# 新型コロナウイルス

黒死病、オイルショック…「歴史は繰り返す」コロナ後の世界はこう激変する!

「7つの危機」の教訓をいかせるか
田中 道昭 プロフィール

2.スペイン風邪 →約2年間のうちに第一波、第二波、第三波が発生したことから、危機は再び襲ってくるという危機意識が先鋭化されていった。

同じくパンデミックが社会を変えたのが、スペイン風邪だった。特徴は人々の潜在的な危機意識を先鋭化させたことだ。約2週間のうちに、第一波、第二波、第三波が発生し、人々の意識には、「危機は何度でも、繰り返し襲ってくる」ことが、刷り込まれた。

今回のコロナ過でも同じことが起きている。第一波が去ったと思っても、現在のようにまた陽性者が拡大し、おそらくこの冬にもより深刻な現象が起こるだろう。何度でも危機が訪れるパンデミックの恐怖を人々は、着々と意識と潜在意識の中に刷り込んでいる。

これは新型コロナウイルスに限られることではない。地球温暖化は、毎年のように九州に大雨による災害をもたらしており、さらに近年は、東日本大震災や熊本大震災のように、数年のスパンで大地震に見舞われている。

生活の上でも危機が目の前にあることが、ニューノーマル(常識)となる時代となったのだ。

 

危機に直面した社会がたどった道

歴史を見れば、危機感を募らせた社会は、囲い込みをすることで安心を得ようという行動に繋がっていった。

3.世界恐慌 →保護主義の台頭がブロック経済の形成につながり、それが第二次世界大戦への一因にもなっていった。

その端緒となったのが、1929年に起こった世界恐慌だった。保護主義が台頭し、世界はブロック経済化した。これが第2次世界大戦に繋がっていたことを、いまこそ我々は教訓とするべきだろう。7月23日にポンぺオ米国務長官がカリフォルニア州のニクソン大統領図書館という中国との友好を示す場所で行った対中関与政策への決別宣言は、この歴史からの教訓を合わせて見ると、本当に大いに憂慮すべきものだ。

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米中新冷戦によるグレーターアメリカとグレーターチャイナの激突は避けられない。各国にナショナリズムの台頭があることに注意を払わなければならない。