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トランプ氏、「TikTok」「WeChat」との取引禁止

更新日時
  • 米国在住者・企業に対し取引禁止、罰則も辞さぬ構え
  • テンセント株は香港市場で一時10%を超える下げ
Trump Widens China Tech Attack, Banning Tencent's WeChat, TikTok
Photographer: Ivan Abreu/Bloomberg

トランプ米大統領は6日、中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」および通信アプリの「微信(ウィーチャット)」が関わる取引を米国居住者が行うことを禁止する大統領令に署名した。禁止は45日後に発効する。米国民の個人情報が収集されることによる国家安全保障上のリスクを理由に挙げている。

  米大統領選挙まで90日を切り、世界のテクノロジー業界における中国の台頭を抑える取り組みを強化した格好だ。微信の親会社テンセント・ホールディングス(騰訊)は7日の香港株式市場で一時10%を超える下げとなった。

  トランプ大統領は、株式非上場のバイトダンス(北京字節跳動科技)が所有するティックトックの米企業への売却を求めている。ポンペオ米国務長官は5日、アプリ配信サービスを手掛ける米企業に対し、中国製のアプリを排除するよう呼び掛けていた。

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トランプ大統領

  大統領令はティックトックと微信、およびそれぞれを傘下に置く企業と発効後も取引を行う米国在住者ないし企業への罰則も辞さないとしているが、米当局者はテンセントおよびその子会社との取引で微信に関連するもの全てを阻止するが、テンセントとの他の取引を禁じるものではないと説明した。

  トランプ大統領は、「このデータ収集によって中国共産党が米国民の個人情報や機密情報の入手が可能になる恐れがある」と指摘。ティックトックによる情報収集は「中国が連邦政府の職員や契約者を認識し、その居場所を特定したり脅迫したりすることや、産業スパイ活動を行うことを可能にし得る」としている。 

  微信は支払いや電子商取引など多様な用途のある人気アプリ。世界で10億人以上が利用しており、微信との取引禁止は中国と米企業の取引に大きな影響を与える可能性がある。

  中国外務省の汪文斌報道官は北京で7日開いた定例記者会見で、米国の禁止措置についての質問に対し、「当該企業は米国での事業運営で市場原則と国際ルールを順守している」と回答。「米国の法律と規制に従っているにもかかわらず、米国は国家安全保障を口実に使い、国家権力を行使して米国以外の企業を抑圧している」とし、「まさに覇権主義的な行為だ」と反論した。

  ティックトックと微信の担当者にコメントを求めたが、現時点で応答はない。  

原題:Trump Widens China Tech Attack, Banning Tencent’s WeChat, TikTok(抜粋)

(中国外務省の記者会見を追加し更新します)
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