レンダリングが終了すると、再生が始まります。
再生ボタンをクリックする代わりにショートカットキーの「F5」キーを押してもOKです。
5-1-1.png

注意1:UTAUの仕様上、音符が全て未選択(青色)の状態では、再生ボタンをクリックしてもレンダリング、再生はできません。必ず先に再生したい範囲の音符を全て選択してください。

注意2:UTAUは先に選択範囲の音符すべてのレンダリング処理を実行してから再生を始めるため、再生が始まるまでに時間がかかります。CPUの性能にも拠りますが、再生時間と同等、あるいは再生時間よりも長くレンダリング処理に時間がかかる場合があります。最初に再生する時は1フレーズずつ小まめに音符を選択して再生した方が良いです。2回目以降の再生ではキャッシュを利用してレンダリング処理を行うため、待ち時間は短くなります。

※全ての音符、休符Rを選択したい場合は、メニューバーの「編集」より「全て選択」を選択するか、ショートカットキーの「Ctrl」+「A」キーを押してください。また、「始音から終音まで選択」を選択するか、ショートカットキーの「Ctrl」+「W」キーを押すと、始めと終わりの休符Rを除いて、先頭の音符からレンダリング処理を行うため、再生の開始が早くなります。
5-1-1-2.png

5-1-2 再生を一時停止する

再生を一時停止したい場合は、一時停止ボタンをクリック、またはショートカットキーの「F6」キーを押してください。再度再生ボタンをクリックすると、一時停止した場所から再生されます。
5-1-2.png

5-1-3 再生を中止する

再生を中止したい場合は、停止ボタンをクリック、またはショートカットキーの「F7」キーを押してください。再度再生ボタンをクリックすると、最初から再生されます。
5-1-3.png

5-1-4 一回再生した箇所をもう一度再生する

一回再生した箇所をもう一度再生させたい場合は、メニューバーの「再生」→「もう一度再生」を選択するか、ショートカットキーの「Shift」+「F5」キーを押してください。最初に再生した際に作成されたキャッシュを利用する為、即座に再生できます。
5-1-4.png


5-2 音が抜ける、再生できない場合の対処方法

※繰り返しになりますが、UTAUは音符が全て未選択(青色)の状態では、再生ボタンをクリックしてもレンダリング、再生はできません。必ず先に再生したい範囲の音符を全て選択してください。

5-2-1 一部の音符の音が抜ける場合の対処方法

原因1.音符に入力した歌詞に該当する原音そのものが存在しない

UTAU音源によって、収録されている原音の種類は異なっています。特に「ヴ」「てぃ」等の使用頻度の低い音は音源によっては収録されていない場合があります。(比較的使用頻度の高い「を」も持っていない音源もあるので注意)
UTAU音源に収録されている原音の種類は、メニューバーの「表示」より「音リストを表示」を選択して表示されるリストで確認できます。リストにない音は、発音の近い音で代用してください。
5-2-1-1.png

※特に容量の大きいUTAU音源ファイルについては、ダウンロード時のトラブルにより、一部(または大部分)のWavファイルが欠落してしまう場合があります。上記のリストで確認して、音素が欠落している場合は音源をダウンロード・インストールし直してください。

原因2.prefix.mapで指定している高音・低音が存在しない

UTAUにはprefix.mapファイルの設定に従い、音程の高さによって高音/低音用wavファイル(「あ↑」「あ↓」等と名付けられているwavファイル)を自動的に使い分ける機能があります。ただし、音源によっては全ての原音に高音/低音用wavファイルがそろっていない場合があるため、prefix.mapファイルが存在しない原音を指定して、音抜けが生じる場合がありますので、以下の方法で音抜けしないように設定してください。

メニューバーの「ツール」より「オプション」を選択し、オプション画面の「レンダリング」タブを開き、「レンダリング時にファイルの存在チェックを行い、なるべく音抜けしないようにする。(遅くなります)」にチェックを入れてください。最後に「OK」をクリックしてオプション画面を閉じてください。
5-2-1-2.png

prefix.mapについての詳細は、UTAU操作マニュアルの以下のページをご参照ください。
13−1.音程別ファイルを自動的に使い分けるには(prefixmap機能)

5-2-2 全く再生ができない場合の対処方法

原因1.プロジェクトの設定にて、標準(resampler.exe)以外の音声合成エンジンが指定されている

UTAUの音声合成エンジンは、標準では付属の「resampler.exe」を使用しますが、resampler.exe以外のUTAU用音声合成エンジンも公開されていて、プロジェクトの設定で音声合成エンジンのパスを指定するだけで使用できます。
プロジェクトの設定でresampler.exe以外のエンジンが指定されていて、そのエンジンが存在しない場合はレンダリング、再生が出来なくなりますので、以下の方法で標準のresampler.exeを指定してください。
※特に他の人が作成、配布されているUSTファイルを使う場合にご注意ください。

メニューバーの「プロジェクト」より「プロジェクトのプロパティ」を選択して、「プロジェクトの設定」画面を開き、画面右下の「ツールを初期化」ボタンをクリックしてください。
ツール2(resample)の表示が「resampler.exe」に変わったことを確認したら、「OK」をクリックして「プロジェクトの設定」画面を閉じてください。
5-2-2-1.png

※ツール2(resample)の表示は手入力でも変更可能です。resampler.exeの入っているフォルダ(64bitOSなら(C:\Program File(x86)\UTAU)、32bitOSなら(C:\Program File\UTAU))にresampler.exe以外のUTAU用音声合成エンジンを入れて、エンジンの実行ファイル名を入れると使えるようになります。
※resampler.exe以外のUTAU用音声合成エンジンの配布場所について知りたい方は、以下のサイトをご参照ください。
UTAU ユーザー互助会@ ウィキ:UTAU用エンジン
https://www20.atwiki.jp/utaou/pages/65.html

原因2.ウィルスバスター等の総合セキュリティソフトの問題

ウィルスバスター等の総合セキュリティソフトの不正変更の監視機能により、外部プログラムのtemp.batやtemp_helper.batの実行が制限され、WAV生成が出来なくなる場合があります。
対処方法として、以下のどちらかの設定方法でresampler.exeの代わりにresampler.dllを使ってレンダリングするように設定してください。

設定方法その1.メニューバーの「プロジェクト」→「プロジェクトのプロパティ」を選択して、「プロジェクトの設定」画面を開き、「resampler.dllを使用する」にチェックを入れてください。
5-2-2-2-1.png

設定方法その2.メニューバーの「ツール」→「オプション」を選択して、「オプション」画面の「レンダリング」タブを開き、「レンダリングにresampler.dllを使用する」にチェックを入れてください。
5-2-2-2-2.png

注意: 「プロジェクトの設定」画面で設定しても、プロジェクトには保存されずに、「オプション」画面で設定するのと同じくUTAUアプリ全体の設定として保存されます。

※resampler.dllでレンダリング処理を行う場合は、コマンドプロンプト画面は表示されません。代わりに処理の進捗を示すプログレスバーがUTAUメイン面画上部に表示されます。
5-2-2-2-3.png


次章:第6章 「おま☆かせ」機能で調声する
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