# 新型コロナウイルス

黒死病、オイルショック…「歴史は繰り返す」コロナ後の世界はこう激変する!

「7つの危機」の教訓をいかせるか
田中 道昭 プロフィール

筆者が参考としたのは、1.黒死病(14世紀半ば~後半)、2.スペイン風邪(1918年~1920年)、3.世界恐慌(1929年、1930年代にかけて)、4.オイルショック(1973年、1979年)、5.911(米中枢同時多発テロ、2001年)、6.リーマンショック(2008年)、7.311(東日本大震災、2011年)である。

さっそく、一つずつ見ていこう。

1.黒死病 →欧州を中心に多くの死者が出たことによって人口・労働人口が激減、それに端を発して農奴解放、農民の地位向上、独立自営農民の出現など、封建社会が変質していった

 

黒死病は、いわゆるペストのパンデミックである。欧州を中心に多くの死者を出したことで、労働人口が激減した。それに端を発して農奴解放など農民の地位が向上し、独立自営農民が出現した。つまりそれまでの封建社会を変質させたのである。

パンデミックにより従来の制度が突如として、通用しなくなり、人類は新しい価値観のもとに、社会に適応していったわけだが、今回のコロナ過でも同じことが起こるだろう。

筆者は、とりわけ中央集権型の社会から、分散型の社会になると考えている。それは政治において顕著だった。コロナ対策は地方自治体の首長の権限が大きく、東京都の小池百合子知事や、大阪府の吉村洋文知事の発信力に注目が集まった。

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有権者が国よりも地方自治体に熱い視線を送るようになったのだ。これにより、中央集権の政治から、地方分権型の政治がますます注目されるようになるだろう。

社会においてもそれは同じである。組織においても、中央集権的な体制よりも、より現場のリーダーシップが求められるようになっている。テクノロジーもそれを後押ししており、ブロックチェーンによる、分散型社会が本格的に台頭していくことになるだろう。