第3章 音符、休符「R」、歌詞を入力する/テンポを設定する
- 2037/05/01
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この章では、UTAUエディタに音符や休符R、歌詞を入力する方法と、テンポを設定する方法を解説します。
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前章:第2章 デフォルト以外のUTAU音源をインストールする/使用する音源を選択する
※UTAUはVOCALOIDやMIDIエディタと比べて音符(ノート)の入力方法が異なります(下画像のように休符用ノート「R」の挿入が必要など)。MIDIファイルやVSQ/VSQXファイルを作成できる方は先に次章の「第4章 MIDI/VSQファイルをインポートする」をお読みいただき、インポート機能で音符を入力してから本章の手順で歌詞を入力した方が効率的です。
文章や画像だけでは一部分かりにくい部分があるため、以下の解説動画もご参照ください。動画で使用しているUTAUのバージョンは0.2.33の古いものですが、音符と休符R、歌詞の入力方法は同じです。
3-1 音符(ノート)を入力する
3-1-1 メニューバーの下にある「Length」のリストボックスから、入力したいデフォルトの音符の長さを選択してください。
3-1-2 メニューバーの下にある「Quantize」のリストボックスから、入力する音符の長さの調整単位を選択してください。音符入力時は曲中の一番短い音符の長さを選択すると良いでしょう。
また、UTAUやVOCALOID等の歌声合成では、語尾の音符の長さは微調整した方が良いため、調声時には「32分音符」か「64分音符」に変えると良いと思います。
3-1-3 「Length」リストボックスの右横にある鉛筆ツールボタンをクリックして、ボタンが押された状態にしてください。ポインターを音符を入力する領域(白とグレーの横縞になっている領域)に移動させると、ポインターの形が鉛筆ツールに変わります。
3-1-4 UTAUメイン画面左端にある鍵盤を見て、入力したい音階の高さに合わせて鍵盤のすぐ右横の位置に鉛筆ツールの先端を合わせてクリックして、音符を入力してください。
※鍵盤に「C4」と表示されている箇所が「ド」の音階になります。「C5」「C6」と数字が大きいほどより高音の「ド」、「C3」「C2」と数字が小さいほどより低音の「ド」になります。
注意:UTAUエディタはVOCALOIDエディタやDomino等のMIDIエディタとは異なり、無音(休符)部分に空白を開けて音符(ノート)を入力することができません。代わりに休符を表す半角英大文字「R」が入力されたノートを入力する必要がありますが、休符Rの入力方法は後で説明しますので、まずは先に、音符が連続している範囲で音符を入力してください。
注意:鍵盤の下にある波型「~」ボタンが押されている状態の場合は、音符(ノート)のエンベロープ(VOCALOIDのダイナミクスに相当する音量の変化を設定するパラメータ)と音量、ピッチ曲線を表示するモードになります。この状態でも音符の入力と長さの調整は可能ですが、音符を上下にドラッグして音階を変えることが出来なくなる(上下にドラッグすると音量が変わる)為、音符入力時は「~」ボタンをクリックして「~」ボタンが押されていない状態にした方が良いでしょう。
3-1-5 続けて例としてD4の「レ」の高さに鉛筆ツールを合わせてクリックして入力します。「ド」以外の音階については、ポインターを該当の音階の高さに合わせた時だけ、鍵盤に「D4」というように音階が青文字で表示されます。以降も音符が連続する範囲で同様に入力を繰り返してください。
3-1-6 「Length」のリストボックスで指定した長さとは異なる長さの音符を入力する場合は、鉛筆ツールを音符を入力したい場所に合わせて、マウスの左ボタンを押したままにすると、黒枠で入力する音符が表示されますので、左右にドラッグして、黒枠が入力したい音符の長さになった所でマウスの左ボタンを放す(ドロップする)と、任意の長さの音符が入力できます。音符の長さの調整単位は「Quantize」で指定した長さになります。
3-1-7 音符の入力を取り消したいなど、アンドゥの操作をしたい場合は、「編集」より「(直前に行った操作内容)を元に戻す」を選択するか、ショートカットキーの「Ctrl」+「Z」を押してください。また、アンドゥを行ってから、アンドゥを行う直前の状態に戻したい(リドゥしたい)場合は、「編集」より「(直前に行った操作内容)をやり直す」を選択するか、ショートカットキーの「Ctrl」+「shift」+「Z」を押してください。
注意:例の下の画像では、アンドゥは「ノートの変更を元に戻す」、リドゥは「やり直す」という表記ですが、直前に行った操作内容により、編集メニューに表示される表記は変わります。また、リドゥはアンドゥを1度も行っていない場合は編集メニューではグレーアウトで表示されて選択できないようになっています。
※UTAUでは無限アンドゥ・リドゥができます。ただし、実際はメモリ容量による限界があります。操作内容にも因るので具体的な限度の回数は不明ですが、十数回程度であれば問題ないと思われます。
3-2 休符「R」を入力する
UTAUエディタはVOCALOIDエディタやDomino等のMIDIエディタとは異なり、無音(休符)部分に空白を開けて音符(ノート)を入力することができません。代わりに休符を表す半角英大文字「R」が入力されたノートを入力する必要があるので、休符「R」の入力方法を解説します。
3-2-1 「Length」リストボックスの右横にある矢印ポインターボタンをクリックしてをクリックして、矢印ポインターボタンが押された状態にしてください。代わりに鉛筆ツールボタンが押されていない状態になります。
3-2-2 メニューバーの下にある「Length」のリストボックスから、入力したい休符「R」の長さを選択してください。
3-2-3 先頭に休符「R」を挿入したい場合は、先頭の音符をクリックして選択状態にしてください。音符は未選択状態は青色、選択状態はピンク色になります。
3-2-4 鉛筆ツールボタンのすぐ右下にある「R」ボタン(Rを挿入ボタン)を、休符Rを挿入したい数だけクリックしてください。
3-2-5 先頭に休符Rが挿入されます。休符Rは未選択状態は白色、選択状態は灰色になります。
3-2-6 音符と音符の間に休符Rを挿入したい場合は、休符Rを挿入したい場所にある音符を選択状態にしてから、「R」ボタンをクリックしてください。
3-2-7 最後尾に休符Rを付けたい場合は、音符のないところで右クリックして、「選択解除」を選択し、全ての音符を未選択(青色)状態にしてから「R」ボタンをクリックしてください。
3-3 音符/休符Rの長さを変更する
3-3-1 メニューバーの下にある「Quantize」のリストボックスから、音符/休符Rの長さの調整単位を選択してください。UTAUやVOCALOID等の歌声合成では、語尾の音符の長さは微調整した方が良いため、調声時には「32分音符」か「64分音符」に変えると良いと思います。
3-3-2 長さを調整したい音符を選択して、音符の右端にカーソルを合わせると、両矢印(⇔)が表示されますので、右にドラッグすることで右隣にある休符Rの範囲内で(次の音符が始まる所まで)音符を伸ばすことができます。右側に音符がない場合は、最大4小節分(全音符の4倍)の長さまで音符を伸ばせます。
3-3-3 反対に左にドラッグすると音符が短くなります。(その分右隣にある休符Rが伸びます。右隣が音符の場合は自動的に休符Rが挿入されます。)
3-3-4 手前に休符Rがある場合は音符の左端にカーソルを合わせて、「Ctrl」キーを押しながら左にドラッグすることで、左側へ音符を伸ばすことが可能です。
反対に、「Ctrl」キーを押しながら右にドラッグすることで、手前の休符Rを伸ばして、その分音符を短くすることも可能です。
3-3-5 休符Rとその次の音符の間にカーソルを合わせて、「Shift」キーを押しながら左にドラッグすることで、休符Rを短くして、その分、右側にある音符の位置を全て手前にずらすことが可能です。
反対に、「Shift」キーを押しながら右にドラッグすることで、休符Rを伸ばして、その分、右側にある音符の位置を全て後ろにずらすことが可能です。
3-3-6 音符と音符の間にカーソルを合わせて、「Ctrl」キーを押しながら左右にドラッグすることで、前後の音符の長さを変更することが可能です。
右にドラックすれば手前の音符が伸びて、その分後ろの音符が短くなります。反対に、左にドラックすると、手前の音符が短くなり、その分後ろの音符が伸びます。
3-3-7 音符と音符の間にカーソルを合わせて、「Shift」キーを押しながら左右にドラッグすることで、手前の音符の長さを変更して、その分後ろ全ての音符の位置をずらすことが可能です。
右にドラックすれば手前の音符が伸びて、その分後ろ全ての音符の位置が後ろにずれます。反対に、左にドラックすると、手前の音符が短くなり、その分後ろ全ての音符の位置が手前にずれます。
3-4 音符、休符Rを削除する
3-4-1 削除したい音符、休符Rをすべて選択してから、右クリックメニューより「削除」を選択して音符、休符Rを削除します。
ショートカットキーで「Shift」+「Delete」キーを押して削除することも可能です。
注意:UTAUの仕様上、音符を削除するとその後ろにある音符全てが前に詰められます。後ろの音符を前に動かしたくない場合は、次に解説する音符を休符Rに置き換える方法で対応してください。
3-4-2 音符をダブルクリックして半角英大文字「R」を入力すると、音符を休符Rに置き換えることができます。削除したい音符の後ろにある音符を現在の位置から動かしたくない場合にご使用ください。反対に、休符Rをダブルクリックして歌詞を入力し、休符Rを音符に置き換えることも可能です。
3-5 音符の音階の高さを変更する
3-5-1 音符を1つ選択して上下方向にドラッグすると、下画像のように長方形の黒い枠が移動しますので、画面左端の鍵盤を見て、変更したい音階の高さに黒い枠を移動させてドロップしてください。
3-5-2 音符を複数選択して変更する場合は、下画像のように移動する音符が全て青枠で囲まれて表示されます。
注意:鍵盤の下にある波型「~」ボタンが押されている状態の場合は、音符(ノート)のエンベロープと音量、ピッチ曲線を表示するモードになります。この状態では音符を上下にドラッグして音階を変えることが出来なくなる(上下にドラッグすると音量が変わる)為、「~」ボタンが押されている場合は「~」ボタンをクリックして「~」ボタンが押されていない状態にしてください。
※音符をドラッグする以外にも、移動量を数値で入力する方法もあります。詳細はUTAU操作マニュアルの以下のページをご参照ください。
2−4.音符の音程を変更するには
3-6 歌詞を入力する
3-6-1 歌詞を入力(または変更)したい音符をダブルクリックすると、歌詞が入力できるようになりますので、歌詞を入力してEnterキーを押してください。
UTAUでは以下の方法で複数の音符に歌詞を流し込むことができます。
3-6-2 UTAUメイン画面上部にある「Lyric」ボックスに歌詞を入力し、歌詞を流し込みたい音符をすべて選択してから、「Lyric」ボックスの右隣にある「歌詞を置換」ボタンをクリックしてください。
※「Lyric」ボックスをダブルクリックすると、歌詞入力画面が開きます。一度に多くの文字数を入力したい場合にお使いください。
※「R R R R」というように、「Lyric」ボックスに半角英大文字の「R」を半角スペースを挟んで複数入力してから「歌詞を置換」ボタンをクリックすると、複数の音符を休符Rに置換することができます。半角スペースを挟まないで「R」を連続入力すると、複数のRが繋がったまま1つの音符に入力されてしまうのでご注意ください。(UTAUはローマ字や英語での入力にも対応するため、アルファベットは半角スペースを入れないと、連続して1つの音符に入力される仕様になっています。)
次に、VOCALOIDと同様に、先頭の音符のみを選択して歌詞を流し込めるようにする為の設定方法を解説します。
3-6-3 メニューバーの「ツール」より「オプション」を選択して、オプション画面を開いてください。
3-6-4 「全般」タブを選択し、「全般」タブの中にある「編集」タブを選択してください。オプション画面の中央にある「歌詞流し込み時に選択範囲解除を行わない」のチェックボックスにチェックを入れてください。チェックを入れたら「OK」をクリックしてオプション画面を閉じてください。
なお、「エンターで歌詞変更」にチェックを入れると、ダブルクリックの代わりに、音符を選択してEnterキーを押して歌詞を変更できるようになります。(複数選択時は先頭の音符の歌詞を変更できます)
3-6-5 「Lyric」ボックスに歌詞を入力し、歌詞を流し込みたい範囲の先頭にある音符を選択して、「歌詞を置換」ボタンをクリックすると、「Lyric」ボックスに入力した歌詞が流し込まれます。なお、歌詞が流し込まれた音符はすべて選択状態に変わります。
3-6-6 促音や長音などの歌詞を入力する際の注意点
UTAUでは促音(小さい「っ」)は基本的には無音として表現する為、本来は代わりに休符Rを入れる事になりますが、促音のような存在しない音源は無音として扱われるため、下画像の様に小さい「っ」をそのまま入力しても問題ありません。
また、「がっこう(学校)」は「がっこー」というように長音の発音になりますが、音符が2つに分かれる場合は後ろの音符には該当する母音(「こ」の場合は「お」)を入れてください。
なお、「がっこうは」の「は」は「わ」というように、実際の発音の歌詞を入力してください。
3-6-7 以下の画像のように、「Lyric」ボックスに歌詞を入力してから「歌詞で挿入」ボタンをクリックすると、C4(ド)の音程に歌詞入りの音符を入力することができます。入力される音符の長さは「Length」のリストボックスで選択されているものになります。
歌詞の代わりに英大文字の「R」を入力すれば休符Rも一緒に入力できますが、連続して複数の休符Rを入力したい場合はRとRの間に半角スペースを入れてください。
3-7 音符・休符Rをコピー/切り取り/貼り付けする
コピーしたい、または切り取りたい音符/休符Rを選択し、メニューバーの「編集」より「コピー」または「切り取り」を選択後に、「貼り付け」を選択して貼り付けが可能です。
他のソフトウェアと同様に以下のショートカットキーにて操作可能です。
コピー : 「Ctrl」+「C」キー
切り取り: 「Ctrl」+「X」キー
貼り付け: 「Ctrl」+「V」キー
※音符/休符Rが張り付けられる場所は、「貼り付け」を実行する前に選択した音符または休符Rの直前になります。
先頭に張り付けたい場合は先頭の音符を選択してしてください。
最後尾に張り付けたい場合は、音符入力画面上の何もない所をクリックして、全ての音符を未選択状態にしてください。
3-8 テンポを設定する
3-8-1 UTAUのデフォルトのグローバルテンポ(曲全体のテンポ)は120に設定されています。グローバルテンポを変更したい場合は、テンポ表示欄をクリックすると、「全体のテンポの変更」画面が出ますので、数値を入力して「OK」をクリックしてください。
注意:テンポは小数点第2位まで入力が可能ですが、整数部分が3桁(100以上)のテンポは表示欄には小数点第1位までしか表示されない為、音源名表示欄の右隣に青色で表示されているテンポを確認してください。
曲の途中でテンポを変更したい場合は、以下の操作を実施してください。
3-8-2 テンポを変更したい場所にある音符または休符R(例として「え」)を選択し、画面上部(青色でテンポが表示されている所と同じ高さ)にあるグレーの横棒を右クリックして、「テンポ」を選択してください。
※音符または休符Rを右クリックして「テンポ」を選択してもOKです。
3-8-3 「テンポの設定」画面にてテンポを入力し、「OK」をクリックしてください。
3-8-4 テンポを変更した音符の上部に赤字で変更後のテンポが表示されます。以下の画像の例では、先頭の「か」がグローバルテンポの「120」、次の「え」とそれ以降の音符が「80」のテンポになります。
3-9 音符入力画面を3拍子表示に変更する
メニューバーの「表示」より「3拍子」を選択すると三拍毎にピンクの縦線が表示されます。4拍子表示に戻すには、「表示」より「4拍子」を選択してください。
注意:3拍子表示の設定はUTAUのプロジェクトファイル(ustファイル)には保存できません。UTAUを再起動すると4拍子表示に戻りますので、再度設定し直してください。
次章:第4章 MIDI/VSQファイルをインポートする
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※UTAUはVOCALOIDやMIDIエディタと比べて音符(ノート)の入力方法が異なります(下画像のように休符用ノート「R」の挿入が必要など)。MIDIファイルやVSQ/VSQXファイルを作成できる方は先に次章の「第4章 MIDI/VSQファイルをインポートする」をお読みいただき、インポート機能で音符を入力してから本章の手順で歌詞を入力した方が効率的です。
文章や画像だけでは一部分かりにくい部分があるため、以下の解説動画もご参照ください。動画で使用しているUTAUのバージョンは0.2.33の古いものですが、音符と休符R、歌詞の入力方法は同じです。
3-1 音符(ノート)を入力する
3-1-1 メニューバーの下にある「Length」のリストボックスから、入力したいデフォルトの音符の長さを選択してください。
3-1-2 メニューバーの下にある「Quantize」のリストボックスから、入力する音符の長さの調整単位を選択してください。音符入力時は曲中の一番短い音符の長さを選択すると良いでしょう。
また、UTAUやVOCALOID等の歌声合成では、語尾の音符の長さは微調整した方が良いため、調声時には「32分音符」か「64分音符」に変えると良いと思います。
3-1-3 「Length」リストボックスの右横にある鉛筆ツールボタンをクリックして、ボタンが押された状態にしてください。ポインターを音符を入力する領域(白とグレーの横縞になっている領域)に移動させると、ポインターの形が鉛筆ツールに変わります。
3-1-4 UTAUメイン画面左端にある鍵盤を見て、入力したい音階の高さに合わせて鍵盤のすぐ右横の位置に鉛筆ツールの先端を合わせてクリックして、音符を入力してください。
※鍵盤に「C4」と表示されている箇所が「ド」の音階になります。「C5」「C6」と数字が大きいほどより高音の「ド」、「C3」「C2」と数字が小さいほどより低音の「ド」になります。
注意:UTAUエディタはVOCALOIDエディタやDomino等のMIDIエディタとは異なり、無音(休符)部分に空白を開けて音符(ノート)を入力することができません。代わりに休符を表す半角英大文字「R」が入力されたノートを入力する必要がありますが、休符Rの入力方法は後で説明しますので、まずは先に、音符が連続している範囲で音符を入力してください。
注意:鍵盤の下にある波型「~」ボタンが押されている状態の場合は、音符(ノート)のエンベロープ(VOCALOIDのダイナミクスに相当する音量の変化を設定するパラメータ)と音量、ピッチ曲線を表示するモードになります。この状態でも音符の入力と長さの調整は可能ですが、音符を上下にドラッグして音階を変えることが出来なくなる(上下にドラッグすると音量が変わる)為、音符入力時は「~」ボタンをクリックして「~」ボタンが押されていない状態にした方が良いでしょう。
3-1-5 続けて例としてD4の「レ」の高さに鉛筆ツールを合わせてクリックして入力します。「ド」以外の音階については、ポインターを該当の音階の高さに合わせた時だけ、鍵盤に「D4」というように音階が青文字で表示されます。以降も音符が連続する範囲で同様に入力を繰り返してください。
3-1-6 「Length」のリストボックスで指定した長さとは異なる長さの音符を入力する場合は、鉛筆ツールを音符を入力したい場所に合わせて、マウスの左ボタンを押したままにすると、黒枠で入力する音符が表示されますので、左右にドラッグして、黒枠が入力したい音符の長さになった所でマウスの左ボタンを放す(ドロップする)と、任意の長さの音符が入力できます。音符の長さの調整単位は「Quantize」で指定した長さになります。
3-1-7 音符の入力を取り消したいなど、アンドゥの操作をしたい場合は、「編集」より「(直前に行った操作内容)を元に戻す」を選択するか、ショートカットキーの「Ctrl」+「Z」を押してください。また、アンドゥを行ってから、アンドゥを行う直前の状態に戻したい(リドゥしたい)場合は、「編集」より「(直前に行った操作内容)をやり直す」を選択するか、ショートカットキーの「Ctrl」+「shift」+「Z」を押してください。
注意:例の下の画像では、アンドゥは「ノートの変更を元に戻す」、リドゥは「やり直す」という表記ですが、直前に行った操作内容により、編集メニューに表示される表記は変わります。また、リドゥはアンドゥを1度も行っていない場合は編集メニューではグレーアウトで表示されて選択できないようになっています。
※UTAUでは無限アンドゥ・リドゥができます。ただし、実際はメモリ容量による限界があります。操作内容にも因るので具体的な限度の回数は不明ですが、十数回程度であれば問題ないと思われます。
3-2 休符「R」を入力する
UTAUエディタはVOCALOIDエディタやDomino等のMIDIエディタとは異なり、無音(休符)部分に空白を開けて音符(ノート)を入力することができません。代わりに休符を表す半角英大文字「R」が入力されたノートを入力する必要があるので、休符「R」の入力方法を解説します。
3-2-1 「Length」リストボックスの右横にある矢印ポインターボタンをクリックしてをクリックして、矢印ポインターボタンが押された状態にしてください。代わりに鉛筆ツールボタンが押されていない状態になります。
3-2-2 メニューバーの下にある「Length」のリストボックスから、入力したい休符「R」の長さを選択してください。
3-2-3 先頭に休符「R」を挿入したい場合は、先頭の音符をクリックして選択状態にしてください。音符は未選択状態は青色、選択状態はピンク色になります。
3-2-4 鉛筆ツールボタンのすぐ右下にある「R」ボタン(Rを挿入ボタン)を、休符Rを挿入したい数だけクリックしてください。
3-2-5 先頭に休符Rが挿入されます。休符Rは未選択状態は白色、選択状態は灰色になります。
3-2-6 音符と音符の間に休符Rを挿入したい場合は、休符Rを挿入したい場所にある音符を選択状態にしてから、「R」ボタンをクリックしてください。
3-2-7 最後尾に休符Rを付けたい場合は、音符のないところで右クリックして、「選択解除」を選択し、全ての音符を未選択(青色)状態にしてから「R」ボタンをクリックしてください。
3-3 音符/休符Rの長さを変更する
3-3-1 メニューバーの下にある「Quantize」のリストボックスから、音符/休符Rの長さの調整単位を選択してください。UTAUやVOCALOID等の歌声合成では、語尾の音符の長さは微調整した方が良いため、調声時には「32分音符」か「64分音符」に変えると良いと思います。
3-3-2 長さを調整したい音符を選択して、音符の右端にカーソルを合わせると、両矢印(⇔)が表示されますので、右にドラッグすることで右隣にある休符Rの範囲内で(次の音符が始まる所まで)音符を伸ばすことができます。右側に音符がない場合は、最大4小節分(全音符の4倍)の長さまで音符を伸ばせます。
3-3-3 反対に左にドラッグすると音符が短くなります。(その分右隣にある休符Rが伸びます。右隣が音符の場合は自動的に休符Rが挿入されます。)
3-3-4 手前に休符Rがある場合は音符の左端にカーソルを合わせて、「Ctrl」キーを押しながら左にドラッグすることで、左側へ音符を伸ばすことが可能です。
反対に、「Ctrl」キーを押しながら右にドラッグすることで、手前の休符Rを伸ばして、その分音符を短くすることも可能です。
3-3-5 休符Rとその次の音符の間にカーソルを合わせて、「Shift」キーを押しながら左にドラッグすることで、休符Rを短くして、その分、右側にある音符の位置を全て手前にずらすことが可能です。
反対に、「Shift」キーを押しながら右にドラッグすることで、休符Rを伸ばして、その分、右側にある音符の位置を全て後ろにずらすことが可能です。
3-3-6 音符と音符の間にカーソルを合わせて、「Ctrl」キーを押しながら左右にドラッグすることで、前後の音符の長さを変更することが可能です。
右にドラックすれば手前の音符が伸びて、その分後ろの音符が短くなります。反対に、左にドラックすると、手前の音符が短くなり、その分後ろの音符が伸びます。
3-3-7 音符と音符の間にカーソルを合わせて、「Shift」キーを押しながら左右にドラッグすることで、手前の音符の長さを変更して、その分後ろ全ての音符の位置をずらすことが可能です。
右にドラックすれば手前の音符が伸びて、その分後ろ全ての音符の位置が後ろにずれます。反対に、左にドラックすると、手前の音符が短くなり、その分後ろ全ての音符の位置が手前にずれます。
3-4 音符、休符Rを削除する
3-4-1 削除したい音符、休符Rをすべて選択してから、右クリックメニューより「削除」を選択して音符、休符Rを削除します。
ショートカットキーで「Shift」+「Delete」キーを押して削除することも可能です。
注意:UTAUの仕様上、音符を削除するとその後ろにある音符全てが前に詰められます。後ろの音符を前に動かしたくない場合は、次に解説する音符を休符Rに置き換える方法で対応してください。
3-4-2 音符をダブルクリックして半角英大文字「R」を入力すると、音符を休符Rに置き換えることができます。削除したい音符の後ろにある音符を現在の位置から動かしたくない場合にご使用ください。反対に、休符Rをダブルクリックして歌詞を入力し、休符Rを音符に置き換えることも可能です。
3-5 音符の音階の高さを変更する
3-5-1 音符を1つ選択して上下方向にドラッグすると、下画像のように長方形の黒い枠が移動しますので、画面左端の鍵盤を見て、変更したい音階の高さに黒い枠を移動させてドロップしてください。
3-5-2 音符を複数選択して変更する場合は、下画像のように移動する音符が全て青枠で囲まれて表示されます。
注意:鍵盤の下にある波型「~」ボタンが押されている状態の場合は、音符(ノート)のエンベロープと音量、ピッチ曲線を表示するモードになります。この状態では音符を上下にドラッグして音階を変えることが出来なくなる(上下にドラッグすると音量が変わる)為、「~」ボタンが押されている場合は「~」ボタンをクリックして「~」ボタンが押されていない状態にしてください。
※音符をドラッグする以外にも、移動量を数値で入力する方法もあります。詳細はUTAU操作マニュアルの以下のページをご参照ください。
2−4.音符の音程を変更するには
3-6 歌詞を入力する
3-6-1 歌詞を入力(または変更)したい音符をダブルクリックすると、歌詞が入力できるようになりますので、歌詞を入力してEnterキーを押してください。
UTAUでは以下の方法で複数の音符に歌詞を流し込むことができます。
3-6-2 UTAUメイン画面上部にある「Lyric」ボックスに歌詞を入力し、歌詞を流し込みたい音符をすべて選択してから、「Lyric」ボックスの右隣にある「歌詞を置換」ボタンをクリックしてください。
※「Lyric」ボックスをダブルクリックすると、歌詞入力画面が開きます。一度に多くの文字数を入力したい場合にお使いください。
※「R R R R」というように、「Lyric」ボックスに半角英大文字の「R」を半角スペースを挟んで複数入力してから「歌詞を置換」ボタンをクリックすると、複数の音符を休符Rに置換することができます。半角スペースを挟まないで「R」を連続入力すると、複数のRが繋がったまま1つの音符に入力されてしまうのでご注意ください。(UTAUはローマ字や英語での入力にも対応するため、アルファベットは半角スペースを入れないと、連続して1つの音符に入力される仕様になっています。)
次に、VOCALOIDと同様に、先頭の音符のみを選択して歌詞を流し込めるようにする為の設定方法を解説します。
3-6-3 メニューバーの「ツール」より「オプション」を選択して、オプション画面を開いてください。
3-6-4 「全般」タブを選択し、「全般」タブの中にある「編集」タブを選択してください。オプション画面の中央にある「歌詞流し込み時に選択範囲解除を行わない」のチェックボックスにチェックを入れてください。チェックを入れたら「OK」をクリックしてオプション画面を閉じてください。
なお、「エンターで歌詞変更」にチェックを入れると、ダブルクリックの代わりに、音符を選択してEnterキーを押して歌詞を変更できるようになります。(複数選択時は先頭の音符の歌詞を変更できます)
3-6-5 「Lyric」ボックスに歌詞を入力し、歌詞を流し込みたい範囲の先頭にある音符を選択して、「歌詞を置換」ボタンをクリックすると、「Lyric」ボックスに入力した歌詞が流し込まれます。なお、歌詞が流し込まれた音符はすべて選択状態に変わります。
3-6-6 促音や長音などの歌詞を入力する際の注意点
UTAUでは促音(小さい「っ」)は基本的には無音として表現する為、本来は代わりに休符Rを入れる事になりますが、促音のような存在しない音源は無音として扱われるため、下画像の様に小さい「っ」をそのまま入力しても問題ありません。
また、「がっこう(学校)」は「がっこー」というように長音の発音になりますが、音符が2つに分かれる場合は後ろの音符には該当する母音(「こ」の場合は「お」)を入れてください。
なお、「がっこうは」の「は」は「わ」というように、実際の発音の歌詞を入力してください。
3-6-7 以下の画像のように、「Lyric」ボックスに歌詞を入力してから「歌詞で挿入」ボタンをクリックすると、C4(ド)の音程に歌詞入りの音符を入力することができます。入力される音符の長さは「Length」のリストボックスで選択されているものになります。
歌詞の代わりに英大文字の「R」を入力すれば休符Rも一緒に入力できますが、連続して複数の休符Rを入力したい場合はRとRの間に半角スペースを入れてください。
3-7 音符・休符Rをコピー/切り取り/貼り付けする
コピーしたい、または切り取りたい音符/休符Rを選択し、メニューバーの「編集」より「コピー」または「切り取り」を選択後に、「貼り付け」を選択して貼り付けが可能です。
他のソフトウェアと同様に以下のショートカットキーにて操作可能です。
コピー : 「Ctrl」+「C」キー
切り取り: 「Ctrl」+「X」キー
貼り付け: 「Ctrl」+「V」キー
※音符/休符Rが張り付けられる場所は、「貼り付け」を実行する前に選択した音符または休符Rの直前になります。
先頭に張り付けたい場合は先頭の音符を選択してしてください。
最後尾に張り付けたい場合は、音符入力画面上の何もない所をクリックして、全ての音符を未選択状態にしてください。
3-8 テンポを設定する
3-8-1 UTAUのデフォルトのグローバルテンポ(曲全体のテンポ)は120に設定されています。グローバルテンポを変更したい場合は、テンポ表示欄をクリックすると、「全体のテンポの変更」画面が出ますので、数値を入力して「OK」をクリックしてください。
注意:テンポは小数点第2位まで入力が可能ですが、整数部分が3桁(100以上)のテンポは表示欄には小数点第1位までしか表示されない為、音源名表示欄の右隣に青色で表示されているテンポを確認してください。
曲の途中でテンポを変更したい場合は、以下の操作を実施してください。
3-8-2 テンポを変更したい場所にある音符または休符R(例として「え」)を選択し、画面上部(青色でテンポが表示されている所と同じ高さ)にあるグレーの横棒を右クリックして、「テンポ」を選択してください。
※音符または休符Rを右クリックして「テンポ」を選択してもOKです。
3-8-3 「テンポの設定」画面にてテンポを入力し、「OK」をクリックしてください。
3-8-4 テンポを変更した音符の上部に赤字で変更後のテンポが表示されます。以下の画像の例では、先頭の「か」がグローバルテンポの「120」、次の「え」とそれ以降の音符が「80」のテンポになります。
3-9 音符入力画面を3拍子表示に変更する
メニューバーの「表示」より「3拍子」を選択すると三拍毎にピンクの縦線が表示されます。4拍子表示に戻すには、「表示」より「4拍子」を選択してください。
注意:3拍子表示の設定はUTAUのプロジェクトファイル(ustファイル)には保存できません。UTAUを再起動すると4拍子表示に戻りますので、再度設定し直してください。
次章:第4章 MIDI/VSQファイルをインポートする
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