渋谷にPARCOが帰ってきた!
2016年に43年間の歴史に一時幕を閉じ、スリープ期間に入っていた渋谷PARCOが3年3ヶ月半の時を経て2019年11月22日(金)リニューアルオープンしました。
渋谷PARCOといえば渋谷を発展させたきっかけだと以前書きましたが、この街に文化をもたらしたPARCOが、また新たな時代を築きに帰ってきたというくらい、ジェンダーもカルチャーもファッションも混ざり合ってエネルギッシュなスポットになっています!
ポイント1:ジャパンカルチャー
リニューアルに向けた工事の間、『AKIRA』(大友克洋、1982年)の作中シーンが描かれたアートウォールも話題となりましたが、B1階に移転OPENしたGALLERY X(ギャラリーエックス)では現在AKIRAのインスタレーション展示を行っており、4階のパルコミュージアムトーキョーではまさしくそのアートウォールの展示が行われています。
また、6階には任天堂の直営ストア「Nintendo TOKYO」や「ポケモンセンター シブヤ」、モンスタハンターグッズもそろう「カプコンストアトーキョー」、少年ジャンプファン必見の「ジャンプショップ」が一堂に会し、日本のアニメ・ゲーム好きのみならず海外からの注目も集めそう。
ポイント2:ダイバーシティ
日本では珍しく戸籍上の性別が同一の二者の生活を支援する「パートナーシップ証明書」を発行している渋谷。
時代の流れもあり、渋谷PARCOでは各フロアでダイバーシティ、ジェンダーレスのムードを色濃く感じます。
たとえばファッションフロアはメンズとレディースでフロアが分かれていないので、より幅広い選択肢の中から欲しい服を探せます。
男女両方のトルソーを飾っているブランドもあり、今までレディース、もしくはメンズブランドに入りにくかったという方もストレスなくショッピングを楽しむことができそうです。
また、B1階のレストランフロアには居酒屋、イタリアン、韓国料理屋などに並んで、女装パフォーマーのブルボンヌさんがプロデュースするMIXバー「Campy! bar(キャンピーバー)」があり、ますます性への偏見が薄れていきそう。
ちなみにこのフロアは「CHAOS KITCHEN(カオスキッチン)」と名づけられており、ジビエと昆虫料理を提供する「米とサーカス」やレストランに紛れて前述のギャラリー(GALLERY X)、ユニオンレコードのようなショップ、占いなども共存しています。
今年2019年7月に惜しまれながら閉店したON THE CORNERが同フロアにて復活しているのも感慨深い。
ポイント3:アートの発信力
繰り返しになりますが、PARCOといえば渋谷に文化をもたらした存在。
その所以ともいえる、ミニシアターや劇場、ギャラリーが8階に並びます。
まず、かつて渋谷PARCO part3に存在した映画館「シネクイント」(現在は別のビルに入居)が「ホワイト シネクイント(WHITE CINE QUINTO)」として復活。
「来場すること自体がイベントとなるミニシアター」をコンセプトに、映画作品だけではなく、ファッションブランドのコレクションなどジャンルを問わず上映されるそう。
そして渋谷PARCO part1にあったPARCO劇場も戻ってきます。
「オールS席」という座席を636席に増やし、旧PARCO劇場にゆかりの戯曲を新たな演出で上演したり、ゆかりのクリエイターの新作など、かつての記憶を残したまま新たな伝統の見せ方に挑戦していきます。
また、「ほぼ日刊イトイ新聞」がプロデュースする「ほぼ日曜日」というギャラリースペースも入ります。
展覧会、作品展示はもちろん、ライブ、パフォーマンス、ワークショップなども視野に入れているそうで、今後の展開が見逃せません。
なお、現在渋谷各地で開催されているアートイベント「シブカル祭。2019~ただいま!シブヤ~」の一環で、11月26日(火)には屋上の特設ステージにて一夜限りの音楽フェス「シブカル<屋上>祭。トゥインクル☆セッション」を開催予定。
18時~21時半まで(予定)無料で入場できるので、興味のある方はチルしてみては。
ポイント4:「体験型」コンテンツ
「体験型」「参加型」コンテンツが日夜増えていますが、コスメも体験する時代になりました。
たとえば、1階に店舗を構えるイヴ・サンローラン・ボーテでは、「レコーディングスタジオ」というプライベートブースを設置し、自由に写真を撮って(静止画、gifアニメ、ムービーの3種類から選べ、gif、ムービーはデータでメールに送信でき、静止画はメール送信だけでなくプリクラのようにプリントアウトしてお持ち帰りできます)SNSに公開できるように。
そのほか4階のクラランスにはスパが受けられる個室があり、スペシャルケアを体験した後、購入したホームケアアイテムで家でも毎日繰り返しケアができるという流れを構築しています。
また、コスメではありませんが、前述の6階「Nintendo TOKYO」では、大きなモニターで実際にゲームを体験できたり、同6階にはeスポーツが楽しめる「GG Shibuya mobile esports cafe&bar(ジージーシブヤモバイルイースポーツカフェアンドバー)」も。
見たり触れたり聴いたり食べたり…、まさしく五感で楽しむことができる渋谷PARCOは、また新たな文化や流行を渋谷にもたらしてくれるかもしれません。