すでにコロナショック下の現在、米国では黒人差別が高まるのとともに差別が社会問題化、日本においても取り扱いを間違えると「監視アプリ」として機能する恐れのあるツールが台頭している。私権が制約される忌々しき流れに向かっているが、忘れてはならないのは、逆に欧米ではプライバシーを大切にする機運も同時に高まっているということである。
アメリカのテック企業は、グーグルとアップルが、プライバシーに対しては、かなり留意しながらデジタル化を進めている。日本においては、デジタル化はむしろこれからだが、中国の監視国家の脅威や、一部の私権制約論にほだされて、安易にプライバシーを軽視すれば、足元をすくわれることになりかねない。
自由主義国家に生きる我々は、いまこそ私権について、厳しく問い直さなければならないだろう。
6.リーマン・ショック →震源地である米国金融機関は公的資金が投入され「国有化」され、規制も強化されることによって、グローバルでの米国金融セクターの力が削がれていった一方、中国では大規模な財政投入、経済刺激策が実施され、それ以降の中国経済の台頭につながっていった
そして未曽有の経済危機となったリーマン・ショックからは、その後の覇権争いの趨勢を読み取ることができる。金融危機の震源地であるアメリカの金融機関には公的資金が投入され、実質的に国有化された。
規制が強化され、グローバルでの米金融セクターの力が低下。その間隙を縫うように、中国では4兆元とも言われる大規模な財政支出を実施し、グローバル経済を下支えした。以降、中国経済の世界的なイニシアチブが高まり、新たな覇権国家としての台頭したのである。
コロナショック下においても、PEST(政治、経済、社会、テクノロジー)全般において、新興勢力が台頭し、覇権を握る勢力が表れてくることになるだろう。
そこでどう立ち回り、どう生き残りをかけていくのかは、すべての人々、組織の課題ともいえる。