ソニーモバイルは2019-2020年冬春モデルとして、
- Xperia 5
- Xperia 8
の2機種を発表しました。
「Xperia 5」は「Xperia 1」から本体サイズがコンパクトになったハイエンドモデルで、Xperia 8(エクスペリア エイト)は性能と価格を抑えたミドルスペックモデルですね。
この記事では、「Xperia 8」を 実際に購入してカメラの性能や使用感などを徹底レビュー しています。
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Xperia 8 のカラーバリエーション
「Xperia 8」のカラーバリエーションは、
- ブラック
- ホワイト
- オレンジ
- ブルー
の4色。
ただし、UQモバイル版はブラックとホワイトの2色展開になっています。
ブラック
ホワイト
オレンジ
ブルー
Xperia 8 のスペック詳細
Xperia 8 | Xperia 5 | |
CPU | Snapdragon 630 | Snapdragon 855 |
外側カメラ | 約1,200万画素 約800万画素 |
約1,220万画素×3 |
内側カメラ | 約800万画素 | 約800万画素 |
ディスプレイ | 約6.0インチ(2,520×1,080) フルHD+ 液晶ディスプレイ |
約6.1インチ(2,520×1,080) フルHD+ 有機ELディスプレイ |
RAM / ROM | 4GB / 64GB | 6GB / 64GB |
SDカード | microSDXC(最大512GB) | microSDXC(最大512GB) |
電池容量 | 2,760mAh | 3,000mAh |
高さ×幅×厚さ | 約158x69x8.1(mm) | 約158x68x8.2(mm) |
重量 | 約170g | 約164g |
「Xperia 8」にはクアルコムの「Snapdragon 630」が搭載されていて、RAMは4GB。
アウトカメラには、約1,200万画素の広角カメラと約800万画素の望遠カメラが搭載され、インカメラは約800万画素のカメラになっています。
ハイエンドモデルの「Xperia 5」と比べると、ほぼ全ての性能がスペックダウンしていますね。
本体サイズはほぼ変わらないものの、アウトカメラがひとつ減っているところと、CPUがスペックダウンしているのが大きな変更点になります。
特に処理能力はかなり低くなってしまっているので、サクサク操作できるスマホが良かったり、ゲームを頻繁にプレイする人は注意して下さい。
Xperia 8 の便利機能
Xperia 8 の便利機能 | |
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | ✕:✕ |
赤外線通信 | ✕ |
ハイレゾ | 〇 |
ワイヤレス充電 | ✕ |
イヤホンジャック | 〇 |
Bluetooth | 〇 |
防水:防塵 | IPX5/8 : IP6X |
耐衝撃 | ✕ |
スピーカー | モノラルスピーカー |
生体認証 | 指紋認証センサー |
つづいて便利機能ですが、機能面は「Xperia 5」では利用できたワンセグ / フルセグが利用できなくなって、代わりにイヤホンジャックが復活しました。
最近は、ワンセグ / フルセグを利用しているという声をほとんど聞かなくなりましたが、スマホでテレビを観る習慣のある人は注意ですね。
Xperia 8 のカメラ性能レビュー
「Xperia 8」のアウトカメラには、
- 広角カメラ
- 望遠カメラ
の2つのカメラが搭載されていて、ユーザーはボタンひとつで簡単に撮影するレンズを切り替える事ができます。
普段は広角カメラで撮影をして、さらに全体的な写真が撮りたい場合に超広角カメラに切り替える感じですね。2つのカメラにはそれぞれにシーン判別のAI機能が搭載されていて、人物、夜景、風景など、13種類のシーンを判別してくれます。
撮影モードは、
- フォト
- ビデオ
- 背景ぼけ
- スローモーション
- パノラマ
- クリエイティブエフェクト
- マニュアル
の7種類。
マニュアルモードでは、ISO感度やシャッタースピード、ホワイトバランスなどを自由に設定した撮影も行えます。
撮影スピードが遅い
実際に「Xperia 8」のカメラで撮影していて、まず最初に感じた点は撮影スピードが遅いということ。
シャッターを押してから次の撮影ができるようになるまで1.5~3秒くらい でしょうか。
「Xperia 5」にもある欠点ですが、連続でシャッターを切る習慣がある人はストレスを感じるかもしれません。
特にHDRが機能している時や夜景撮影ではさらに撮影スピードが遅くなる傾向にあるので、もう少し短くなってくれると使いやすいなあと感じました。
昼間の撮影は自然なカラーバランスで綺麗
光量が多く、カメラがもっとも得意する昼間の撮影では自然なカラーバランスで綺麗な写真が撮れました。
シーンを識別するAIを搭載したスマホで撮影すると、空はより蒼く、樹々はより緑色が強調された写真になる事が多いですが、Xperiaシリーズのカメラは、良くも悪くも 見た目とほぼ同じカラーバランスの写真になる のが特徴ですね。
ただし、夕方になると暗い仕上がりになってしまうのが気になりました。
試しに「Xperia 5」と撮り比べてみましたが、
※クリックで拡大できます
けっこう違いますよね!
「Xperia 5」では超広角カメラがちょうど同じような特徴を持っているんですが、「Xperia 8」では広角カメラでも薄暗い環境に弱いようです。明らかに 肉眼で見るよりも暗い ので、夕方などにカメラを撮る習慣のある人は使いづらいかもしれません。
夜の撮影は白飛びが目立ちフリーズする事がある
続いて夜の撮影ですが、白飛びが目立ってしまって高画質とは言えないと思います。
夜の撮影はハイスペックモデルでも難しい環境なので、ミドルスペックからスタンダードモデルだと仕方がない部分ですけどね。
一応、夜の撮影も「Xperia 5」と撮り比べましたが、
※クリックで拡大できます
差は歴然ですよね。
「Xperia 8」のほうが性能が低いのは当然なんですが、4万円の差は偉大だなと感じました。
また、夜景を撮影していると処理が難しいのか フリーズする事が何回かありました。
20秒くらいすると、元通りに使えるようになったりするんですがかなり不便です。「Xperia 5」でも経験したんですが、ソフトウェアアップデートで改善されたりするんでしょうか・・・。
ズームは無劣化2倍が便利!最大5倍まで
※クリックで拡大できます
「Xperia 8」のアウトカメラは、ワンタッチで望遠レンズに切り替える事でほぼ無劣化の光学2倍ズームで撮影ができて、さらに最大5倍までのデジタルズーム撮影が行えます。
カメラ撮影をしていると、ほぼ劣化のない 2倍ズームにワンタッチで切り替えられるのはやっぱり使いやすい ですね。
2倍以降は倍率を上げるほど画質は落ちていくので、綺麗に残すならズームは3倍程度までがおすすめです。
料理の写真は薄暗い仕上がりになる
あまりカメラを使用しない人でも、SNS用に料理の写真は撮影するという人は多いですよね。
「Xperia 8」のカメラは、AIが料理を認識する事でより鮮やかに撮影できるようになっていますが、実際に撮影してみると見た目よりも暗い仕上がりになるのが気になりました。
特に、店内が薄暗いお店で撮影する時は注意ですね。
試しに、「AQUOS sense3」と撮り比べてみましたが、
※クリックで拡大できます
「AQUOS sense3」のほうが明るく美味しそうに撮影できていますよね。
料理の写真は明るく鮮やかに撮影できたほうが美味しそうに撮れるので、「Xperia 8」のカメラだと使いにくいなって印象。頻繁に料理を撮影したい人には向かないかなと思いました。
背景ぼけは画質の粗さが気になる
「Xperia 8」のアウトカメラには、被写体を強調させて背景をぼかす「ぼけ」モードがあります。
「Xperia 5」のぼけモードとは仕組みが違うらしく、手に取った「物」までぼかしてしまうような事はないので使いやすいなと思ったんですが、やっぱりちょっと 暗い仕上がりになるのと、画質が少し粗い のが気になりました。
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画質については価格を考慮すれば仕方がない部分かなと思いますが、ぼけの精度は良かっただけに少し勿体ない印象ですね。
インカメラの自撮り撮影は高画質で機能も充実
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「Xperia 8」には約800万画素のインカメラが搭載されていて、背景をぼかしたり輪郭や目の大きさを補正できる「ポートレートセルフィー」機能があります。
「ポートレートセルフィー」で補正できる項目は、
- 背景ぼけ
- 美肌
- 肌の明るさ
- 目の大きさ
- 輪郭補正
の5つ。
※クリックで拡大できます
それぞれに強弱を設定する事ができるので、かなり使いやすかったです。
画質もすごく良いので、自撮り写真を綺麗に撮りたい人や、細かな設定をしたい人におすすめですね。
Xperia 8 の特徴と使用レビュー
Xperia 8 のデザインとボタン配置
「Xperia 8」には、「Xperia 5」と同じ21:9の縦長デザインが採用されていて、背面には上から、
- フラッシュ/フォトライト
- アウトカメラ
- おサイフケータイ
が並んでいて、
ディスプレイ面には画面上部に左から、
- 通知LED
- 受話口/スピーカー
- 近接・明るさセンサー
- インカメラ
があります。
右側面には、
- 音量キー
- 電源キー
電源キーには指紋認証センサーも搭載されています。
左側面はSIMカードトレイのみ。
本体上部には、
- イヤホンジャック
- セカンドマイク
があって、
本体下部には左から、
- 送話口/マイク
- USB Type-C接続端子
- スピーカー
が並んでいます。
持った印象は「Xperia 5」とほぼ同じですね。指紋は付きにくい素材になっているので、ケースを付けなくても問題なく使用できると思います。
持ちやすいけどちょっと重い
「Xperia 8」は「Xperia 1」に比べればかなりコンパクトになって持ちやすくなりましたが、持った時にズシッとした重みは感じました。
170gはちょうど体感的に重く感じるかどうかの境目みたいな印象があるので、人によっては明確に「重い」と感じるかもしれません。
また、21:9の縦長デザインは動画を観ると映画と同じアスペクト比になるので没入感があって楽しいですが、長すぎる本体がデメリットに感じる人もいると思うので注意ですね。
マルチウィンドウが見やすくて便利
動画視聴やゲーム以外に「Xperia 8」を操作していて便利だと感じたのは「マルチウィンドウ」ですね。
- 地図+LINE
- 動画+Twitter
など、組み合わせる事でコンテンツがさらに便利になったり楽しくなるのでかなり活用しています。
マルチウィンドウ自体はほとんどのスマホで利用する事ができますが、画面を分割しても使いやすいのは縦長ディスプレイの「Xperia 8」ならではの特徴ですね。
指紋認証の精度は良いけど押し込みは好みが分かれる
「Xperia 8」には電源キーと一体型の指紋センサーが採用されていて、押し込む事で画面が点灯すると同時にロック解除をする事ができます。
指紋認証の精度は良いですが、使っていると電源キーを毎回押し込む動作がわずらわしく思うことがありました。
好みによると思いますが、「Xperia 5」のように指紋センサーに指を置くだけですぐにロック解除できたほうが便利だなと感じました。
操作中の反応はワンテンポ遅い
「Xperia 8」には処理能力の低いCPUが搭載されているので、やっぱりアプリの起動やネット検索などの動作は ハイエンドモデルと比べるとワンテンポ遅い です。
サクサク操作できるって感じではないので注意ですね。
ゲームも動作の軽いものであれば問題なくプレイできますが、高画質ゲームだと読み込みがかなり遅かったりカクつく事があると思います。
発熱はほとんど感じられない
「Xperia 8」は処理能力が控えめなCPUを搭載しているせいか、使用していて発熱を感じる事はほとんどありませんでした。
動画撮影やゲームをプレイ時に若干温かくなる事はありますが、「熱い」と感じるほどの発熱はないですね。
ハイエンドモデルでゲームをプレイすると40°くらいまでは熱くなるので、発熱が気になる人には最適かもしれません。
電池もちが良い
「Xperia 8」の電池容量は2,760mAhで、「Xperia 5」から240mAhも少なくなってしまいましたが、CPUが違うせいか「Xperia 5」と比べるとかなり電池もちが良くなっています。
朝100%にした充電は、適度に動画やゲームをしても家に帰ってくる夜7時ごろに確認して30~40%以上ある事が多く、ほとんど使わなかった日は50%以上残っている日もありました。
※体感なので、電池持ちの印象には個人差があります
現状、発売しているスマホの中でも電池もちは良いほうなので、スマホを選ぶ基準で「電池もちの良さ」を重視している人にもおすすめです。
Xperia 8 と Xperia 5 との違い
Xperia 8 は超広角カメラ非搭載のデュアルカメラ
「Xperia 8」と「Xperia 5」の大きな違いのひとつは、「Xperia 8」は広角カメラと望遠カメラのデュアルカメラ仕様になっているのに対して、「Xperia 5」はさらに超広角カメラを搭載したトリプルカメラ仕様になっている点です。
これにより、「Xperia 5」はワンタッチで切り替えるだけで、さらに広い画角の超広角撮影を行う事ができます。
Xperia 8 は処理能力が低い
「Xperia 8」と「Xperia 5」とではCPUに、
- Xperia 8:Snapdragon 630
- Xperia 5:Snapdragon 855
という違いがあり、「Xperia 5」のほうが高性能なCPUが搭載されています。
「Snapdragon 630」はかなり処理能力が低いのに対して、「Snapdragon 855」は最高レベルのCPUなので差は歴然ですね。
軽自動車と高級車くらいの違いがあるので、スマホをサクサク操作したい人や、ゲームをプレイする習慣のある人は「Xperia 5」のほうが圧倒的におすすめです。
Xperia 8 のほうがスピーカー性能が低い
「Xperia 8」には本体の上部と下部に2つのスピーカーが搭載されていますが、上のスピーカーは音が出ていないかかなり小さくなっていて、「Xperia 5」と比べると明らかにスピーカー性能が低いです。
性能が低いというよりはモノラルっぽい音になっているイメージですね。
「Xperia 8」はイヤホンジャックがあって便利だっただけに、スピーカーの性能が落とされていたのは残念でした。
Xperia 8 のベンチマークスコア
これは、実際に計測した「Xperia 8」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 8.0.2:108,601
- Geekbench 5.0.3:シングル 176 / マルチ 972
- Geekbench Compute:488
となりました。
ミドルスペックとは言えないくらい低い処理能力ですね。
できないというわけではありませんが、ゲームをプレイする場合には読み込みが遅かったり、動作が重くなる場合があると思うので注意して下さい。
Xperia 8 の付属品
「Xperia 8」に同梱されている付属品は、
- クイックスタートガイド
- お願いと注意事項
のみ。
本体を充電するのに必要な「USB Type-C ACアダプタ」は同梱されていないので、持っていない場合にはあらかじめ購入しておきましょう。
Xperia 8 の発売日と本体価格
au版 Xperia 8 SOV42の発売日と本体価格
au版「Xperia 8 SOV42」の発売日は2019年10月25日で、本体価格は59,040円(税込)。
本体代金を24回払いにして「かえトクプログラム」を利用する場合は39,790円にする事ができます。ただし、「かえトクプログラム」は特典の利用時に購入した本体を auに返却する必要がある ので注意して下さい。
UQモバイル版 Xperia 8 の発売日と本体価格
UQモバイル版の「Xperia 8」の発売日は2019年10月25日で、本体価格は43,560円(税込)。
現在UQモバイルでは機種代金割引を行っていて、新規・乗り換え(MNP)の場合は 7,920円の割引 が受けられます。
大手3キャリアと違って割引額は即値引きされ、購入した本体をUQモバイルに返却する必要もないので、「Xperia 8」を検討している場合はチェックしておきましょう。
ワイモバイル版 Xperia 8 の発売日と本体価格
ワイモバイル版の「Xperia 8」の発売日は2019年10月25日で、本体価格は54,000円(税込)。
現在ワイモバイルでは機種代金割引を行っていて、新規・乗り換え(MNP)の場合は18,216円、機種変更の場合は7,128円の割引が受けられます。
大手3キャリアと違って、一括の場合は即値引き、分割の場合は毎月の通信料金から割引され、購入した本体をワイモバイルに返却する必要もないので、「Xperia 8」を検討している場合はチェックしておきましょう。
Xperia 8 の評価と感想まとめ
ココがおすすめ
- 電池もちが良い
- 自撮り撮影は高画質で機能も充実
- 縦長ディスプレイで画面が見やすい
- 写真のカラーバランスが自然で綺麗
ココがいまいち
- スピーカー性能が低い
- 動画の手振れ補正がいまいち
- カメラの画質が全体的に暗い
- 操作中の反応はワンテンポ遅い
- カメラがフリーズする事がある