交差点や踏切、広い道路に出るときなど、運転時には必ず行なっているはずの「徐行」。具体的にどのくらいのスピードを徐行と呼ぶのか、疑問に思ったことはありませんか? 今回は、改めておさらいしたい「徐行」のポイントについて解説します。
徐行の速度は時速何キロ?
徐行のスピードは、道路交通法で「車両等が直ちに停止することができるような速度(第2条)」とされており、はっきり何kmと定められているわけではありません。一般的には「おおむね10km/h以下」と言われることが多いですが、道路状況などによっても変わってくるため、あくまで目安として把握しておくとよさそうです。
徐行すべき場所
また、道路交通法では、「徐行すべき場所」として以下のような場所が挙げられています(第42条)。
- 「徐行」の道路標識がある場所
- 左右の見通しが利かない交差点に入るとき・通行するとき
※交通整理が行なわれている場合や優先道路を通行している場合を除く - 道路の曲がり角付近
- 上り坂の頂上付近
- 勾配の急な下り坂
上の2~5の場所は、道路標識がなくても徐行する必要があります。徐行しなかった場合、死角の対向車などと接触したり、曲がり角を曲がりきれなくなったり、下り坂で速度が出過ぎたりして、思わぬ事故につながる可能性があるのでくれぐれも注意しましょう。
徐行すべき場合(主な場合)
さらに、道路交通法では「徐行すべき場合」についても定められています。主なものは以下の通りです。
- 子どもや身体障害者、高齢者などが通行しているとき(第71条2、2の2)
- 通学・通園バスの側方を通過するとき(第71条2の3)
- 警察署長の許可を受けて歩行者用道路を通行するとき(第9条)
- 環状交差点内を通行するとき(第35条2)
上に挙げたもの以外に、歩行者がいる安全地帯の側方を通過するとき(第71条3)や、ぬかるみ・水たまりを通行するとき(第71条1)なども徐行する必要があります。他人に迷惑をかけてしまうだけでなく、反則金が課せられる場合もあるので、慎重に運転したいところです。
ときどき見かける「最徐行」って何?
通学路や施設内などを走っているとき、「最徐行」と書かれた看板や道路標示を見かけたことはありませんか? 最徐行という言葉は道路交通法に記載されておらず、徐行と同様に、具体的な速度が定められているわけではありませんが、「徐行よりも気をつけて走行してほしい」という意味で道路管理者が設置している場合が多いようです。
ちなみに最徐行は英語で「Dead Slow」「Slow Down to Limit(○○MPH)」と表現されます。後者は「時速○○マイルまで落とせ」と明確に速度が規定されているのが、お国柄の違いを感じさせますね。
意外と忘れがちな「徐行」の要点。初心者ドライバーのみなさんもベテランドライバーのみなさんも、ぜひこの機会に見直してみてください。