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「首を刈ってやる」という脅迫も

 西浦氏がそもそも“8割おじさん”と呼ばれるきっかけとなったのは4月のシミュレーションだった。行動制限をとらなかった場合、42万人が死亡すると推計を発表した。現在はどう考えているのか。

「科学者として後悔していないし、試算に瑕疵があった訳ではありません。ただ曲解されないようにしっかり条件を説明するなど、発表の仕方は工夫すべきだったと反省しています」(同前)

 この試算をきっかけに「国民を脅かす行為」「経済を無視している」などとの批判が強まることになった。

「経済的な被害が少ないモデルを考えることは重要ですが、私は感染症対策の専門家です。経済を気にして流行を止められず、人が死ぬことを避けなければならないと考えています」(同前)

接触8割減を訴える西浦教授(Twitterより)

 西浦氏の研究室には電話や手紙が相次いだ。

「中には励ましのメッセージもありました。ただ、『いますぐ大学を辞めなさい。辞めなければ私が大学に行き、首を刈ってやる』という脅迫も来ました」(同前)

 今、西浦氏は札幌でも25度を超える暑さが続く中、北海道大学の研究室で汗をかきながら引っ越し作業に追われている。8月1日から京都大学医学研究科の所属になるからだ。

「引っ越しと分析で、あせあせしています」(同前)

 そんな西浦氏の趣味はマラソンとダイエット。以前の「週刊文春」では「収束したら痩せます」と宣言したが……。

「厚労省にこもっているときは食事もカップラーメンで25キロ太りました。札幌に帰ってからはマラソンを再開し、妻が豆腐しか出してくれない(笑)ので、10キロは減った。先日の加藤勝信厚労相とのオンライン勉強会で、開口一番『お〜小さくなったな』と言われましたよ」(同前)

 京都では山中伸弥教授と鴨川でランニングするのが楽しみだという。

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