徳島県出身の堤雪菜さんが所属するアイドルグループ「A応P(えーおうぴー)」初の無観客ライブ「A応P−アニメ応援プロジェクト− BEST of BEST!!!!!!!! Next Generation~」が2日、公式ユーチューブチャンネルで無料配信された。グループを8年間リードしてきた初期メンバーの1人である巴奎依(ともえ・けい)さんの卒業ライブで、懐かしい楽曲から最新シングルまでを織り交ぜたセットリストで歩みを振り返ると共に、堤さんら「次世代」メンバーは、ライブパフォーマンスを大切にしてきた巴さんの思いを受け継いでいることを全力の歌とダンスで証明。2000人を超すファンも自宅からリアルタイムで声援を送り、誰からも愛された「お姫様」の最後の晴れ姿をまぶたに焼きつけた。
巴さんの「行くよ!」の一言で始まった1曲目は、A応Pと巴さんにとって始まりの曲である1作目シングル「Never Say Never」。巴さんの「今日はまばたきせずに楽しんでいってください」という言葉に続いてクールなパフォーマンスを繰り広げる。巴さん卒業後は最後の初期メンバーとなる広瀬ゆうきさんが「久々のライブ、全力で行っちゃいますよ。よーく見ていてくださいね」と声を掛けると、人気の楽曲「全力バタンキュー」へ。ユーチューブのコメント欄ではファンから「ハイハイハイ」「けいちゃーん」といった「声援」が飛び交う。
最初のMCではリーダー春咲暖さんが「始まりましたA応P BEST of BEST!!!!!!!! Next Generation~」、巴さんは「今日は私、巴奎依の卒業ライブです。よろしくお願いします」と明るい口調であいさつ。全員の自己紹介に続いて、8人で披露するのはこの日が最後となる自己紹介ソング「イントロデュースA応P」のパフォーマンスへ。曲中のせりふの部分では星希成奏さんや堤さんが「けいちゃん」を連呼し、明るい中にも巴さんへの惜別の思いをにじませた。
このまま間髪入れず「アリノママMY WAY」から「七転八倒返り咲き」「MISSION→」とライブで盛り上がる定番の曲を立て続けに披露。「MISSION→」では、せりふの部分で堤さんが「今世紀最大のけいちゃん」と叫ぶなど全員がまたしても「けいちゃん」を連呼。これに対し、巴さんが「まだここに居るんで安心してもらってもいいですかね」と自制を求めたが、堤さんは「お姫様はあなただけなんですよ」と自身やグループ、ファンにとっての巴さんの存在の大きさを叫んだ。
新型コロナウイルス対策で10分間の換気休憩を挟んだ後は、振り袖をイメージした衣装に着替えたメンバーが再びステージへ。巴さんにとって最後のシングルとなった「風吹けば月夜の果てに」と「恋に咲く謎、はらはらと」をあでやかに舞い踊った。巴さんと広瀬さん、2人が並んでパフォーマンスする姿もこの日が見納めとあって、ファンからは「けいゆうき最高」などと抑えきれない思いが寄せられる。
続く楽曲は、こちらもこの日が見納めとなる巴さんと工藤ひなきさんのユニット「Priiry♡ from A応P」の「Kiss & Cry」。かわいらしくも妖艶なパフォーマンスを披露し、間奏を迎えたところで巴さんが「私が担当してきた大大大好きなピンク色を、ひなきにもらってもらってもいいかな?」と打診。ひなきさんは「はい! 喜んで!!」と即答し、ピンク担当の継承が決まった。感動的な演出にファンからは「泣けた」などのコメントが殺到。再び8人そろっての「それゆけ!恋ゴコロ」の歌唱では、春咲さんらの目に光るものがあった。
広瀬さんが「ここで巴との思い出話とか話したいと思ったんだよ」と口を開くと、メンバーが夜に人狼をしたり、北海道で食事したりしたエピソードを口々に話し始める。しかし、それを遮るように広瀬さんが「思い出は話しきれないほどあるんですけど、もうラストスパートなんです。この後の楽曲に巴との思い出を込めていきます。巴と歩んできたA応Pの道、これから先も見ていてください」と思いの丈を延べ「自転車に花は舞う」「ディア ホライゾン」「未来へつなげ」(A応P Version)を続けて披露。近づく別れの時を実感してか、パフォーマンスにもいつも以上に気持ちがこもる。
ここで巴さんが「早いもので、もうすぐ終わっちゃうと言うことで、巴奎依ちゃんからの有り難いお言葉のコーナーです」と口火を切って、卒業のあいさつへ。衣装やメーク、楽曲制作などの裏方に丁寧に感謝を述べる中で、A応P運営チームに対しては「本当にクソ生意気な小娘だったっていう自覚がめちゃくちゃあります。いろんなお願いきいてもらって、いろんなわがまま通してもらって、8年間長く長く見てくださっていて本当に感謝しております」と巴さんらしい表現でお礼を述べた。
続いてメンバー1人1人の名前を呼び「本当に長い間ありがとう」と感謝を表すと「特にひろせは私が突然消失しそうな状態をずっと支えてくれてて、本当に感謝しています」と唯一同期の戦友に対する思いを語った。さらに「理想的なアイドルではなかったと思うし、理想的な先輩でも同期でもなかったとは思うんですけど、それが個性として受け入れてくれたのは、人との距離を取るのが難しいオタクのみんなが居てくれたから分かり合えたのかなってすごく思っているので、とっても感謝しております」とメンバーへの愛情を語った。
最後にファンに対して「あなたたちが居てくれるから私は存在することができました」と感謝を表した上で「アイドル活動は辞めることよりも続けることの方がずっとずっと大変。続ける道を選んだみんなの顔や踊りをじっくり見てもらって、A応Pの巴奎依を好きだったみんなが、しばらくたってからでいいから、A応Pの違うメンバー推しですっていう未来が来ることを私はすごく望んでいるし、そうやって長く長くA応Pを応援してくださると本当に心からうれしいなって思います」と、残るメンバーたちへのこれまで以上の応援を呼び掛け「破天荒に8年間過ごさせていただいて、もう心の底から楽しかったです。これからもA応Pと、そして巴奎依の応援も、皆さまよろしくお願いします。ありがとうございました」と締めくくった。
最後は巴さんの「私自身を支えてくれたし、A応Pにとってもかけがえのない1曲となったこの曲を聴いていただきたいと思います」という前振りに続いて「希望TRAVELER」を笑顔でパフォーマンス。他のメンバーが退場した後、最後に1人だけステージに残った巴さんは「ここまで応援してくださったファンの皆さま、あんまり私は言うキャラじゃなかったけど、みんなのこと心から大好きでした。あ、今も大好き。だからこれからも応援してね。バイバーイ!」と明るくあいさつして、アイドル巴奎依としての最後のステージを後にした。
■A応P−アニメ応援プロジェクト− BEST of BEST!!!!!!!! Next Generation~
セットリスト
1、Never Say Never
2、全力バタンキュー
3、イントロデュースA応P
4、アリノママMY WAY
5、七転八倒返り咲き
6、MISSION→
7、風吹けば月夜の果てに
8、恋に咲く謎、はらはらと
9、Kiss & Cry(Priiry♡ from A応P)
10、それゆけ!恋ゴコロ
11、自転車に花は舞う
12、ディア ホライゾン
13、未来へつなげ(A応P Version)
14、希望TRAVELER
■巴奎依さんあいさつ全文
はい、じゃあまず、私はすごく照れ屋さんで恥ずかしがり屋さんなので、ちょっとこの場をもって改めて言わせていただきたいんですけど、まず、今回の新曲の衣装とかもそうなんですけど、いつもA応Pを外側、衣装だとかメークだとかで輝かせてくれる衣装さん、メークさんチーム、たぶん見てくれていると思うんですけど、本当に長い間ありがとうございました。皆さんのおかげでとってもかわいくいることができたなって本当に思っています。
そして、映像制作チームさん。今日みたいなライブ配信だったりだとか、あとMVの撮影だったりとか、いつもいつも担当してくださってたり、ブルーレイだとかも発売させていただいてたりとか、本当にいつも私たちの最高の瞬間を切り取ってくださっていて、本当にありがとうございました。
そして、音楽制作とダンスの先生チーム。本当に私たちはライブ資本のチームであるので、楽曲とダンスがなかったら活動することができない、ままならないといつも思いながら歌ったり、ダンスをしていたりしました。本当にいつもすてきな楽曲とダンスをありがとうございました。
そして、ライブイベントチーム。本当にいつもありがとうございます。今日もそうですけど、特にこないだの4thライブツアーは12公演回ったりして本当に大変だったなって思ってます。本当にたくさんたくさん長い間付いてきてくださって本当にありがとうございました。
そして、何よりA応P運営チーム。本当にクソ生意気な小娘だったっていう自覚がめちゃくちゃあります。本当にいろんなお願いきいてもらって、いろんなわがまま通してもらって、本当に8年間、居なくなってしまった方も多々いらっしゃいますが、それでも長く長く見てくださっていて本当に感謝しております。ありがとうございました。
そして、メンバー。あさひ、こじ、ゆきな、のんちゃん、せえな、ひなき、何と言っても、ひろせ。本当に長い間ありがとう。実際、活動した期間が意外と体感してみると、意外と短く感じてしまうね、今思うと。でも、ひろせは特に私が本当に突然消失しそうな状態をずっと支えてくれてて、本当にメンバーには感謝しています。
理想的なアイドルでは私はなかったと思うし、理想的な先輩でも同期でもなかったとは思うんですけど、それを良しとして、それが個性として受け入れてくれたのは、こういう、人との距離を取るのが難しいオタクのみんなが居てくれたから分かり合えたのかなってすごく思っているので、とっても感謝しております。っていうお礼。
そして最後に、ファンの皆さまですね。何と言っても、あなたたちが居てくれるから私は存在することができたし、みんなが見いだしてくれたから本当に私は活動ができたなって思っているので、ファンのみんなにもお礼を伝えたいです。そして何よりも、直接会う機会をまともに設けられないまま卒業していくことはどうかお許しいただきたいなと、本当にごめんねって思ってます。でもきっと、今日見てくれていると思うので、今日のこの1時間でなるだけの感謝を伝えられたらなと思っています。
で、私がファンのみんなに伝えたいこととしては、こっからは持論なんですけど、私は今までずっと、ずっとずっと卒業だとか辞めていくのを見送る側でした。今回初めて卒業という立場を経験しているんですけど、それでもやっぱり思うのは、こういったグループ活動だとか、アイドル活動だとかって、私の持論だけど、辞めることよりも続けることの方がずっとずっと大変です。続ける選択をすること、肉体的にも精神的にも続けることの方がよっぽど大変だから、ファンのみんなには早くそれに気付いてほしいっていう私のお願い。
それは、今は卒業していく私に意識が向いてしまうと思うし、それは仕方がないことだと思うんですけど、できるだけ早く、もう今から続ける道を選んでいるみんなの表情を見てほしいし、私以外のメンバーの顔と踊り方とかをじっくり見てほしい。この子は続ける道を選んだんだっていうのを考えながらライブを見てもらえたら、とってもうれしいなって思います。
だから、私は芸能活動はまだ続けるので、居なくなるわけじゃないんで、だからこそ、数週間後、数カ月後、A応Pの巴奎依を好きだった子たち、好きだったファンのみんなが、しばらくたってからでいいから、A応Pの巴奎依推しから、A応Pの違うメンバー推しですっていう未来が来ることを私はすごく望んでいるし、そうやって長く長くA応Pを応援してくださると私は本当に心からうれしいなって思います。それが私がファンのみんな、子うさぎちゃんたちにお願いしたいわがままですね。無理はせずに皆さま、長くA応Pを応援してくれるととってもうれしいなって思っております。
私の気持ちはこんな感じなんですけど、最後に1個、お知らせしてもいいですか? (メンバー「いいよー」) お知らせがありまーす。んふふーん。皆さん私の友人のDJサブカルクソ女さんってご存じでしょうか? (メンバー「なんか聞いたことある」) 私にすごく似てる見た目で、DJをされてるDJサブカルクソ女さんって方がいらっしゃるんですけど、なんと、DJサブカルクソ女さんが、A応P楽曲でミックスCDを10月に発売することが決まりました! (メンバー「おー」「えー」)
DJサブカルクソ女さんがA応P楽曲のみをつないでミックスCDにしたものを10月予定で発売することが決まりまして、なのでまだ間接的ではありますが、A応Pにちょっとだけ関わらせていただきますので、皆さんそれをお楽しみに、かっこいいつなぎを作れるようにクソ女さんに伝えておきますので。お楽しみにしていてください。
本当にあっという間の8年間ではありましたが、破天荒に8年間本当に過ごさせていただいて、もう心の底から楽しかったです。これからもA応Pと、そして巴奎依の応援も、皆さまよろしくお願いします。ありがとうございました。
■A応P−アニメ応援プロジェクト− BEST of BEST!!!!!!!! Next Generation~アーカイブ映像(8月5日 水曜日まで公開予定)
https://youtu.be/JPrR2-tTK5E