# 新型コロナウイルス

黒死病、オイルショック…「歴史は繰り返す」コロナ後の世界はこう激変する!

「7つの危機」の教訓をいかせるか
田中 道昭 プロフィール

「3割経済」へ大縮小…

「シンカ」とはすなわち、「真価」と「進化」である。

社会に対する企業姿勢は絶えず、その「真価」が問われ続けている。また危機に大きく変化する社会に後れを取らないために、「進化」のスピードを高めていくことが求められているのだ。

収束の見えないコロナ感染拡大の中で世界の変容は既成事実となっている。

今後、コロナとの共存を受けて、世界経済がどう推移していくのか。今後2年の筆者の見通し(ベースケース)を示しておきたい。なお、これはあくまで筆者が考えるベースケースであり、今後、問題解決の途中で大災害、経済崩壊、冷戦の悪化等が発生し、危機が複合化した場合のワーストケースに備えておく必要があることを指摘しておきたい。

コロナショックで大暴落した株価だが、各国の巨額な金融財政支援を受けて、すでにビフォアー・コロナの水準に戻りつつある。しかし、ご存知のように企業業績が回復したから株価が復調したわけではなく、官製相場によって株高が演出されているに過ぎない。

今後は、秋から冬にかけて再び重傷者が増えてくる本格的な「第2波」が襲ってくると、再び世界は自粛経済を余儀なくされるかもしれない。そうなると、再び株価は下落を始めるが、また金融財政支援が行われ、実態なき株高が続いていくことになるだろう。

実体経済と乖離して株価が上がっている… photo/gettyimages
 

一方で、実体経済は「7割経済」が標準となっている。また感染爆発が起こるたびに、自粛意識が強まれば、いつでも「5割経済」、「3割経済」に縮小される可能性が実体経済に埋め込まれている状況だ。

金融・財政支出が増え続ければ、おカネの価値が下がり、モノの価値が上がっていくインフレ状態となるが、実体経済の回復が見込めないと、デフレもまた常態化していくことになる。インフレとデフレが同時に襲ってくるスタグフレーションに陥る懸念がある。