法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

自民党の算術

BS-TBSの報道番組『報道1930』で伊吹文明氏が下記のような算術を披露していたと話題になっていた。

別人の実況と比べても、よくわからない足し算の比喩をつかったことは事実らしい。


バカバカしい足し算と思って最初に連想したのは、東條英機の算術だった。

しかし間違っている足し算を正しいと認めさせる恐ろしさは、ジョージ・オーウェル1984』の二重思考そのものだ。
ジョージ・オーウェル『一九八四年[新訳版]』 絶望が誘う「二重思考」の社会|好書好日

支配に不都合な存在や事実はあらゆる記録から抹消され書き換えられて「なかったこと」になるからだ。そんな社会では、矛盾する二つの事柄を同時に信じるための「二重思考ダブルシンク)」が強いられる。2+2は4だが、党が5だと言えばそう思える——そんな荒唐無稽な状況を主人公は生きている。

さらに古典へ目をむければ、史記を引いた中国の故事成語「鹿を指して馬となす」というものもある。
鹿を指して馬となす(シカヲサシテウマトナス)とは - コトバンク

〔秦の趙高が鹿を二世皇帝に献じて馬であると披露すると、群臣は趙高の権勢をはばかって反対を唱えなかったという「史記秦始皇本紀」の故事から〕
自分の権勢をよいことに、矛盾したことを押し通す。また、人を愚弄する。白を黒という。