自力ではい上がれない…水難学会が検証した「ため池転落事故」が怖い
今年7月に大衡村の沼で親子3人が死亡した事故について大学教授らでつくる「水難学会」が検証した結果、現場の沼は自力では脱出できないことがわかった。
更新日: 2016年09月07日
今年7月に大衡村の沼で親子3人が死亡した事故について大学教授らでつくる「水難学会」が検証した結果、現場の沼は自力では脱出できないことがわかった。
更新日: 2016年09月07日
・水難学会はため池転落事故を検証
水難学会は6日、大崎市内で記者会見し、「一見安全そうに見える池ののり面は、大人が水中から上陸できない傾斜角度だった」と危険認識の不足を指摘した。
今年7月に大衡村の沼で親子3人が死亡した事故について大学教授らでつくる「水難学会」が検証した結果、現場の沼は自力では脱出できないことがわかった。
ため池に落ちると自力ではい上がることは難しく、不用意に近づかないよう注意を呼びかけました。
・3人が転落していずれも死亡した事故
事故は7月1日、大衡村の八志沼で発生。
釣りに来ていた隣の大崎市に住む36歳の父親と、9歳の長男、それに5歳の次男の3人が転落していずれも死亡しました。
釣りをしていた30代の父親と、小学生と幼稚園児の兄弟がおぼれて亡くなった。
・この事故の検証実験を行った
水難救助の専門家などで組織する水難学会(新潟県長岡市)は6日、大崎市内で事故調査結果を発表した。
学会の事故調査委員会は8月、事故現場近くで池に入った大人が自力で陸に戻れるか、子どもを陸に上げられるかなどの検証実験を行った。
コケが生えたりしているため滑りやすく、池に落ちた場合には自力ではい上がるのは難しいことがわかったということです。
・自力では滑ってはい上がれなかった
調査結果によると、八志沼ののり面はコンクリート製で傾斜が27度、水中部分は泥やこけで覆われていた。
子どもに見立てた重さ約18キロのポリタンクを上陸させる実験も失敗した。
30歳代後半の消防隊員が現場付近で事故と同様の状況で上陸を試みたが、滑ってはい上がれなかった。
・ため池での死亡事故は結構多い
ため池での死亡事故は、毎年、全国で20件から30件程度起きていて、およそ3分の1が釣りや水遊びなどの最中の事故だったということです。
ため池には不用意に近づかず、万が一着衣のままおぼれた場合は「必ず浮くので、そのまま助けを待ってほしい」と呼び掛けた。
沼を管理する大衡村では検証動画を活用して小中学校に注意を呼びかけることも検討している。
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