人気ブロガーのはあちゅうさんが、インターネット上で受けた誹謗(ひぼう)中傷の書き込みについて、105件の権利侵害が認められたと明かした。
ブロガー・作家のはあちゅうさん「ずっとインターネットを中心に活動してきて、誹謗中傷は受けてきたけど、ここ数年、誹謗中傷が加速してきて」
人気ブロガーで作家のはあちゅうさんが、自身に向けられたネット上の書き込みが、裁判所に違法認定されたことをブログで報告。
5日、担当弁護士と「アレコレト!」の独占取材に応じ、これまでの経緯を説明した。
はあちゅうさん「わたしの名前をかたって飲食店に電話をかけたり、ネット上だけでなく、現実世界に嫌がらせが及ぶようになってきた。このまま放っておくと、もっとひどいことになると思い、弁護士に相談した」
はあちゅうさんは、誹謗中傷を書き込んだ人物を特定するため、弁護士を通して、裁判所に発信者の情報開示請求を申請。
裁判所は、これまでに「横顔が壊滅的にブス」、「すべてにおいて薄っぺらい女」など、105件の書き込みについて、誹謗中傷などの権利侵害にあたると認定。
今後、名前、住所を特定でき次第、発信者を相手取り、損害賠償請求を行うという。
はあちゅうの代理弁護士・福永活也氏「名誉毀損(きそん)にあたるような虚偽事実の摘示によって相手の社会的評価を低下させるもの、もしくは侮辱行為のうち、特にひどいものが(権利侵害が)認められる。はあちゅうさんの場合は、誹謗中傷の内容が酷いので、1つの掲示板でも何十件、100件を超えるような(違法判断が)出ている状況」
その1つが、妊娠をめぐる書き込みだった。
2019年1月、はあちゅうさんは“妊活宣言”を行い、その後、第1子を妊娠。
しかしネット上では、妊娠を知ってから妊活を行ったとする、“妊活詐欺疑惑”の書き込みが殺到。
はあちゅうさんは、完全否定してきた。
福永弁護士によると、今回、裁判所は妊活詐欺はなかったとして、こうした書き込みも違法と認定したという。
はあちゅうさんは、さらに、ほかの誹謗中傷の書き込みについても、情報開示請求を続けているが、こうした動きを知ってか、誹謗中傷を書き込んだ人からメールで「反省しました」と謝罪の連絡があり、一定の賠償金を支払うことで示談が成立したケースもあったという。
はあちゅうさん「謝罪してくれることは素直にうれしいですし、申し訳なかったと伝えていただいて、もうそれだけで、心のわだかまりが消えていったので、裁判にしてよかったなと、この段階で思っています」
はあちゅうさんは、誹謗中傷で傷ついている人に対して、「犯罪の被害者なんだから傷ついて当然だよ」と声をかけたいと話している。
はあちゅうさん「わたしは弁護士に相談して法的措置をとってもらって、(誹謗中傷は)違法だったから、わたしは傷ついて当たり前だったんだって、初めて自分で自分に傷つくことを許せた気がします。今傷ついている人がいたら、ちゃんと法的な措置で保護されるべき立場なんだよと気づいてくれればよい」