一方で、危機はイノベーションの源泉となってきたことも忘れてはならない。
4.オイル・ショック →原油価格の高騰に端を発して、省エネルギーが進むとともに、経済・社会における生産性や効率性が向上していった
過去、日本は2回のオイルショックを経験しているが、原油価格の高騰に端を発して、省エネ化が進み、経済や社会の生産性や効率性が向上していった。これを世界的に牽引したのは日本である。
今回のコロナショックで起こっている社会的イノベーションはデジタルトランスフォーメーションであることは言うまでもないが、日本はオイルショック時とは真逆に、世界から大きく出遅れている。しかし、日本はいつも危機意識を持ってから挽回してきた国だ。今後の社会的な変革が進展することに期待したい。
さらに脅威は人々に安全を求める気持ちを強く抱かせてきた。
5.9.11→テロの脅威からセキュリティに対する意識が先鋭化、プライバシーよりもセキュリティ強化へ振れていった
9.11では、テロの脅威からセキュリティに対する意識が先鋭化して、プライバシーよりも、セキュリティの強化に社会全体が触れていった。自由を国是とするアメリカでさえも、私権を大きく制約する監視国家となったのだ。