“あおり運転”を厳罰化するきっかけとなった、常磐自動車道で起きた事件。
行われた初公判で、宮崎被告は何を語ったのか?

常磐道あおり運転・殴打の男、初公判

7月27日午後、茨城・水戸地裁で開かれた注目の初公判。被告人として法廷に立ったのは、宮崎文夫被告(44)。

去年8月、茨城県の常磐自動車道で執拗(しつよう)なあおり運転をした上、相手の車を無理やり停車。

運転していた25歳の男性に対し「殺すぞ」などと叫びながら、複数回顔を殴りけがをさせた強要と傷害の罪に問われている。

この事件では、ガラケータイプの携帯電話で暴行場面を撮影していた女も、宮崎容疑者を匿うなどした疑いで逮捕されたが、去年9月に罰金30万円の略式命令を受け、すでに釈放されている。

事件から約1年。ようやく裁判が始まることに被害者の男性は…

被害者の男性:
正直に言ってほしいですね。なんでそういうことをしたのか。本当に恐ろしいと思います、あおり運転は。二度と車を運転してほしくはない。

起訴内容すべて認める

午後1時30分頃から始まった初公判へ、宮崎被告は短い髪に黒いスーツ姿、顔には白い布マスクを着けて出廷。

裁判長から職業を聞かれ、会社役員と答えた宮崎被告。
常磐道でのあおり運転に加え、静岡県と愛知県でのあおり運転でも起訴されており、一緒に審理される。

起訴内容について宮崎被告は「違っているところはありません」と小さな声で話し、3つの事件すべての起訴内容を認めた。

宮崎文夫被告:
本当に逃げも隠れもしません!あおり男の容疑を頂いている。行かしてください本当に!

去年8月に大阪市内で身柄を確保された際には、大声で抵抗する様子が報じられた宮崎被告だが、初公判ではうって変わって小さめの声で受け答えをした。

前向きに運転免許再取得を語る

検察側は冒頭陳述で、「いずれの事件も被害者の車が進路妨害したと感じた被告が、腹を立てて犯行に及んだ」と指摘。犯行の証拠としてドライブレコーダーの映像が廷内で流された。

続いて読み上げられた、常盤道の事件に関する供述調書では…

宮崎文夫被告:
「殺すぞ」と言ったかについては記憶がない。被害者には殴ったことは申し訳ないと思っている。

つづく弁護側の被告人質問で、宮崎被告はマスクをフェイスシールドに変え。

宮崎文夫被告:
ドライブレコーダーの映像で日本中を恐怖の渦に巻き込んだ責任を痛感している。2度と同じようなことを繰り返さないよう努めていきたい。

声を震わせながらこう語ると「申し訳ありません」と座ったまま頭を下げた。

そして、運転免許の再取得については「車が好きなので取りたいとは思っています」と前向きな姿勢を示し、安全運転の模範になるくらいの心構えで再取得する考えを口にした。

次回の公判は8月31日に開かれ、検察が求刑を行い結審する見通し。

(「Live News it!」7月27日放送分より)